南イタリアに位置するローマは、長い歴史のあるローマ帝国の中心地でした。現在も、多くの古代遺跡が残り世界遺産としても登録されています。ローマの休日に登場したスペイン広場や真実の口、トレヴィの泉など、多くの観光スポットも点在する街です。
この記事では、イタリア在住筆者のおすすめローマモデルコースと観光スポットの歴史をご紹介します。
ローマ観光の移動手段
イタリアの首都ローマは、南部にあるラツィオ州にあります。
日本とイタリアを繋ぐ直行便もある場所で、羽田空港からもアクセスに便利な街です。
観光名所が街の中心に集まっているので、徒歩で街並を散策しながら観光スポットを回ることができます。少し離れたところへ行く場合は、地下鉄とバスが便利です。
街中で使用するタクシーも利用できますが「カードが使えない」「チップを上乗せした」などと言って通常の価格と違う請求をすることがあるので注意しましょう。
タクシーを利用する場合は、アプリ内で行き先の指示や支払いができる「Free Now」がおすすめです。イタリアでもUberがありますがFreeNowより少し高い傾向にあります。
古代ローマの歴史が残るロマンある街の中心地を回るコース
ここからは、筆者の定番観光コースをご紹介します。ローマへ行く時はぜひ参考にしてくださいね。
ローマのシンボルでもある「コロッセオ」からスタート
ローマの公共交通機関の主要駅テルミニ駅から地下鉄を利用して「Colosseo(コロッセオ)駅」へ。
入場する際は、公式サイトで事前にチケットを用意することをおすすめします。
特に夏の観光シーズンは、チケット購入に長い列ができていたり、並んでいると怪しげな人が「チケットを譲るよ」と声をかけてくるので気をつけましょう。
冬場は比較的空いていて並ばなくてもチケットの購入が可能なことがあります。
コロッセオは、西暦80年に建設されたローマ時代の円形競技場です。地上には、約5万人収容できる観客席が周りを囲み、中心部で剣闘士と猛獣の戦いが行われていました。地下は、ストレージルームのほか猛獣の檻が設置されていた空間。コロッセオ全体は圧倒される広さです。
コロッセオの上層部へ行くとテラスがあり、そこからフォロ・ロマーノとコンスタンティヌス帝の凱旋門を見ることができます。コロッセオには、お土産やさんや展示品などもあるので散策してみてくださいね。
古代の街「フォロ・ロマーノ」
コロッセオから歩いて5分ほどの距離にフォロ・ロマーノがあります。
フォロ・ロマーノは、19世紀から発掘が開始され紀元前8世紀ごろから6世紀ごろまでの遺跡が残っています。ローマ帝国時代の生活拠点であり、かつての神殿や凱旋門、記念碑など見ることができ当時の時代へタイムスリップしたような気分になります。
隣接しているパラティーノの丘へ登ると、上からはフォロ・ロマーノ全体がパノラマで堪能できるのでぜひ立ち寄ってください。パラティーノの丘は、古代ローマに皇帝が住んでいた住宅街だった場所で、噴水や庭園などあるエレガントな空間です。
「真実の口」に手を入れて記念写真を
フォロ・ロマーノから歩いて12分の場所に真実の口があります。
真実の口は、サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の外に展示されている、大理石に海神が彫られた彫刻です。中世の修道院にあったマンホールのカバーだったと言われています。
嘘つきが口の中に手を入れると噛みちぎるという言い伝えがあることで有名です。係の人がいるので記念写真を撮影してもらいましょう。
教会内は、6世紀に建設され、モザイク画や美しい装飾もあるのでぜひ立ち寄ってみてください。お土産ショップもあるので、真実の口をモチーフにしたマグネットや置物など購入できます。
神秘的な「パンテオン」
真実の口から歩いて20分ほどの距離にパンテオンがあります。歩く途中には、つい写真に残したくなる建物やレストランなどあるのでランチ休憩にも最適です。バスを利用すると15分ほどで到着します。
パンテオンは、紀元前25年ごろ建てられた神殿です。パンテオンは、世界で最も保存状態の良い古代ローマの記念碑と言われています。ルネッサンスの偉大な芸術家ラファエロの墓もこの場所にあります。
「トレヴィの泉」でコインを投げよう
パンテオンから徒歩約8分の場所にトレヴィの泉があります。
トレヴィの泉は、17世紀に建てられたバロック様式の噴水です。大理石でできた噴水にある彫刻は、中央に海の神ネプチューン、両側に女神が佇んでいます。
この場所は、クラシック映画フェデリコ・フェリーニ作「甘い生活」にも登場した場所です。コインを投げるとローマにまた戻ってこられるということなので試してみてくださいね。
ローマの休日でお馴染み「スペイン広場」
トレヴィの泉から徒歩8分ほどの距離にスペイン広場があります。
地下鉄スパーニャ駅から出てすぐの場所にあるので地下鉄の利用にも便利です。
広場の中心には、バロック時代初期に遡る有名な船の形をしたバルカッチャの噴水もあります。ローマの休日でも登場した階段は17世紀に建設されたものです。
1番のおすすめは、階段を登った上からの景色です。スペイン広場の階段を上まで行くと、ローマの街が一望できる絶景スポットとなっているのでぜひ立ち寄ってみてくださいね。
近くには、ジェラートショップやカフェもあるので広場を眺めながらコーヒータイムを堪能しましょう。
街の中心地から離れたテヴェレ川の向かいへ行くコース
テヴェレ川の向かいにあるエリアには世界遺産に登録されているヴァチカン市国もありローマを訪れたら欠かせないスポットです。テヴェレ川の上にかかる橋の対岸には、美しいお城もあります。ここでは、バスや地下鉄を利用して中心地から離れたスポットをご紹介します。
世界遺産の国「ヴァチカン市国」
ヴァチカン市国へは、テルミニ駅からバスもしくは地下鉄で向かいます。地下鉄を利用すると駅から徒歩約15分、バス停からは徒歩10分弱の場所にあります。
ヴァチカン市国は、世界遺産に登録された小さな国です。国土内には、大聖堂や美術館、庭園があり、毎週水曜日にはローマ教皇のスピーチも実際に聞けるチャンスがあります。
絶景が眺められる「サン・ピエトロ大聖堂」
サン・ピエトロ大聖堂は、ヴァチカン市国に到着するとすぐ目の前に佇んでいます。キリスト教の総本山と言われるだけに、外から見る建物も壮大です。4世紀からこの場所に位置し、現在の大聖堂は16世紀に建築されました。
大聖堂内は、天井の高さや奥行きの広さに圧倒されます。黄金の装飾や巨匠ミケランジェロの彫刻「ピエタ」など見どころが詰まった場所です。
大聖堂へ行ったらクーポラからの絶景を堪能してください。クーポラの頂上までは、クーポラの壁が曲線になった場所の通りを歩き、人が一人しか通れない階段を登りようやく辿り着けます。
クーポラの頂上は、ヴァチカンの広場からローマの街並まで一望できる絶景スポットですよ。
誰もが知る巨匠の作品が展示される「ヴァチカン美術館」
サン・ピエトロ大聖堂から徒歩13分ほどの場所に美術館があります。
ヴァチカン美術館は、広大な敷地内にあるので全て見るのには半日必要になります。
展示されている作品には、イタリアを代表する芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロ、ミケランジェロなどあります。
ここでの見どころは、システィーナ礼拝堂にある「最後の審判」と天井に描かれた「天地創造」です。写真撮影が許可されていないのでじっくり実物を鑑賞してくださいね。
テヴェレ川の向かいに佇む「サンタンジェロ城」
サンタンジェロ城は、ヴァチカン美術館からバスを利用して約15分、もしくは徒歩で約20分の場所にあります。
サンタンジェロ城での1番のおすすめスポットは、お城へと続くサンタンジェロ橋の入り口から見る景色です。水の上に佇んでいるように見えるお城は幻想的です。
サンタンジェロ城内は博物館となっており、大砲の展示のほか絵画や天井画など堪能できます。サンタンジェロ城内にある屋上テラスからもローマの街を一望できるので立ち寄ってくださいね。
ローマで幻想的な街並を楽しもう
長い歴史のあるローマは魅力が詰まった街です。
筆者はイタリアに住んでいるので、友人が来るとローマを案内することが多くあります。これまでに何度も訪れている街ですが、毎回新しい発見とローマの美しい街並、歴史、美食、住んでいる人たちの魅力に惹かれています。
夜はライトアップされ、さらに幻想的な空間になるので、昼と夜の街並を楽しんでくださいね。
https://www.veltra.com/jp/europe/italy/roma/?sid=1554
Shiho Yamaguchi
余暇プランナー
欧米のライフスタイル・サステナビリティを発信しているフリーライターです。 ニューヨーク在住中にイタリア人と出会い、現在は拠点をミラノに移し夫と娘の3人暮らしをしています。趣味は、格安フライトやフェリーで行く月1回のヨーロッパ旅行。2歳の娘は、現在12カ国の旅行を経験し旅育にも力を入れています。トリリンガル子育て中です。 旅で経験した情報をお伝えしたいと思っています。