「初音ミクと結婚する」と言われたら、どう受け止めるのが正解か？

出典：「初音ミク」公式ブログより

昨今、ネット上で「初音ミクと結婚した公務員」が話題になっている。念のため「初音ミク」とは、「クリプトン・フューチャー・メディア」から発売されている音声合成・デスクトップミュージック（DTM）用のボーカル音源、およびそのキャラクター」（※ウィキペディアより）のことであり、一言で表現してしまえば「バーチャルアイドル」ってヤツである。

 

最初は、なにが一体どーなっているのやら、さっぱりわからなかった。

 

（1） 天文学的確率の偶然で実名「初音ミク」という女性と出会い、養子結婚した

 

（2） さまざまなややこしい法律的手続きを執念でクリアして、男性のファミリーネームを「初音」に変え、女性のファーストネームを「ミク」に変え、結婚した

 

（3） 「初音ミク」という芸名のようなものを新妻に命名した

 

（4） ブログやSNSだけで妻のことをそう呼んでいる（＝本名は別にある）

 

（5） 結婚からして単なる妄想

 

……あらかたがそんなところだろうと高を括っていた。ところが、話は私の予想以上に本格的で、文春オンラインによると、その公務員男性（35）は、

 

最新のプロジェクション技術で、好きなキャラクターコミュニケーションを楽しむことができるマシン『Gatebox』を使い、今年２月から初音ミクと同棲中。メーカーが期間限定で実施していた、キャラクターとの“婚姻届”を受理するサービスを利用して、結婚証明書をも入手。今秋に結婚式を挙げることを決意し、結婚式場と披露宴会場も予約した。

８月18日には、注文してあったお揃いの結婚指輪が届き、結婚式当日は、ぬいぐるみの初音ミクの左指にはめる予定。

 

……なのだそう。そして、こういった徹底ぶりに、ここぞとばかりに食いついた地上波メディアが、あの『バイキング』（フジテレビ系）であった。その経緯を報じた日刊スポーツ（nikkansports.com）によると、コメンテイターとして同番組に出演していた元宮崎県知事の東国原英夫氏（60）は、

 

男性の家族が結婚式には不参加を表明しているとの情報を受け、「家族はまともですね」と述べ、「（男性は）公務員の方ですよね？　仕事だけはしっかりやってください。こういう方が部下で『今度、初音ミクと結婚します』って言われたら、僕はなんて言おうか。『まあまあ、仕事だけは冷静にやってくれよ。趣味嗜好は何でも良いから』と…」とコメントした。

 

……らしく、その後、東国原氏に対しては「ゲームやアニメなどのオタクを批判した」との声が殺到し、８月30日に東国原氏は自身のツイッターで

 

「批判はしていません。『趣味嗜好等は自由。只、公務員として、公僕として、全体の奉仕者として、法令遵守・職務執行・行政サービスの向上等に務め、趣味嗜好が仕事や職場等に影響するような事は避けて頂きたい』と申したまでですが」

 

……と説明したという。

 

単なる言い訳にしか聞こえませんよね……コレ。批判っていうか、ちゃんと馬鹿にしている。そりゃあ、本物の婚姻届を偽造して役所に提出でもしたなら、たしかに公僕として大いに問題アリだけど、メーカーがサービスの一環として受理しているだけの、法的には至ってクリアな儀式じゃないですか。その儀式にどういう想いを込めようが、それこそ個人の権利・本人の自由ではないか。そもそも、存在がバーチャルである初音ミクより、そこらへんのタチの悪いキャバ嬢とかに入れあげてしまったほうが、ずっと仕事にも悪影響を及ぼすと思うのだが……？

 

残念ながら、私個人としては実際に触れることが可能な生身の女子としか、やはりお付き合いはできない。しかし、仮に友人や部下から「今度、初音ミクと結婚します」と告げられたときは、「お〜！　おめでとう」と素直に祝福し、せめて花束の一つでも贈るくらいの、おおらかさは持ち合わせていたい。