日本でも人気のあるリキュール「カンパリ」が生まれた街でもあるミラノ。
ミラネーゼ(ミラノの地元民)たちは、午後5時~午後8時までの間「アペリティーボ」というイタリアスタイルのハッピーアワーを楽しみます。カクテルなど好みのドリンクを注文すると、簡単に手でつまんで食べれるフィンガーフードがついてくるお得なアペリティーボ。このコンセプトは、ミラノで始まったといわれています。
今回は、ミラノを訪れたら必ず行ってほしいアペリティーボおすすめバーをミラノ在住者の筆者がご紹介します。
アペリティーボとは
ミラノに住むミラネーゼが、1日の疲れをリセットして帰宅するのに欠かせないアペリティーボ。仕事帰りに一人で、同僚や友人、家族などシーンはさまざま。
通常はアルコール度数が低い色鮮やかなカクテルを注文します。
ドリンクにはほとんどの場合、オリーブ、ポテトチップス、シャルキュトリー(生ハム、パテなど)、ナッツ、フォカッチャ、ミニピッツァなどの軽食が添えられます。
価格に関しては行く場所によって多少異なりますが、ほとんどの場所で10〜15ユーロのドリンク1杯でプレートに乗せられた軽い前菜のようなアンティパストが楽しめます。
どのようなドリンクをオーダーする?
ミラノに来たら、ミラノを代表するカクテルをぜひお楽しみください。
夕方になると街中のバーで鮮やかなオレンジカラーのドリンクを見かけると思います。それはおそらく伝統的なイタリアのカクテル「アペロールスプリッツ」もしくは「カンパリスプリッツ」。
アペロールもしくはカンパリのリキュールと、プロセッコ、ソーダから作られ、時にはオレンジのスライスが添えられます。このさわやかなカクテルは年中いつでも味わうことができます。
もう一つの古典的なカクテルはネグローニ。ジン、カンパリ、スイートベルモットから作られます。歴史に彩られたカクテルですので、ぜひ一度お試しください。
ほかにも、モヒートやテキーラサンライズ、ビールやワイン、さらにノンアルコールのモクテルなども提供しています。アペリティーボを楽しむペアを見つけてくださいね。
アペリティーボおすすめのエリアは?
ミラネーゼの憩いの場でもある、アルコ・デッラ・パーチェ(ミラノの凱旋門)の近くには多くのバーが並んでいます。週末の午後6時には外の席を見つけるのに苦労するでしょう。ミラネーゼは冬でも外のテーブル席が好きなので、外は人で溢れていても中の席は空いてることが多いです。ここではおいしい食前酒を楽しめる場所がたくさん見つかりますよ。
ナイトライフに欠かせないナヴィリ運河周辺では、多種多様な料理とカクテルを提供しています。イタリアンからメキシカン、アジアンフードなど、ミラノ中心地より比較的手頃にカクテルが楽しめるのも魅力の一つです。
最新トレンドスポットでハッピーアワーを楽しみたい場合は、モダンなエリア「コルソ・ガリバルディ」へ向かいましょう。コルソ・コモストリートには、ミラノを代表するコンセプトストア「10・コルソ・コモ」があり中にはカフェもあるのでカクテルをのんびり中庭で味わえます。
ミラノのどのバーでもアペリティーボは提供しています。気になるバーを見つけたら気軽に入ってカクテルを注文してみてくださいね。
空気が澄んでる季節にこそ楽しみたいテラスがあるバール
老舗バー「カンパリーノ」でカンパリを味わう
大聖堂からすぐ左側にあるガレリア内には築100年の「カンパリーノ(Camparino)」があり、カンパリーノ はミラノの誇りでもあります。世界中で愛されている、ほろ苦いリキュールであるカンパリのホームバーです。店内にはカンパリがずらりと並んでおり、おすすめは外に設置されている席からミラノ大聖堂を目の前に眺めること。外の席は、いつも混んでいますが平日は比較的空いています。
「テラッツァ・アペロール」でミラノ大聖堂を眺める
カンパリーノの上には、「テラッツァ・アペロール(Terrazza Aperol)」があります。店内は、アペロールカラーのオレンジで統一されていて、バルコニーからはミラノ大聖堂が眺めることができます。アペロールを使用したユニークなカクテルがあるので、ぜひ試してみてくださいね。
「レディオ・ルーフ・トップ・バー」からミラノの最新ランドマークを眺める
ホテル ME Milan Il Duca内にある「レディオ・ルーフ・トップ・バー(Radio roof top bar)」。ここのおすすめは、テラス席からミラノが一望できることで、開放的な空間でカクテルと食事が楽しめます。ランチとディナーも提供しているので食事をするのにもおすすめです。
ラグジュアリーな空間でアペリティーボを楽しむ
豪華なブルガリホテルにある「ブルガリバー」
ブルガリホテル内には、洗練された空間のブルガリバーがあります。プライベートガーデンに面したテーブル席、バーカウンター、ソファ席など好みの場所で贅沢な時間を過ごせます。ブルガリスペシャルカクテルにはブルガリの文字がプリントされ、上品に盛り付けられたフィンガーフードが堪能できます。カクテルをオーダーするごとに軽食が提供されますよ。
「マルケージ1824」からガレリアを見下ろしてカクテルを味わう
ミラノ老舗高級ペストリーショップとして有名な「マルケージ(Marchesi 1824)」。プラダグループのペストリーショップということもあり、エレガントなケーキが並ぶお店です。ここにはバーカウンターもあり、アペリティーボにも最適な場所。ケーキスタンドに軽食を乗せて提供されるので見た目も可愛らしいです。ガレリア内2Fにあるマルケージからはガレリアやプラダ本店を上から眺めることができ、なんとも優雅な時間が過ごせます。
「アルマーニホテル」でアペリティーボ
有名ハイブランド アルマーニホテルにはバーとカフェがあり、気軽に入れるのはグランドフロアにあるカフェです。
ここでは宿泊していなくでも朝食も味わうことができ、ミラノの代表的なクロワッサン「ブリオッシュ」とコーヒーが楽しめます。夕方のアペリティーボタイムには、ビジネスや観光で来ている人たちがカクテルを飲みながら会話を楽しんでいます。
ボリュームたっぷりアペリチェーナ
アペリチェーナとは、アペリティーボとチェーナ(夕食)をプラスした言葉です。アンティパストが豊富にある場所ではアペリチェーナといって、カクテルと夕飯を一緒に楽しみます。ここではボリュームあるおすすめの場所をご紹介します。
ベストリーショップの「パスティシェリ」
ペストリーショップでもある「パスティシェリ(Pasticheri )」では、たっぷりのベーカリーが提供されます。ペストリーショップならではのふわふわなブリオッシュにモッツアレラやトマトが挟まれ、サンドウィッチ、ハム、フォカッチャ、ほうれん草のパイなどカクテルと一緒にいただけます。
「ラ・カトリーナ」で楽しむ異国のアペリチェナ
イタリアンに飽きてきたらメキシカンのバー「ラ・カトリーナ(La Catrina)」へ足を運んでみてはいかがでしょうか。ナヴィリ運河沿いにはお腹いっぱい味わうことができるアペリチェナスポットがあります。
ナヴィリ運河はトレンディスポットということもあり地元の若い人たちで賑わっており、メキシカンとイタリアンがクロスした料理とカクテルが楽しめます。料理がたっぷり提供されて12ユーロとお得な気分になります。
修道院を改装した隠れ家的なバー「ノンブラ・デ・ヴィン」
ミラノのファッションエリア、ブレア地区におしゃれなバー「ノンブラ・デ・ヴィン(N'Ombra de Vin)」があります。一見普通のバーですが、中へ入り地下に進むと中世の面影残る店内が広がっています。修道院を改装した歴史の面影残る店内はイタリアならではのデザインです。
ここでのおすすめはワインですが、もちろんカクテルも堪能できます。プロシュート(生ハム)やチーズなど豊富に用意されているので、ワインのお供に最適です。
ミラノでアペリティーボを楽しもう
ミラノのカクテルとイタリアのアンティパストを味わうアペリティーボは、夕方の疲れを充実した日に切り替えてくれるハッピーアワーです。
ミラノの歴史ある建築や美しい景色を眺めながら、1日の締めくくりにアペリティーボを楽しみましょう。さまざまなバーに独自のスタイルがあるので、カジュアルからラグジュアリーまでお気に入りの場所を見つけてくださいね。
https://www.veltra.com/jp/europe/italy/milano/?sid=1554
Shiho Yamaguchi
余暇プランナー
欧米のライフスタイル・サステナビリティを発信しているフリーライターです。 ニューヨーク在住中にイタリア人と出会い、現在は拠点をミラノに移し夫と娘の3人暮らしをしています。趣味は、格安フライトやフェリーで行く月1回のヨーロッパ旅行。2歳の娘は、現在12カ国の旅行を経験し旅育にも力を入れています。トリリンガル子育て中です。 旅で経験した情報をお伝えしたいと思っています。