カンファレンスでは、資生堂R&D戦略の3つの柱である「Skin Beauty INNOVATION」「Sustainability INNOVATION」「Future Beauty INNOVATION」における最新知見の発表とともに、資生堂独自の美のアルゴリズムに基づいた3つの測定体験の実演も披露。
資生堂が蓄積してきた美のアルゴリズムは革新的。当日記者たちがそのアルゴリズムを体験した3つの測定体験のレポートをお届けする。
(一般来場者体験については記事末尾)
資生堂 副社長 チーフマーケティング&イノベーションオフィサーの岡部義昭氏は、資生堂の未来ビジョンを実現するR&D(研究開発)戦略の着実な実行とその価値化を発表。
特に3つの柱のうち『Future Beauty INNOVATION』は、来年以降強化していく戦略の柱であるとし、「肌・身体・心に関する独自の美のアルゴリズムを応用し、資生堂の2030年ビジョンである“Personal Beauty Wellness Company”実現に向けて、来年2月に本格始動するインナービューティー事業へ実装する。」と意気込んだ。
●Skin Beauty INNOVATION
資生堂30年以上におよぶ「肌の免疫研究」の成果として、免疫細胞が多い肌ほど老化細胞は少なく、免疫が“肌の老化を予防”していることを発見したという。
●Sustainability INNOVATION
資生堂は「2025年までに100%サステナブルな容器※1 を実現」するというKPIを掲げ、循環型の容器包装、処方・成分、リサイクルモデルの開発に注力。
今後は、業界内外での連携を強化し、循環型原料を開発・活用する未来に向けた取り組みを発表。化粧品の成分・処方の透明性を高めていく取り組みにも注力するとのこと。
※1: プラスチック製容器について
また今年7月に戦略提携を開始した「ちとせグループ」の代表である藤田朋宏氏をゲストに迎え、同グループと進めている藻類を起点にした「MATSURIプロジェクト」も紹介。
2030年の具体的なプロダクト企画に向け研究を推進するという。サステナブルな藻類が今後、スキンケアをはじめとしたヘルスケアに活用されていくグローバルなムーブメントにも注目が集まりそうだ。
●Future Beauty INNOVATION資生堂は、今まで明らかにされていなかった肌・身体・心の関係性を網羅的に解明。
複数の肌状態と体内指標をつなげ、肌を改善・予測・予防に導く独自の美のアルゴリズムを新ブランドへ実装することが伝えられた。
測定後は、美肌へ導く栄養素を補うオリジナルドリンクも提供された。
・歩容測定一つ目は、歩容、つまり歩く姿勢を測定するもの。足元にセンサーを装着して、歩く姿をタブレットなどで撮影することにより、足元の動きや姿勢のさまざまなデータから歩容の美しさが簡便にスコア化される。
資生堂の研究の結果、「むくみやくすみ、肌のゆらぎなどの悩みは“美しい歩容”と相関する」ことがわかったという。
例えば、歩行時に大腿部などにある大きな筋肉が動くことで血液の循環が良くなり、血色がよくいきいきとした肌と表情を導くことなどのメカニズムが推定されるそうだ。
普段あまり意識しない歩き方が肌の美しさに直結するという新しい発見に記者たちも感嘆していた。
・鼻骨格測定続いては2024年2月に事業にも活用予定だという鼻骨格の測定。
資生堂は、鼻骨格と肌の状態や、肌の内部にある血管などの状態と関連があることを見出し、さらに鼻骨格を表す「鼻根」「鼻梁」「鼻翼」など鼻が作り出すわずかな影を利用し、鼻の形を細かく検出することに成功したとのこと。
測定では、スマートフォン撮影で鼻骨格の特徴が検出され、その鼻骨格から将来どんな肌悩みが出やすいかの予測が結果に表示される。※測定結果イメージ
鼻骨格と肌の将来像予測の相関は、基本は資生堂が蓄積してきた肌状態と顔の骨格の相関性から算出されるものだそうだが、鼻の大きさは呼吸の際に取り込む酸素の量と相関があるゆえに、身体に取り込む酸素量の多少が肌の酸化への影響の差にも関わっている可能性が高いという。
鼻が大きすぎても酸素過多になり、小さくても今度は酸素不足で肌への酸素供給が少なくなる、など、様々な仮説が想像できるという研究員の解説が実に興味深い。
・肌・身体・心の複合測定3つ目は、肌・身体・心の関係性を見出し、肌を心身指標から複合的に評価する測定。自律神経・血管・握力の測定から”資生堂独自の美のアルゴリズム”を使用し「肌」の状態を複合的に測定するものだ。
筋力や血流量、自律神経の乱れから導き出される肌の潤い不足やくすみ、ハリのなさなどの肌の特徴や、計測から導き出される生活習慣へのヒント(運動不足・睡眠不足など)を総合的に診断する。
※血管測定の様子※血管測定の画面イメージ
指先の血管測定の写真では、毛細血管がまっすぐ上に伸び、絡まりあっていないのが健康で酸素や栄養が行きわたっている形状だという解説が。※自律神経測定イメージ
自律神経測定結果では、自律神経のバランスや自律神経機能年齢が判明する。肌年齢、ではなく自律神経年齢を意識するという視点も新しく、「自律神経が肌と深く相関する」という概念も今度ますます浸透しそうだ。
定期的に測定することで、食事などを含めた生活習慣や筋力・体力などをトータルに意識した美肌管理が進められるそう。
圧巻の資生堂の研究成果をライブで体験し、今後の資生堂のさらなる進化に期待が膨らんだ。
S/PARK Museumサイエンス&アート展示の一環として、12月13日(水)までは鼻骨格、肌・身体・心の複合測定※2 を一般来場者も体験できる。
期間中は、屋外のイルミネーションの他、表情筋のエクササイズを行うレッスン、 S/PARKオリジナル化粧品などの販売もあるという。
この機会にぜひS/PARKでの測定を体験してみては?
※2 一部測定内容を本イベント用に変更
開催中~2023年12月26日(火)
※日曜休館
※鼻骨格測定、肌・身体・心の複合測定、スムージーの提供は12月13日(水)まで
・営業時間:
コンテンツによって異なるため、詳細は公式サイト参照
・場所:
資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)1F、2F
神奈川県横浜市西区高島一丁目2番11号
みなとみらい線「新高島」駅 1・2番出口すぐ
JR/市営地下鉄「横浜」駅 東口から徒歩10分
・入場料:
無料
(出典元の情報/画像より一部抜粋)
(最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください)
出典:プレスリリース