「瀬戸内海」といえば、皆さんは何を思い浮かべますか?海鮮?きれいな景色?特産品?
瀬戸内海には700以上もの島が浮かんでいます。そんな島々にはそれぞれ特徴があり、芸術アートが島の至る所で見られる島や、自然がとても豊かな島などが存在します。
今回は、瀬戸内海で「ぜひ訪れたい!アートな島」をご紹介します。
瀬戸内海とは?
瀬戸内海は、日本で一番大きな内海です。兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県に囲まれ、紀伊水道と豊後水道で太平洋に、関門海峡で日本海に開いています。海の様子は、波がなくとても穏やか。
そんな海の先に浮かぶように見える島々や大きな橋は素晴らしく、人々を魅了します。領域内の島の数は大小合わせて700!代表的な島として、小豆島や淡路島、豊島(てしま)、生口島などがあります。瀬戸内海へは、国内外から多くの観光客が訪れます。
3年に一度行われる「瀬戸内国際芸術祭」
瀬戸内国際芸術祭を通して、美しい自然と人間が交錯し交響してきた瀬戸内の島々に活力を取り戻し、瀬戸内が希望の海となることを目指しています。
会場となる島は、 直島をはじめ、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島などの12の島と2つの港 です。期間中はいくつもの島を巡り、瀬戸内海の景色とアートを楽しみます。
瀬戸内国際芸術祭が開催されるのは、 3年に一度 。昨年の2022年に開催されましたので、 次は2025年 になります。開催年の 春・夏・秋の3回に分けて行われますのでぜひ注目してください 。
昨年度の日程では、4月14日から5月18日の35日間、夏は8月5日から9月4日の31日間、秋は9月29日から11月6日の39日間です。 どの時期もおよそ1ヶ月ほど開催 されています。
瀬戸内国際芸術祭が行われている間は多くの人が訪れ盛り上がりますが、それ以外の時期でも現代アートや美術館を楽しむことができるので、ぜひ現代アートと瀬戸内の美しい景色を見に、足を運んでみてください。
おすすめ!アートな島3選!!
瀬戸内国際芸術祭でも会場となった12の島の中から、 まだ一度も瀬戸内を訪れたことがない人に向けて 、おすすめの島を3つご紹介します!
ご紹介する島のうち、2つの島は行ったことがありますが、どちらの島も雰囲気は違って、それぞれの良さがあったように感じました。島によって本当に雰囲気が違うので、ぜひ長期間旅行に行けるのであれば、いくつかの島を巡ってみると面白いと思います!
至る所が写真スポット!黄色いカボチャが可愛い「直島」
直島へは、3年前の1月に行きました。島には至る所に作品が点在し、サイクリングで島をめぐるのはとても楽しかったです!しかし、1月だったため、サイクリングで島を回るのはかなり寒かったのを覚えています。
島めぐりをするなら、やはり温かい時期がおすすめ です!真夏だと暑すぎてしまい、汗だくになってしまうので、暑くなる前の 春の時期がちょうど良い かと思います!
直島って、どんな島?
直島には、 草間彌生氏の「赤かぼちゃ」や「黄かぼちゃ」 をはじめ、数々の美しい建築で知られる 安藤忠雄氏の作品 が島のあちこちに散りばめられています。
※「黄かぼちゃ」は2021年の台風の影響で海に流されてしまいましたが、2022年10月に復元されました。
サイクリングで島を巡っていると、現代アートがいくつもある一方、古い街並みも残っています。
このような古い建物の壁や、古民家の玄関などにも、アートが施されているのを見かけました。直島には、 つい写真を撮りたくなってしまうスポットがたくさん 散りばめられています。
直島は、 今と昔が調和された、島自体がアートのよう 。瀬戸内海で芸術を楽しみたいと思うなら、まず直島を訪れると良いでしょう。このようなアートが詰まった直島は、 海外からも注目 されていて、外国人観光客も多く訪れる人気観光スポットとなっています。
直島へのアクセス
直島は 宮浦港と直島港【本村】の2つの港 があります。本島から直島へ行くには、岡山県の宇野港と香川県の高松港からアクセス可能です。
宇野港からは、宮浦港行きのフェリーと、宮浦港行きと直島港【本村】行きの小型旅客船が出ています。所要時間は約15~20分程度。
高松港からは、宮浦港行きのフェリーが出ており、所要時間は約50~60分です。
「直島」の見どころ
自然について深く考えるきっかけ「地中美術館」
地中美術館は、 2004年に設立 。瀬戸内の美しい景観を損なわないようにと、 安藤忠雄の設計 のもとなんと 建物の大半が地下に埋設された造り の美術館。
美術館の建物自体も実にアート的で、訪れた人々を楽しませてくれます。 「自然と人間を考える場所」になってほしいとの思いで設立された館内には、 「クロード・モネ」、「ジェームズ・タレル」、「ウォルター・デ・マリア」 の作品が設置されています。
作品が展示されているのが地下でありながら、自然光が降り注ぐような設計であるため、異なった時期、その日の天気、時刻などによって作品の表情が変わります。
鑑賞料金は2,100円 と少々お高めではありますが、 行く価値はあります! 私自身、芸術にとても詳しいわけではありませんが、この美術館は行ってよかった!と強く思いました。
直島を訪れたならば、ぜひ足を運んでみてください。
https://benesse-artsite.jp/art/chichu.html
壁にもかわいいデザインアート&おしゃれカフェ
自転車で島内を回っていると、上のような、 つい写真を撮りたくなる可愛いデザインの壁や、オブジェ などが現れてきます。
私は女友達と行ったのもあり、直島だけでカメラロールがたくさんになりました(笑)
また、直島には 個人経営のカフェや食事処も他の島に比べるとかなり充実しています。 どのカフェに入ってもゆったり過ごすことができるのではないでしょうか。
ただ観光シーズンであると、店内の座席数が多くないところがほとんどなので、どこもすぐ満席状態になってしまうかもしれません。昼食の時間帯をずらすか、あらかじめ行きたいお店を絞っておくと良いでしょう。
ベネッセアートミュージアム
「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、 安藤忠雄が設計した美術館とホテルが一体となった施設 。
1992年に開館したこの建物には、収蔵作品に加え、アーティストがその場所のために制作した作品が設置されています。 作品は展示スペースだけでなく、館内の至る所にあったり、館外の周辺の海岸線や林の中にも点在しているというなんとも面白い空間となっています 。
周辺を散策していると、きっと素敵な作品に出会えるのではないでしょうか。
https://benesse-artsite.jp/about/
豊かな自然とアートが調和する「豊島(てしま)」
豊島って、どんな島?
豊島は、島の中央にそびえる壇山から 湧水 が出ており、昔から今に至るまで稲作や農業、人々の生活を支えています。近代になり、酪農が栄えたことから 「ミルクの島」 と呼ばれるようになりました。
2010年には豊島美術館をはじめ、現代アートの施設ができ、国内外から多くの観光客が訪れます。
豊島へのアクセス
豊島までは、 岡山県の宇野港 と 香川県の高松港 から船がそれぞれ出ています。また、直島や犬島、小豆島からの船も出ており、島と島での行き来も行うことができます。
「豊島」の見どころ
豊島で必ず行きたい「豊島美術館」
休耕田となっていた棚田を再生させて誕生した豊島美術館。 一滴の水が地上に最初に落ちた瞬間のような形の建物 。
広さ約40×60m、最高高さ4.3mの空間に 柱が1本もない コンクリート・シェル構造となっています。天井には2箇所の開口部があり、そこから 周囲の風、音、光を内部に直接取り込み、自然と建物が呼応する有機的な空間となっています 。
チケットはオンラインによる予約制 となっているので、事前の確認をされてください。
https://benesse-artsite.jp/art/teshima-artmuseum.html
400個の風鈴が音を奏でる「ささやきの森」
静まり返った森に、400の風鈴の音が静かに鳴り響きます。森の中で聴くその音色はとても神秘的。風鈴には、誰かの大切な人の名が記されています。
最寄りのバス停や駐車場からは約20分ほど森の中を歩くので、運動靴で訪れることをおすすめします。
生と死をテーマにした作品「豊島横尾館」
屋外には、石庭や池、円筒状の塔が見られ、古民家を改修した屋内には、11の作品を展示しています。「生と死」をテーマにした 横尾忠則の独特の世界感が広がっています。 入館料金は520円です。
心臓の鼓動に合わせ電球が明滅する「心臓音のアーカイブ」
世界中の人の心臓音を収蔵し、公開しています。希望すれば、自分の心臓音を録音することもできます。
オリーブの島として有名な「小豆島」
日本で初めてオリーブの栽培に成功 し、「オリーブの島」として知られている「小豆島」。瀬戸内海で2番目に大きい島です。
小豆島へのアクセス
小豆島には、池田港、土庄港、坂手港、福田港、大部港の5つの港があります。小豆島までは、 香川県の高松港または高松東港 、 岡山県の宇野港または岡山東港 、兵庫県の姫路港または神戸三宮フェリーターミナル からフェリーが出ています。
https://www.shodoshima-ferry.co.jp/
https://ryobi-shodoshima.jp/time/setouchi_kankokisen/
https://www.shikokuferry.com/timetable/okayama-tonoshou
小豆島のアートスポットを一部紹介!
「太陽の贈り物」
土庄港に設置された 金色に輝く「太陽の贈り物」。オリーブで知られる小豆島の玄関口に、 オリーブの葉を王冠の形に仕立てた彫刻 が設置されています。
韓国出身のアーティスト、チェ・ジョンファと 地元の小学生が協働制作した作品 です。葉の一枚一枚には、土庄町の小学生約100人の未来へのメッセージが刻まれています。
瀬戸内海をバックに金色の王冠が輝き、 円環からは瀬戸内海が眺められます。
「オリーブのリーゼント」
オリーブ畑に突如現れるリーゼントヘアをしたオブジェ 。顔の形はオリーブの実に似ている。
くぼんだ部分には野菜や果物が置ける仕組みとなっています。ユーモアある作品です。
「漁師の夢」
印刷物を消しゴムで消し、立体作品に再創造する現代美術作家である入江早耶さんの作品。
様々な種類の魚の絵や、魚拓などを壁面に配置。それらのうちいくつかを消しゴムで消し、その際に生じた 消しゴムのかすで、魚の女神を造形 しています。
この作品は、 「二十四の瞳映画村」にて設置 されています。(後ほど映画村について紹介しています。)
ここは外せない!定番観光スポット
小豆島と言ったらここで写真を!「道の駅 小豆島オリーブ公園」
瀬戸内海を望むことのできる広々とした園内 。このオリーブ園では、約2000本のオリーブと130種類のハーブを育てています。天気の良い日に散策を楽しんで見てはいかがでしょう。
また、オリーブ公園には、 白い建物「ギリシャ風車」 があります! 「魔女の宅急便」のキキをイメージした“魔法のホウキ”が無料で借りられる ので、この建物をバックに、 ホウキで空を飛んでいるような写真 が撮れますよ!
https://www.olive-pk.jp/
昭和の日本の風景が広がる「二十四の瞳映画村」
映画『二十四の瞳』のロケセットを改築した日本映画・文学のテーマパークが小豆島にあります。映画村には、『二十四の瞳』のロケセット以外にも、 昭和の日本や小豆島を味わえる風景 などが広がっているので、映画を知らなくても訪れて楽しい場所でした。
木造校舎や村が瀬戸内海を見渡せる海岸沿いに再現されています。 その建物は、昭和初期のノスタルジックな雰囲気で素敵。 フォトジェニックスポットとしても人気 があります。
私も木造校舎内で生徒になりきったり、建物内を背景にしたりして写真をたくさん撮りました。海がすぐそばに広がっているので瀬戸内海を感じながら散策できますよ!
https://www.24hitomi.or.jp/
さあ!この春は瀬戸内海の島巡りへ!
いかがでしたか?今回は、まず行ってほしい定番の瀬戸内海の島を紹介しました。
島へ行き、 自然や芸術に触れることで、日々のストレスから離れることができます。 ぜひ、暖かくなったこの季節に、瀬戸内海の島々へ足を運んでみてはいかがですか?
ゆき
余暇プランナー
初めまして。好きなことは、旅行、キャンプ、温泉、サウナ、サーフィン、野外フェスなど。大学時代にマレーシアとカナダへ留学に行ったことを機に、自分の知らない世界を知ることの面白さを実感しました。新たな人との出会いも、旅行ならではの面白さだと思います。家族や友達との旅行はもちろんですが、一人で旅することもまた面白いなと、最近になりとても感じ始めました。自分の書いた記事が、誰かの旅のきっかけになってくれたら、嬉しいです。