ギアで言えばストーブや寝袋、ウエアで言えばダウンジャケットや中綿入りシューズなど、冬キャンプの防寒対策は実に様々。どれだけ揃えても、冬キャンパーたちのサイトを覗くと「そんなやり方があったか!」という防寒対策があったりします。
先日ふもとっぱらにて開催された、GO OUT CAMP 冬 2023(以下、GOC冬)でも、参加者の皆さんは徹底した冬装備。そこで今回は、GOC冬参加者の皆さんに、冬キャンプを快適に乗り越えるための小ワザを取材しました。
話を聞いていくと、一般的なギアでも使い方を工夫されているものや、「なにそれ?」と思うような珍ギアまで、冬キャンプをまた一段と暖かくするコツを発見! その中でも選りすぐりの5つを紹介します。
あると便利なサブストーブは、MSRの日本未発売ギア。
キャンプの防寒の定番といえばストーブ。大きな灯油ストーブをメイン暖房にしているキャンパーさんも多いですが、それに加えて、ちょっとしたときにさっと暖を取れるコンパクトなストーブをサブとして持っているとより幅広いシーンに対応できます。こちらのTomさんのサイトでは、見た目も機能も良しなサブストーブを発見。
Tomさんが使っていたのは、MSRの「リアクターストーブ」。日本未発売のアイテムですが、コアなキャンパーの間では人気のあるアイテム。OD缶に取り付けるガス式のポータブルストーブで、本国では熱効率に優れた専用のクッカーとセットで発売されています。
「GO OUT CAMPのフリマで一目惚れして購入しました。トヨトミの大型灯油ストーブをメインに使っているんですが、テント全体が温まるまでの繋ぎとして併用しています。大きなストーブを使うまでもない寒さの日にも重宝しますね。」
「セットのクッカーと組み合わせると、素早く湯沸かしできるので、暖かい飲み物が欲しいときにも活躍しています。ストーブ本体はコンパクトで、クッカーの中に綺麗に収納できます。」
「火を入れると、メッシュ越しにMSRのロゴが浮き出るのも良いですね。視覚的にも暖かさを感じます。コンパクトですが、パワーがありますよ!」
マストではないですが、あると便利な小型のガスストーブ。寒い時間を少しでも無くしたい寒がりさんは是非とも持っておきたいアイテムです。
極圧エアマット&2重シュラフで作る冬の快眠環境。
起きている時間はストーブや焚き火で暖を取れますが、問題は就寝時の防寒対策。スリープギアの防寒が足りないと、寒さで眠れない夜を過ごすことも……。ハヤブサさんのテントサイトでは、極寒環境をものともしない寝床を発見。
「寒い日はナンガのシュラフを2つ重ねて使っています。テントが凍るような寒さの日にはこのスタイルですね。季節に合わせて、3シーズン用と4シーズン用のシュラフを単体で使ったりしてます。」
シュラフを2つ持っているなら、この方法であれば高価な冬用シュラフを買わずとも真冬もキャンプを楽しめます。
シュラフ以外に気になったのが、この分厚いエアマット。キャンパーはもちろん車中泊派バンライファーの間でも人気の高い、スイス発アウトドアブランド、「EXPED(エクスペド)」の「メガマット10LXW」。
「シュラフの背中側は、ダウンが潰れるので、分厚めで断熱に優れたマットで、底冷え対策をしています。シュラフも大事ですが、マットの質も快眠に欠かせないポイントです。」
「エアーだけのマットは地面の冷気に負けがちですが、このマットは中にフォームが入っていて、厚さも10センチあるので、断熱性ばつぐんです。厚さが10センチあるので、地面の凸凹もへっちゃら。寝心地も最高ですよ!」
エクスペドのマットでも十分の防寒性能があるが、今回は念の為、クローズドセルのマットも使用。徹底した底冷え対策には脱帽です。
スウェーデン軍のオーバーパンツは焚き火もへっちゃら&中綿入りで冬キャンプに最適。
冬キャンプでは、ギアだけでなく、ウエアも防寒対策の大事な要素。古着をこよなく愛する長尾さんが紹介してくれたのは、スウェーデン軍の「M-90 コールドウェザーパンツ」。軍モノのウエア好きの間では知る人ぞ知る名品です。
「M-90 コールドウェザーパンツ」は、90年代初期にスウェーデン軍に正式配備された寒冷地用のオーバーパンツ。表地には高密度に織られたポリコットン生地が採用され、ポリエステルの中綿入り。裏地にはキルティングが施されたヘビーデューティな仕様です。
「中綿入りで、風や濡れにも強いので、寒い時期には重宝しています。表地はTC素材なので、焚き火をしているときに火の粉が飛ぶのも気になりません。綿入りの暖パンって、野暮ったくなりがちですが、このパンツはシルエットも良いので、街着としても愛用しています。」
「お気に入りのポイントは、パンツの上から重ね着しやすいところ。サイドにジッパーが付いているので、気温の変化に合わせて、靴を脱がずにさっと脱ぎ履きできます。日中暑くて、夜寒い日のキャンプで大活躍です。」
高さ調整がポイント。身近なアイテムを活用したアウトドアこたつ。
冬は床なしのシェルターとストーブというスタイルが多い中、こちらはロッジテントの中にこたつをインストールし、まさにお家のようなスタイルでぬくぬくと過ごしていました。なんとこちらのこたつは、アウトドア用テーブルをアレンジして作ったものとのこと。
「ロールトップテーブルにホームセンター入手したブランケットを組み合わせて、こたつにしています。SNSでキャンプでこたつを楽しんでいた方の投稿を参考に自分なりにアレンジしてみました。実際にやってみると、アウトドアでこたつを使うという非日常感が最高です!」
「熱源として湯たんぽを2つ入れています。湯を沸かす手間はありますが、電源が不要なので、場所を選びません。このテーブルのサイズだと、けっこうあったかいんですよ。下に敷いている、もこもこのラグは、ニトリの『Nウォーム』です。」
本物のこたつをキャンプに持って行こうとすると大変ですが、この方法であればお手軽にこたつのぬくぬく感をゲットできそうです。
「工夫したポイントは、高さの調整ですね。ロールトップテーブルのフレームに外ロープと自在金具を使って、開き具合を調整し、天板の高さを上げています。この日はローコットの上に座椅子を置いて座っていたので、そこに高さを合わせました。掘りごたつチックで快適です。」
技ありガジェットで手を温める、2分割可能な充電式カイロ。
昔ながらの防寒対策カイロですが、近頃は使い捨てではなく、充電することで繰り返し使える電気カイロが流行中。そんな充電式カイロでも、こちらの「HAGOOGI(ハゴオギ)」のカイロは分割式。両手に握って冷えた手先を温められます。
「使い捨てカイロは温めるまで時間がかかりますが、この充電式カイロはあっというまにあったかくなります。分割して左右ポケットに入れられるのも嬉しいポイントです。友達が寒がっている時に、パピコ形式でシェアできるのもいいですね!」
こちらのアイテムは給電も可能なので、困った時にはスマホなどの充電も可能です。
「繰り返し使っていけば、使い捨てカイロよりもお得になると思います。普段のキャンプでもポータブル電源を使っているので、使い捨てカイロを使うよりも、ゴミも出ないし、ずっと便利ですね!」
ちょっとした小ワザで冬キャンプがより暖かく。
冬のフィールドでキャンパーさんたちに話を聞いてみると、防寒対策の方法も十人十色でした。テントや寝袋、ストーブなどを冬用にするのはもちろんですが、今回紹介したようなちょっとした小ワザがあると、冬キャンプがもっと快適になりそう。ぜひ、いろんな防寒小ワザを使って、暖かく冬キャンプを楽しんでみて。
The post こだわり派たちに聞いた、冬キャンプ攻略の小ワザ。 first appeared on GO OUT.