山梨県東部地域は首都圏からも近く、交通網が発達しているのでアクセスしやすい地域ですが、その先の甲府盆地や富士山麓へ向かう人々が多いため思わず素通りしてしまいがちです。
しかし東部地域へ立ち寄ってみると、魅力的なスポットがいくつも存在します。
今回は山梨県東部地域にあるパワースポットをご紹介します。ぜひ今度の休日のお出かけの参考にしてみてください。
山梨県東部地域について
山梨県東部地域ってどこのこと?
山梨県は甲府盆地のある 「国中」 、富士五湖周辺及び桂川(相模川)流域及び多摩川源流地域の 「郡内」 という2つの地域に分かれています。
さらに「郡内」地域は 「東部・富士五湖」 と呼ばれることもあります。ニュースの天気予報などでは「東部・富士五湖地方」と呼ばれることが多いです。
この 「東部」 という地域は、 桂川(相模川)の流域にあたる地域と多摩川の源流のある地域 にあたります。主な町として 都留市、大月市、上野原市が東部地域です。
山梨県東部地域の特徴
この地域の特徴として、 首都圏への通勤エリア になっていることが挙げられます。谷あいの地域ながら東京、神奈川といった首都圏に隣接しているので交通網が発達しており、古くは甲州街道(現在の国道20号線)、現在では中央本線、中央自動車道が縦断している 交通の要所 として発展してきました。
交通網の発達により、山間地域でありながらニュータウンなども建設されていて、都心部へ通勤する方も多くいます。
このように都心部からも日帰りで訪れやすい地域で、気軽に神秘的なパワースポットへ行くことができますよ。
山梨県東部地域のパワースポット5選
軍刀利神社(上野原市)
軍刀利神社(ぐんだりじんじゃ)は上野原市の山間地域にある棡原(ゆずりはら)地区に鎮座する神社です。
武蔵・相模・甲斐の三国を守る神社でもありました。
500年以上の歴史を持ち、元々は 「軍荼利夜叉明王社」 と呼ばれ 軍神として信仰 を集めていて、 武田氏や岩殿城主小山田氏などの武士からも厚い崇敬 を受けていました。
「軍荼利明王」は密教の明王で、ヒンドゥー教の神様でサンスクリット語の「クンダリー」に由来します。
明治時代の神仏分離令により明王が廃止され、 武神である日本武尊をご祭神 として今日に至ります。
入口の鳥居から苔むした長い階段を上がっていくと、拝殿(本殿)に辿り着きます。 拝殿の横には日本武尊の東征に由来する巨大な剣が立てられて いて、いかにも武神を祀る神社らしいといえます。
拝殿からさらに進み奥の院まで行くと、 御神木であり山梨県指定天然記念物である「大桂」が存在感たっぷりにそびえ立っています。 樹高33m、幹回り9.2mの巨木は、 縁結びなどのパワースポット としても知られています。
住所
山梨県上野原市棡原4133
交通アクセス
- 車の場合:中央自動車道 上野原ICから約25分
- 電車の場合:JR中央本線上野原駅からタクシーで約25分
https://www.yamanashi-kankou.jp/rekitabi/jisha/spot/265.html
猿橋(大月市)
猿橋(さるはし)は山梨県大月市にあり、桂川(相模川)の峡谷にかかる橋です。「岩国の錦帯橋」「木曽の桟(かけはし)」と並ぶ 日本三奇橋の一つ であり、国の名勝にも指定されています。また、山梨県東部地域を代表する観光名所でもあります。
古くから橋の存在は知られていて、歌川広重の「甲陽猿橋之図」や十返舎一九の「諸国道中金之草鞋」などにも橋の構造が描かれています。
しかし猿橋が造られた年代は不明で、地元の伝説だと推古天皇の610年頃~奈良時代ではないかといわれています。
橋の長さは30.9m、幅3.3mで、高さ31mの深い峡谷に架けられているのですが、 谷が深いため橋脚が立てられないので、両側から張り出した四層のはね木によって橋を支える珍しい構造 をしています。
深い渓谷を猿が弓のように連なって橋を渡っている姿をヒントにしてつくられたことから「猿橋」と名付けられた ともいわれています。
猿橋の周囲はカエデ・モミジ・イチョウなどの木々が渓谷沿いの生い茂っていて、四季を通じて美しい風景を見せてくれます。特に秋の紅葉の頃には息を飲むほど美しい景色になりますよ。
住所
山梨県大月市猿橋町猿橋
交通アクセス
- 車の場合:中央自動車道 大月ICから20分
- 電車の場合:JR中央本線猿橋ICから徒歩20分
https://otsuki-kanko.info/category/content-page/view/31
岩殿城跡(大月市)
岩殿城(いわどのじょう)は山梨県大月市にあり、桂川と支流である葛野川が合流する地点の西側にそびえる 標高634mの急峻な岩山「岩殿山」に築かれた山城 です。現在は城跡となっていますが、岩殿山のあちこちに城の遺構が残っています。
築城年は不明ですが、 甲斐国都留郡の国衆である小山田氏の詰城 として考えられています。戦国時代にも屈指の堅固さを誇る城としても知られていました。
小山田氏といえば、戦国時代になる1582年の織田信長による甲州征伐の際に、新府城から岩殿城へ落ち延びてくる武田勝頼を裏切り、自害に追い込んだ小山田信茂が知られています。
江戸時代に入っても幕府が緊急事態の際には甲府へ逃れる計画であったので、中継地である岩殿山城は要塞として整備されていました。
現在は トレッキングコースとしても人気 で、道中には 富士山を眺めることができるスポット もあります。
ここも堅固な山城として守られてきた歴史から、パワースポットであるともいえるでしょう。
住所
山梨県大月市賑岡町岩殿
交通アクセス
- 車の場合:中央自動車道 大月ICから約5分
- 電車の場合:JR中央本線大月駅から徒歩20分
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矢立の杉(大月市)
山梨県大月市から甲府盆地へ向かう 笹子峠の途中にある巨大な杉の木 で、古くから多くの人々に親しまれてきた巨樹です。
樹高28m、根回り12.8mありますが、幹は風害によって折損し、中は上まで空洞化しています。
樹齢は1,000年 ともいわれていて、 戦国時代には合戦に赴く武士がこの杉に矢を射立て、戦勝を祈願したことから「矢立の杉」と名付けられました。
古くから知られている名木であり、甲斐国誌や甲斐叢記などの古書にも記され、江戸末期の浮世絵師・葛飾北斎や二代目歌川広重の名画にも残されています。近年では杉良太郎氏にも歌われていて、木の近くには歌碑が置かれています。
五街道の一つである甲州街道が開通して人々の往来が盛んな時期には、旅人たちの憩いの場としても親しまれていました。
古くから人々を見守ってきた名木であり、東部地域を代表するパワースポットです。
住所
山梨県大月市黒野田
交通アクセス
- 車の場合:中央自動車道 大月ICから約60分
- 電車の場合:JR中央本線笹子駅から徒歩で約100分
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桂林寺・叶が池(都留市)
桂林寺(けいりんじ)は山梨県都留市にある臨済宗妙心寺派の寺院で、戦国時代甲斐国都留郡の領主であった 小山田氏の菩提寺 として栄えました。
花の寺でもあり、境内の池は 睡蓮の花の名所 としても知られています。春には桜や花桃が咲き誇り、樹齢600年の彼岸桜は都留市の天然記念物にもなっています。
本堂に向かって左側の裏側には 「叶が池(かのうがいけ)」 と呼ばれる小さな池があります。 この池は干ばつに遭うたびにこの池に雨乞いをすると必ず雨が降り、祈りが叶うことから「叶が池」と呼ばれ 地元の人々に大切に扱われてきました。
この池の名は別名「叶井(かない)」と呼び、寺のある地名である「金井」の由来となっています。山梨の民話にも叶が池の物語が残されています。
近年ではこの池がパワースポットとして注目され、県内外から多くの人々がお参りに訪れています。
住所
山梨県都留市金井397
交通アクセス
- 車の場合:中央自動車道 都留ICから約3分
- 電車の場合:富士急行線都留市駅からタクシーで約5分
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都心から日帰りで行けるパワースポット巡りを楽しもう
山梨県東部地域の魅力はなんといっても首都圏からのアクセスの良さです。中央自動車道やJR中央本線といった都心からの主要な路線が通っているので、乗り換えなどほとんどなく目的地へ向かうことができます。
首都圏から1~2時間で富士山を眺められる里山へ行くことができ、都会にはない大自然の景色を満喫できるので、日帰りでも気軽に計画できるのが魅力的です。
今度の休日は気軽に行ける山梨県東部地域でパワースポット巡りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
https://www.veltra.com/jp/japan/yamanashi/?sid=1554
nonta
余暇プランナー
元旅行会社勤務で今は山の中の観光施設で働きながら旅ライターを行っています。元々旅行好きで大学も地理学専攻と根っからの地理マニアです。大自然の絶景と寺社仏閣などの歴史建築が大好きで、連休などあればすぐに車中泊で出かけてしまいます。その他登山やランニングなどとにかく家に引きこもっていることが苦手で、常に自然の中で過ごしていることが私の癒しになっています。