デザインも走りも機能も進化したスズキ新型ハスラー。価格は136万5100円〜
見た瞬間「これは売れるな」と思いました。2019年12月24日に発表されたスズキの新型ハスラーは、先代モデルに続いて大ヒットするような予感がしてなりません。
先代のイメージを上手に継承しながら、スクエアさを増したフォルムは新鮮かつ魅力十分。走行性能・安全性能・ユーティリティも全方位に進化しており、死角なしです。では、新型ハスラーの詳細をチェックしていきましょう。
全車マイルドハイブリッド搭載。NAエンジン&CVTは新開発。
先代ハスラーは2014年1月に発売されました。ワゴンとSUVをかけ合わせた新しいジャンルの「遊べる軽」としてたちまち大ヒットとなり、2019年10月までの累計販売台数は47万台を記録。スズキの軽乗用車ラインナップの中で、ワゴンRとスペーシアに続く期間車種に成長を遂げました。
この先代ハスラーが発売された2014年ごろから、アウトドアブームが盛り上がりを見せ、その楽しみ方も細分化されてきました。山や海に出かけるだけでなく、ファッションとしてアウトドアの要素を取り入れるスタイルも浸透し、もはやアウトドアは日常的に楽しむものへと定着したといえるでしょう。
そんな背景の中、新型ハスラーは開発されました。コンセプトは、「もっと遊べる!もっとワクワク!! もっとアクティブな軽クロスオーバーワゴン」です。
ターゲットユーザーは、今よりも「アクティブなライフスタイルを楽しみたい、憧れるユーザー」と「他人とは少し異なるモノを求め、自分仕様に仕立てたいユーザー」に設定しました。幅広い世代がもっと満足する、ずっと飽きないハスラーへと全方位に進化した、と開発陣は胸を張ります。
具体的な進化のポイントは、以下の5つです。
1:タフで力強いスタイルと個性的なデザイン
2:広くて使いやすい室内と進化したパッケージング
3:さらに充実のスズキセーフティサポート
4:徹底的に鍛え上げた走行性能と快適性能
5:大きい、楽しい、カラフルなインフォテイメント
デザインに関しては、別の記事で詳しく紹介します。ということで、まずはパッケージングに注目してみます。
ホイールベースの35mm延長で室内空間を拡大。
ホイールベースが35mm延長されたことにより、後席乗員の足元空間が拡大されました。また、前席も乗員間距離が35mm拡大されるなど、快適な室内空間を実現しています。
このホイールベースの延長に伴ってアプローチアングル&デパーチャーアングルが拡大されたことにより、走破性の向上も図られました。
最新の軽自動車らしく、安全技術の進化も見逃せません。デュアルカメラブレーキサポートは、夜間歩行者検知機能、一時停止標識・進行方向お知らせを追加した標識認識機能が盛り込まれました。また、後退時ブレーキサポートも追加されています。
ターボ車には、車間距離も保ちながら自動的に加減速して停止までサポートする全車速追従式アダプティブクルーズコントロール(ACC)と、車線逸脱抑制機能が採用されました。この二つはスズキの軽自動車で初めての機能となります。
実用燃費を向上させる新開発のNAエンジン。
パワートレーンは、まずはマイルドハイブリッドが全車に標準装備されたことがニュースです。従来のS-エネチャージよりもモーター機能付き発電機の出力が大きいため、より燃費向上に貢献することが期待されます。
エンジンは、自然吸気(NA)とターボの2種類。新型ハスラーでは、NAエンジンが新開発の「R06D型」となりました。スズキの軽初となるデュアルインジェクションシステムとクールドEGRのほか、急速燃焼や高圧縮比化の採用により広範囲で熱効率が向上し、軽快な走りと低速域から中高速域で優れた実燃費を実現するとしています。
また、CVTも新開発されました。2ポートオイルポンプや高効率ベルト、低剛性ダンパー(トルコン)などの採用により、軽量化と高効率化、そして実燃費の向上が図られています。
強靭な新ボディ。4WD車はスノーモードを新採用。
「快適さ」と「心地よさ」を追求し、ボディも刷新されました。新プラットフォーム「ハーテクト」を採用するとともに、上屋となるアッパーボディには「環状骨格構造」を取り入れることによって高いボディ剛性を実現。
さらに優れた操縦安定性と乗り心地を確保するため、スポット溶接部に構造用接着剤を採用(スズキ初)しています。また、こもり音や雨音を低減する高減衰マスチックシーラーを採用(軽自動車初)することにより、車内の会話明瞭度が先代ハスラーよりも大幅に向上したそうです。
4WDモデルには、先代ハスラーから採用しているグリップコントロールやヒルディセントコントロールに加え、新たにスノーモードを追加しました。雪道やアイスバーンでのタイヤの空転を抑えてくれることで、変化する路面状況においても安心して運転することができるとしています。
遊び心にあふれる室内。収納スペースも随所に配置。
続いては、室内に目を向けて見ましょう。
インパネは、メーター・オーディオ・アッパーボックスという3つの機能部品を軸にスタイリングが行われました。機能部品をタフな3連プロテクションフレームを使ってしっかりガードするとともに上下のバーで挟み込むことで、インパネに力強い骨格を作り出しました。
インフォテイメントの面は、先代ハスラーから一番進化した部分かもしれません。大きくて見やすい9インチのスマホ連携メモリーナビゲーションをメーカーオプションで設定(スズキ初)。大画面のおかげで全方位モニターも見やすく、ナビは衛星「みちびき」にも対応することでビル街や山間部など測位が難しい場所での自車位置精度も向上しています。
スピードメーターは4.2インチのカラーTFT液晶の採用により、複雑な車両情報を見やすく表示してくれます。ここには、オープニング時や走行モード変更時にはアニメーションが流れる仕掛けも用意されています。
助手席前のテーブルは先代から継承されましたが、サイズを大きくすることで使い勝手も向上しています。されに、テーブルの裏側のとなる部分(助手席前のパネル部分)には、オプションで用意されるボディ同色のカラーコードを用いることで、グローブなどのお気に入りの小物を挟んで固定することが可能となっています。
助手席前のテーブルは先代から継承されましたが、サイズを大きくすることで使い勝手も向上しています。されに、テーブルの裏側のとなる部分(助手席前のパネル部分)には、オプションで用意されるボディ同色のカラーコードを用いることで、グローブなどのお気に入りの小物を挟んで固定することが可能となっています。
先代はフロントがベンチシートでしたが、新型ではユーティリティ向上を目的としてセパレートシートに変更。中央部にはコンソール収納が設けられています。
インパネフレームの形状を反復させたドリンクホルダーには、500mlの紙パックを置くことが可能で、その後ろの縦長トレーはバッグを置くのにちょうどいいスペースです。
なお、フロントシートの背面には2段タイプのポケットを新設。下側のポケットはメッシュになっており、中に入っているものが一目でわかるようになっているのも機能的です。
ラゲッジルームの使い勝手も向上しています。新型のリヤシート後部にはスライド用のストラップが設けられ、簡単に荷室容量の調整ができるようになりました。また、床下にはラゲッジアンダーボックスが新たに設けられました。これは取り外しもできるため、汚れ物を入れた際には簡単に水洗いをすることができます。
【グレード構成】
ハスラーHYBRID G(2WD) 136万5100円〜
ハスラーHYBRID G(4WD) 149万9300円〜
ハスラーHYBRID Gターボ(2WD) 145万9700円〜
ハスラーHYBRID Gターボ(4WD) 159万3900円〜
ハスラーHYBRID X(2WD) 151万8000円〜
ハスラーHYBRID X(4WD) 165万2200円〜
ハスラーHYBRID Xターボ(2WD) 161万2600円〜
ハスラーHYBRID Xターボ(4WD) 174万6800円〜
【主要諸元】
スズキ・ハスラー HYBRID Xターボ(4WD)
全長×全幅×全高:3395×1475×1680mm
ホイールベース:2460mm
車両重量:880kg
エンジン種類:直列3気筒DOHCターボ
総排気量:658cc
最高出力:64ps(47kW)/6000rpm
最大トルク:98Nm(10.0kgm)/3000rpm
トランスミッション:CVT
燃費(WLTCモード):20.8km/L
タイヤサイズ:165/60R15
価格:174万6800円
(長野達郎)