普段の忙しい生活をしていると、たまには大自然の中をドライブして気分をリフレッシュしたくなりませんか。
そんな時におすすめの場所が石川県・能登半島の最北部にある「奥能登」です。
奥能登は海と山の大自然に囲まれ、里山里海の素朴な雰囲気が残り、日常の生活を忘れさせてくれる魅力があります。
今回は奥能登の見どころを紹介していきますので、海岸ドライブの旅を楽しみたい方は是非参考になさってください。
奥能登の基本情報
奥能登とは
石川県の日本海側に突き出ている半島を「能登半島」と呼びますが、 半島の先端部分で北部の地域を「奥能登(おくのと)」と呼びます 。行政区域としては、 珠洲市、輪島市、能登町、穴水町の4市町が奥能登 と呼ばれるエリアになります。
また能登半島の南部の地域を「口能登(くちのと)」、中部の地域を「中能登(なかのと)」と呼びます。
奥能登地域は、古来より都市部からも遠かったため独特の風習があったり、里山里海の風景が現在も残っています。また周囲を海に囲まれた地域なので、風光明媚な観光スポットが数多く点在しているのも魅力です。
現在はSNS映えするスポットが多いことと新鮮な海の幸・山の幸を味わえる場所として、若い方からシニアの方まで多くの人々が訪れる人気観光地となっています。
奥能登へのアクセス
奥能登は都市部からも離れているため、交通の発展も遅く、長らく「陸の孤島」のような場所でした。
しかし近年は道路の延伸、空港の建設など交通網が発達したおかげで、アクセスしやすい場所になりました。
車で行く場合
金沢からは 「のと里山海道」という無料の自動車専用道路 が走っていて、奥能登の玄関口であるのと里山空港までスムーズに行くことができます。また富山方面からは 「能越自動車道」で七尾まで行き途中からのと里山海道に合流して奥能登へ行くことができます。 (能越自動車道は一部有料区間あり)
またのと里山空港からは輪島方面には「輪島道路」、珠洲方面には「珠洲道路」が走っていて、大変アクセスしやすくなっています。
電車で行く場合
電車で行く場合は、 金沢からJR七尾線で約1時間10分で七尾まで行きます。七尾からはローカル鉄道の「のと鉄道」に乗り換えて穴水まで行くことができます。 七尾駅から穴水駅の所要時間は約35分です。
穴水駅は奥能登の入り口になるので、そこから先は路線バスなどを利用することになりますが、奥能登観光を楽しむならレンタカーを借りることをおすすめします。
のと里山空港
のと半島には「 のと里山空港 」という空港があり、 羽田空港から1日2往復運航 しています。東京方面から行く場合は、飛行機を利用して行くこともできます。羽田からの所要時間は約60分です。
空港まで到着したら、レンタカーを借りて観光に行くことをおすすめします。
奥能登海岸ドライブのおすすめ立ち寄りスポット
奥能登は海の絶景、パワースポット、文化など見所がいっぱいです。今回は周遊順にご紹介していきます。
九十九湾遊歩道
九十九湾(つくもわん)は能登半島の東側にある能登町にある景勝地 で、複雑な海岸線である「リアス式海岸」です。
入り江が「九十九」数えるとして「九十九湾」と名付けられました。日本百景の一つ に選ばれるほどの景勝地です。
九十九湾遊歩道は九十九湾の浅瀬部分にブロックの飛び石が置かれた遊歩道になっています。ブロックをまたぎながら歩いていていくとまるで海の上に浮かんでいるような海上散歩を楽しむことができます。
目の前には透き通った美しい海と九十九湾の絶景が広がり、海の中をのぞくと海の生き物たちと間近に触れ合うこともできます。
https://notocho.jp/experience/1261/
イカの駅つくモール
能登町の九十九湾にある観光交流センターで、観光の拠点にもなります。
ここのシンボルは 全長13mにも及ぶ巨大なスルメイカのモニュメント「イカキング」 です。
なぜイカなのかというと、九十九湾に面する小木港は日本有数のイカ漁港だからです。
このオブジェは2020年に新型コロナ対策金の一部を投じて作られたため物議が醸し出されました。しかしこのオブジェが世界のBBCニュースにも取り上げると知名度が急上昇し、大きな宣伝効果を生み出しました。
「イカキング」は口の中に入ったり、触手に巻き付かれることができ、SNS映えするということで人気の観光スポットになっています。
つくモールでは他に海中遊覧船「イカす丸」に乗船できたり、レストランで新鮮な海の幸を味わうことができます。
恋路海岸
日本海には断崖などの荒々しい景色が多いのですが、能登町にある 恋路海岸は能登内浦の優しい景色を代表する海岸 です。
恋路海岸というロマンチックな名前の由来は、その昔若者の男女の悲恋伝説に由来しています。穏やかに湾曲した砂浜に真っ赤な鳥居とその後方に浮かぶ弁天島が恋路海岸の象徴になっています。
また海岸には悲恋伝説の2人をしのぶモニュメント像や恋路観音像、幸せの鐘などが設置されています。
悲しい伝説の残る地ですが、穏やかな景観は美しく、カップルで訪れるには最適のスポットです。
https://notocho.jp/experience/1072/
見附島(軍艦島)
珠洲市の海上にそびえ立つ、高さ28mにもなる巨大な岩 です。
先端部分が突き出た形になっていて、その見た目から「 軍艦島 」とも呼ばれていて、「 能登のシンボル 」として親しまれています。島までは踏み石が並べられているため、 引き潮の時間帯には島の近くまで歩いていくことができます。
見附島周辺の海岸は「えんむすびーち」と呼ばれる恋人の聖地となっていて、浜辺には縁結びの鐘が設置されています。
https://www.city.suzu.lg.jp/site/kankou/1251.html
聖域の岬(青の洞窟)
能登半島の先端にある岬で、日本三大パワースポットの一つ としても有名です。
ここがなぜパワースポットなのかというと、 能登半島の先端が、大地の気流と南北からの海流が集まる場所であり、ここに自然のエネルギーが集約される場所 だからだそうです。
聖域の岬に立つと崖の上から雄大な海の絶景を望むことができ、大地のパワーを感じ取ることができます。岬の高台には空中展望台があり、崖から突き出た展望台から岬を一望することができますよ。
展望台の下には 450年続く老舗旅館「ランプの宿」 があり、一度は泊まってみたい憧れの宿として人気があります。
また展望台から坂道を下って海辺に行くと「 青の洞窟 」へ行くことができます。
ここも聖域の岬へ行った際の見どころの一つで、天気などの条件が合えば、 美しい青の世界 を見ることができ、SNS映えスポットとして人気があります。源義経伝説も残っている洞窟で、パワーをもらえる気がします。
なお、空中展望台と青の洞窟は有料となります。
https://rtrp.jp/articles/1418/
禄剛崎
禄剛崎(ろっこうさき)は珠洲市にある能登半島の最先端にある岬 です。外浦と内浦のちょうど接点に当たる場所にあります。
ここでは 「海から昇る朝日、海に沈む夕日」を同じ場所で見ることができる ほど周りに遮るものがない絶景のスポットです。
岬には明治時代に日本人が設計した白亜の灯台が建っています。この灯台は「日本の灯台50選」「近代化産業遺産」「恋する灯台」にも選定されています。
ここが奥能登の中でも最も奥に当たる場所なので、是非訪れてみてください。
https://www.city.suzu.lg.jp/site/kankou/1891.html
能登のゴジラ岩
禄剛崎から輪島方面へ向かう道中、珠洲市の海岸を走っていると変わった形の岩があります。その姿は今にも西の空に向かって火を噴きだしそうな ゴジラの姿に似ており「ゴジラ岩」 と呼ばれています。
ここでは美しい夕日も見ることができるので、能登の名所の一つにもなっています。駐車場もあるので、ふらっと立ち寄ってみたいスポットです。
https://www.city.suzu.lg.jp/site/kankou/1072.html
垂水の滝
輪島市と珠洲市の境にある滝で、珠洲市方面から輪島へ向かう際、トンネルに入る目の前に流れ落ちている滝です。 山から海へ直接流れ落ちる、能登では珍しい滝で、落差は35m あります。
別名「吹き上げの滝」「逆さ滝」とも呼ばれていて、冬の寒い時期には日本海から吹き付ける海風によって滝の流れが上空に吹き上げられ、まるで竜が天へと昇っていくようにも見えます。
https://www.city.suzu.lg.jp/site/kankou/1532.html
上時国家
上時国家(かみときくにけ)は、輪島市にある 豪農の旧家 です。
「時国家」とは壇之浦の戦いに敗れて、奥能登に配流された平時忠の五男・平時国から続く名家のことです。見どころは重要文化財にもなっている母屋で、高さ18mの茅葺屋根は近世木造民家では最大級のもの。
また庭園は鎌倉風の池泉回遊式庭園で、国の名勝にも指定されています。
https://www.hot-ishikawa.jp/spot/6476
白米千枚田(千枚田ポケットパーク)
白米千枚田(しろよねせんまいだ)は、輪島市にある急斜面に作られた棚田 です。日本海に向かって作られた棚田の景観は、 能登の里山里海を代表する風景 として、人気の観光スポットになっています。
海岸の崖地帯にこつ然と現れる棚田の風景は能登半島独特で、他の地域ではなかなかお目にかかれませんので必見です。
数が多いので千枚田と呼ばれていますが、現地の案内板には他の数は1004枚と記載されています。2001年には国の名勝にも指定されています。
この 美しい千枚田を眺めることができる場所が「道の駅千枚田ポケットパーク」 です。ここでは棚田米のおにぎりや地元の特産品などを買うことができます。
https://senmaida-monogatari.com/
輪島朝市
輪島市の中心街で開かれている朝市で、岐阜県の高山朝市、千葉県の勝浦朝市とともに 日本三大朝市の一つ に数えられている、奥能登観光では欠かせない名物スポットです。
朝市通り と呼ばれる通り沿いには、新鮮な海産物や干物、地元の新鮮な野菜、民芸品などを扱う露店が通りの両脇に並び、その数は約200件にも及びます。
売り手のほとんどは農家のおばちゃんや漁師町の女性たちで、「買うてくだあ」と輪島地方の方言で声がかかると思わず足を止めてしまいます。
朝市の醍醐味の一つが商品には値段がはっきり決まっていないので、地元の人との会話を楽しみながら根切交渉をして値段を決めていくことができます。
なお朝市なのでお昼には営業が終了してしまうので、行く際には午前中に訪れるようにしましょう。
輪島キリコ会館
輪島には日本遺産にも認定されている「 能登のキリコ祭り 」という独特のお祭りがあります。
キリコ祭りとは各町内から 「キリコ」と呼ばれる大きな奉燈(御神灯) を担ぎ出して街中を練り歩く勇壮なお祭りです。輪島キリコ会館には 大小約30基のキリコが展示 されています。高さが10mほどあり、実際に見てみると想像以上の大きさに圧倒されます。
また広場のステージでは能登の伝統芸能「御陣乗太鼓」の実演も行われています。仮面をつけた人々が打ち鳴らす迫力ある太鼓の音、キリコの圧倒的な迫力など、エネルギッシュな雰囲気を味わうことができるスポットです。
能登丼
観光スポットではないのですが、近年のご当地グルメとして人気が高いのが「能登丼」です。
能登丼とは奥能登産のコシヒカリを使用、奥能登の水を使用、メイン食材に地場で採れた旬の魚介類、能登で育まれた肉類・野菜類または地元産の伝統保存食を使用、器や箸も能登産のものという定義をクリアしたもの であり、ボリューム満点の贅沢な丼です。
奥能登地域で運営している能登丼事業協同組合に加入している店舗で提供されているので、訪れた際はお好みの能登丼を見つけて味わっていきたいグルメです。
https://www.okunoto-ishikawa.net/modules/donmap/
海岸ドライブで気分もリフレッシュしよう!
今回は近年人気の観光地・奥能登の見どころを紹介してきました。
奥能登は見どころもたくさんあり、思ったよりも移動距離もあるので、すべてを回るのであれば宿泊で行くのがおすすめです。日帰りの場合はスポットを限定して行くようにしましょう。
観光スポットは海沿いにあるので、海岸沿いをドライブしながら楽しむことができます。
今度の旅は海岸ドライブを楽しみながら奥能登観光をして気分をリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
nonta
余暇プランナー
元旅行会社勤務で今は山の中の観光施設で働きながら旅ライターを行っています。元々旅行好きで大学も地理学専攻と根っからの地理マニアです。大自然の絶景と寺社仏閣などの歴史建築が大好きで、連休などあればすぐに車中泊で出かけてしまいます。その他登山やランニングなどとにかく家に引きこもっていることが苦手で、常に自然の中で過ごしていることが私の癒しになっています。