MA-1人気を筆頭にミリタリーテイストのあるファッションに注目が集まる背景から、フライトジャケットにボアを施したタイプや、ボア付きのGジャン、コートなど暖かみのある「ボア系アウター」が各ブランドから積極的に展開され、今シーズンの人気アイテムの一つになっています。
本記事ではそんなボア系アウターの基礎知識から最新の着こなし、Gジャンを始めとした定番アイテムから、リリース続出中のムートンブルゾンまで、世界中の最新アイテムまでまとめて大特集。秋冬のアウター選びのご参考に。
ボアとフリース、シアリングの違いと特徴とは?
定番のボア付きのGジャンタイプのブルゾンを筆頭に、裏地が起毛したもの、もしくは襟元が起毛素材のものを使ったアウターを「ボアジャケット」、「ボアブルゾン」、「シアリングジャケット」などと呼んだりします。また、同じく起毛素材の秋冬定番アイテムとしては「フリース」が挙げられます。
大きく違うのは「ボア、フリース」と、「シアリング」です。ボアとフリースは主にポリエステルやアクリルを使い、シアリングは羊の毛を刈り込んだ自然由来の素材を使っています。当然天然素材のシアリングを用いたアイテムの方が価格が高くなり、風合いもよいものが多いとされています。一方で雨や水で濡れた場合は乾きづらく、化学繊維であるポリエステルの方が速乾性に優れています。
裏地の起毛生地はこれらの他にも、ミリタリージャケットなどではアルパカの毛も用いられます。
起毛素材の中でも毛足が長いものを「ボア」、短いものを「フリース」、天然の羊毛を使ったものを「シアリング」と呼ぶのです。
また、ボアやフリース、シアリングは見た目にも暖かみがあるのと同時に、起毛した毛と毛の間に空気を含むことで暖かさを生んでくれますが、ダウンフェザーや化学繊維のプリマロフト(ダウンの特徴がありつつ水濡れに強い素材)ほどは温かくならないので、真冬のアウターとして使うにはインナーダウンなどで防寒対策を。
また、着ていくうちにボア部分が平坦になって潰れてくるので、徐々に防寒性が薄れてきます。ブラッシングなどのケアも入念に。
着こなしはあくまでシンプルに
暖かみがあり優しい雰囲気になるボアブルゾンですが、ともすれば野暮ったい着こなしになりがち。組み合わせはあまり考えず、シンプルな無地のカットソーやセーターと合わせ、クリーンな印象に着こなした方が今風。
ブラウンのボア付きムートンライダースにシンプルなキャメルのニット、洗いの掛かっていない濃いめのデニムを合わせた着こなし。
Gジャンタイプのブルゾンもスラックスや無地タイプのカットソーを合わせシンプルに。
こちらはボア付きデニムブルゾンの定番、Levi’sのアイテムに近年人気が復活しつつあるベロアのパンツを組み合わせた着こなし。ニットキャップやVANSのシューズがややスケーター風のトレンド感あるコーディネートです。
ボア、シアリングを使った最新アイテム
ボアやシアリングを使った最新アイテムをご紹介していきます。やや武骨な印象がありながら優しい印象も醸し出す、ボア系アウターをワードローブに加えてみては。
Denime(ドゥニーム) N-1デッキジャケット
デッキジャケットとは、海軍が船の上で作業をするときに動きやすく、かつ温かさを保てるように作られたアウターのこと。
こちらのジャケットは首元のボア、フロントはジップとボタンの2つが配置された比翼仕立て、首元に風の侵入を防ぐチンストラップが付属したN-1デザインのジャケット。
ヴィンテージ感のある質感が持ち味で、価格もリーズナブル。
¥9,709
ALPHA INDUSTRIES(アルファ インダストリーズ) N-1
ミリタリーアウターの代表的ブランド、ALPHA INDUSTRIES(アルファ インダストリーズ)のデッキジャケット。本物のミリタリーアイテムのような風合いと胸元の刻印がアクセントになりつつ、デザインはあくまでシンプルなのも今どきのファッションにマッチ。カーゴパンツやデニムより、ジョガーパンツやウールパンツ、スラックスなどと合わせた方が現代的な着こなし方。
19,800円
ALPHA INDUSTRIES(アルファ インダストリーズ) B-15
B-15は第2次世界大戦時代に作られたB-10というジャケットがルーツの、パイロット用のフライトジャケット。MA-1のルーツにもなっているものなので、袖部分のシガーポケットややや大きめのシルエット、裾、袖部分のリブ仕様など多くの共通点があります。
ミリタリー系ショップや通販で手に入るほか、最近のトレンドを鑑みて「タイトシルエットタイプ」が2016年新作として発売中。
20,800円
METAPHORE × Wrangler(メタファー×ラングラー)
作業着としての役割が主流だったジーンズのデザインにファッションデザイナーを始めて起用したのがWrangler(ラングラー)。
こちらは同ブランド人気の型「11MJZ」を裏地のみボア仕様にすることでスッキリしたデザインはそのままに暖かみを獲得したアイテム。
フロントジッパーで一番上のみボタン留めというディティールも秀逸です。これからの季節はややゆとりあるコートのインナーにも最適。
¥25,920⇒¥18,144
↓ラングラーと言えばランチコートも定番アイテム。
(ラングラー) Wrangler ランチコート WM1770-336 メンズ 裏ボア ランチジャケット デニム (M)
Lee×B:MING by BEAMS(リー×ビーミング バイ ビームス)
リーバイス、ラングラーと共にアメリカを代表するデニムブランドであるLEE(リー)の代表作でもあるボアジャケット、「ストームライダー」をBEAMSが別注したアイテム。ポケットの形状や襟のデザインも現代的なファッションに合うようボリュームを出しすぎず、すっきりしたデザインに。
表地もデニムではなくストレッチ製のあるウールを中心とした素材なので、デニムパンツからスラックス、ジョガーなどのアイテムにもマッチ。
ともすれば野暮ったくなりがちなGジャンタイプのボアブルゾンはインナーやパンツをあくまでシンプルなものでまとめ、クリーンな印象で着こなす方が今っぽい雰囲気に。
¥20,520
(リー) Leeストームライダー メンズ ダークベージュ M
rehacer(レアセル)
独特の優しげな雰囲気のあるウェアが特徴のrehacer(レアセル)。こちらのアイテムもミリタリーコートながらショールカラー風の襟やボディと同色のボタンやステッチ、ふんわりとしたシルエットが特徴的。首元にボリュームが出るので、インナーはノーカラーシャツやヘンリーネックTシャツなどがマッチ。
¥35,424
BEAUTY&YOUTH(ビューティーアンドユース)
人気のMA-1に今年らしいフェイクファーを襟元、インナーに施した暖かみのあるニューアイテム。
左肩部分には小ポケットを配置、裾と袖部分はニットリブ仕様になっており、レイヤードして着てもキレイなシルエットをキープ。
¥38,880
n(n) BY NUMBER (N)INE(エヌエヌ バイ ナンバーナイン)
毎シーズン定期的にボアアウターをリリースするドメスティックブランドの新作アイテム。袖裏にはオリジナル音符柄の中綿入りキルティングを使用し、伸縮性に優れたストレッチ性のあるモールスキン素材のボアジャケット。
襟の形状も小さめなので一般的な海外ブランドのランチコートよりもキマりすぎない雰囲気に。
¥48,600
NATAL DESIGN×NANGA(ネイタルデザイン×ナンガ)
国内の人気アウトドア・ブランドであるネイタルデザインと、同じく国内有数のダウンメーカーであるナンガがコラボレーション。
表地は撥水性のあるポリエステル/コットン生地を使用し、ボア部分はアルパカとウールの混合素材を仕様。ダウンが封入され温かさはもちろん、ボアにより首元の寒さも軽減できるハイブリッドなアイテム。
¥48,600
MR.OLIVE(ミスターオリーブ)
ボア付きブルゾンのルーツはミリタリー&ワークウェア。ドメスティックブランドのMR.OLIVE(ミスターオリーブ)はミリタリー&ワークをテーマに現代的なシルエットやデザインの服作りを行っているので、ボアブルゾンのリリースも毎シーズン豊富。こちらは裏地までボアを施しつつ、袖裏は中綿入りのキュプラ素材のため着やすいアイテム。
¥51,840
HEAD PORTER(ヘッドポーター)
大胆にボア素材を表地前面にあしらった可愛らしい印象のピーコート。
フロントのポケットも温かいハンドウォーマー仕様で、裏地はキュプラなのでこれからのシーズンは重ね着で対応しよう。
¥52,920
GOSHA RUBCHINSKIY(ゴーシャ ラブチンスキー)
今最もホットなブランドのひとつ、ロシア発のGOSHA RUBCHINSKIY(ゴーシャ ラブチンスキー)からはムートンジャケットの質感を出したアクリル&ポリエステル生地の暖かみあるジャケットが発売中。襟がないシンプルなデザインで、所々はみ出したようなボアのディティールが秀逸。
¥57,916