キャンプ場に到着してまずは乾杯……その場にのっけから凝った料理を並べるのは難しいですよね。そんな時、意外とみんなお菓子を食べていませんか? 料理好きな人でも、好きなお菓子をしっかり持参していたり、なんだったらキャンプの間ずっとちょいちょいお菓子をつまみ続けている人も多いのでは?今回は、実はキャンプに欠かせない存在である「お菓子」にフォーカスしたニッチな企画。お酒好きであり、お菓子好きでもあるキャンパーに、イチ推しのお菓子を教えてもらった。
第3回目となる今回は、お酒をテーマにしたユニークなキャンプギア&ウエアなども展開するブランド「grn outdoor」の立元真さんが登場だ。
これまでの記事はこちら!
酒好きキャンパーがイチ推しする「お菓子」セレクション。#1(BEAMS 菊地延さん)
酒好きキャンパーがイチ推しする「お菓子」セレクション。#2(NorMo Ayase GARAGE 村田くれあ)
そんな立元さんがおすすめする推しお菓子は、次の7商品!
立元さんイチ推しのお菓子7選。
どこにでも持っていきたい、ビールの友。
クラッツ ペッパーベーコン(江崎グリコ)
歯ごたえのある「カリッ!」を経て、口中に広がる濃厚なベーコンの旨み――。2005年に登場するや、あっという間に駅の売店でおなじみの存在に上り詰め、今ではコンビニやスーパー、ドラッグストアでもよく見かけるように。パッケージにビールの画像がある通り、ビールのお供として秀逸なおつまみスナックだ。
立元「キャンプだけでなく、出張のときに新幹線でもお世話になっています。ポケットに入るサイズですが、味が濃厚なので少ないとは感じません」
新幹線にはビール×1本、ハイボール×2本を一緒に買い込んで乗車するそうで、当製品をつまみにして新大阪~品川間でちょうどよく呑み終えることができるのだとか。
村田「この商品、食べたことなかったです。今日知れてよかった……今度から買います!」
と、紅一点の村田さんも絶賛。パッケージのビールは伊達じゃない、そんな鉄板おつまみっぷりを発揮した。
ついつい夢中になって食べてしまうロングセラーえびせん。
かっぱえびせん(カルビー)
1964年に発売されたロングセラー中のロングセラー。「やめられない、とまらない♪」とのフレーズとメロディで知られる国民的スナックだ。そんな長寿商品でありながら、実はレシピは発売当初からほとんど変わっていないらしい。
ちなみになぜ「かっぱ」なのかというと、1950年代に連載されていた『かっぱ天国』という漫画作品が元ネタ。発売当時、作者にパッケージ用のキャラを描き下ろしてもらったという。
立元「日本人で知らない人はいないですよね。『やめられない、とまらない♪』まで歌って続きを促せば、誰でも商品名が出てきます」
菊地「キング・オブ・スナックですね。この商品が偉大すぎるので、他のメーカーはえび味に手を出しにくいかもしれません」
立元「お酒は何も考えずにビールがおすすめです」
村田「確かに、かっぱえびせんはワイン好きの私でもビールですね」
……と話しながら、やはり当商品に伸ばす手が止まらなくなる3人だった。
牛肉の旨味とわさびのツーンがクセになる。
わさビーフ(ヤマヨシ)
わさび味とビーフ味をかけ合わせた、ポテトチップス界のレジェンド。上質な牛肉をわさび醤油でいただくことがあるように、わさびとビーフの相性はバツグン。濃厚なビーフの旨みとわさびの「ツーン」はまさに名コンビだ。
パッケージのイラストは、かつて「わさっち(旧名:わしゃビーフ)」という眠そうな牛のキャラクターだったが、今は新キャラを採用。ただいまその名前をSNS上で募集している(2023年10月31日まで)。
立元「出会ったのは小学校高学年~中学生の頃でしょうか。ポテトチップスとしては画期的な味でした」
菊地「わさびとはいえ、子供でも大丈夫なマイルドさがありますね」
立元「そして大人になっておつまみにするわけですが、この商品はわさびの効果で白ワインもイケるんですよ、ビールだけじゃなく」
わさび味のお菓子は普通、日本酒や焼酎といった和の酒がマッチするが、当商品はワインに対応。しかもビーフ味を持ちながらも白ワインに合うという、独特のポジションを陣取るスナックだ。
どんどん酒を煽る山椒の香り。
ふわっとバンザイ山椒の風味(岩塚製菓)
せんべいの名門・岩塚製菓が送る意欲作。岩塚製菓にはもともと「バンザイ山椒」という小粒のあられ商品があり、また柔らかな食感の「ふわっと」シリーズが存在。当製品はそのミックスアップで生まれた(と予想される)。
ゆるい印象のパッケージに反してピリッと山椒が効いており、呑兵衛にはぴったりのおつまみ仕様。一口サイズで食べやすいのも高ポイントだ。
立元「まず洒落の効いたネーミングがいいですよね。そして味は山椒……山椒好きなら選ばずにはいられません。僕はあられの方も好きで、よく買っています」
お酒的には日本酒や焼酎がバッチリ合うそうで、立元さんがよく呑むのは麦焼酎のソーダ割り。山椒と焼酎の相性の良さ、そしてスナックと炭酸の相性の良さをかけ合わせた楽しみ方だ。
そして立元さんが披露してくれたのが、マイ山椒を使った「追い山椒」。
立元「山椒がもうちょっと強くてもいいかな、と思ってやってみたら見事にハマりました」
菊地「追い山椒、めっちゃいいですね。これは酒が進みます」
村田「なんだかうなぎを食べた気分に(笑)」
山椒味ということで、他のスナック菓子と味がかぶらないのもポイント。つまみ持ち寄りのグルキャンで個性を発揮するお菓子だ。
ドンキのオリジナルお菓子から、やみつき必至の紅生姜スナック。
最後まで美味しい紅生姜せん(ドン・キホーテ)
激安の殿堂、ドン・キホーテのプライベートブランド「情熱価格」の商品。パッケージには商品に込めた思いや開発、改良の労苦が書き連ねられており、いい意味でじつにドンキらしい。食感はサクサクと軽やかで、紅生姜の爽やかな香りと酸味が絶妙。あのキムタクが某TV番組で「止まんね!」と称賛したことでも有名だ。
立元「紅生姜が好きなら、たまらないスナックだと思いますよ。僕は紅生姜天も好きなので、見つけたときに即買いでした。ドンキのPB商品なので、パッケージのQRコードで購入者の意見が反映される仕組みがあります。なんか信頼できますよね」
菊地「これほんと美味しいですね。個人的には焼酎に合わせたいかな」
紅生姜の風味が効いているので、プレーンなチューハイや麦焼酎に合わせたい。
せんべい、チーズ、アーモンドが織りなすマリアージュに脱帽。
チーズアーモンド(三幸製菓)
立元「醤油にチーズにアーモンド……他にない組み合わせで、この味を楽しめるのはこの商品だけです。不思議と大抵のお酒が合いますよ」
村田「2種類のチーズが使われているんですね。私はワインが好きなのでチーズ味のお菓子に目がないんですけど、この商品はチーズ味として捉えてもバッチリです」
また村田さんはビジュアルの可愛らしさも高く評価。中年男性からすると仏壇系お菓子のイメージもあるが、若い女性にとってはレトロなキュートさが感じられるようだ。
ポテト好きなら忘れてはいけない、王道ポテトスナック。ポテサラアレンジにも注目!
サッポロポテト(カルビー)
地名と根菜名を組み合わせただけの一般名詞的なネーミングでありながら、誰もがその個性を思い浮かべることのできるスナック菓子の金字塔。テイスト違いでスナックの形状、つまり食感が変わる珍しいシリーズだが、「サッポロポテトはそういうもの」として広く認知されている。
ポテト系のお菓子に目がない立元さんだが、今回の企画ではバリエーションに忖度してポテト控えめにリストアップしてきた。しかし最後はやはりポテト、しかも王道で締める……!
立元「どちらの味もすばらしいんですが、僕が特に推したいのは『つぶつぶベジタブル』の方です。ポテトの味がよりストレートに感じられ、合わせられる酒はオールマイティ。また7種類の野菜が使われているので、罪悪感ゼロで味わえます」
菊地「7種の野菜なんて、もうほとんどサラダですね」
立元「サラダといえば、お湯でほぐすとポテトサラダになりますよ」
そう言うと立元さんはおもむろに立ち上がり、お湯を沸かし始めた。
カップに入れた当商品の上から、お湯を適量注ぐ。そしてスプーンで潰すように混ぜていくと、確かにポテトサラダのように……!
立元「じゃがりこでやる人も多いですね。あとはマヨネーズを加えてもいいし、そのへんはお好みで」
今回は菊地さんが持参した「いぶりがっこのタルタルソース」を使用。スモーキー感が加わり、食感も増した。
立元「うん、うまいですね。みなさんもどうぞ」
サッポロポテトはほとんどサラダ……との認識が間違いではないことを証明(?)した立元さん。Tシャツに「POTATO BOY」の文字が光る、ポテトの伝道師だ。
キャンプのお菓子は買い物の時点で楽しい。
最後に立元さんがお菓子について熱弁してくれた。
立元「日本酒やワインなどアルコール飲料にさまざまな種類があるように、お菓子にもビール向き、日本酒向き……とさまざまな選択肢があります。それを選ぶのが楽しみなんですよ。お菓子は買い物の時点で楽しめます」
キャンプ準備の買い物で選ぶ、お酒とお菓子。お菓子を積極的に取り入れることで、見つかる楽しさが確かにありそうだ。
Photo/Taizo Shukuri
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