海外旅行に行きたいけど「飛行機が苦手」、海外の空港に慣れていないため「乗り継ぎで迷子になったら怖い」などと思っている方も多いのではないでしょうか。筆者が添乗員をしていた時にもそのような声をよく聞いたことがあります。
この記事では、海外旅行時に知っておくと安心なことや空港や航空券についての知識をまとめて紹介します。
空港は分かりやすく作られている
空港は広くて迷子になってしまう!と思う方も多いのではないでしょうか?
しかし、空港は意外と分かりやすく設計されています。なぜなら世界中の人が行き交う場所のため、誰にとっても分かりやすくある場所でないといけないからです。そしてセキュリティの関係上、どこでも自由に行けるわけではないからです。
間違った場所には基本行くことができない
空港内の各要所には係員が配置されているため、言うなれば 勝手に行こうと思っても間違った場所には行けない ようになっています。例えば国際線の乗り継ぎの場合、セキュリティ検査を抜けて次のゲートに向かう必要がありますが、乗り継ぎのチケットを持っていない人がセキュリティ検査場を通り抜けようとしても間違いなく止められてしまいます。
また、各搭乗ゲートではパスポートや航空券の確認が必ず行われるので、間違ってほかの飛行機に乗ってしまった!なんてことは起こりようがないのです。切符さえあれば誰でも乗車できてしまう列車などとは違い、飛行機の場合には厳しいチェックが行われています。
空港では表示や電光掲示板(発着スケジュール)を確認する
表示に沿ってひたすら進むのみ
空港での移動では基本的に 表示に沿って歩いていけば、間違いなくたどり着ける ようにつくられています。
基本的な流れさえ把握していれば、スタンプラリーのように次へ、次へと移動するだけで簡単に移動ができる仕組みになっています。個人的には、海外旅行で1番迷子になりにくい場所が空港だと思っています。空港には多くの従業員が勤務しており英語が話せる人がほとんどですし、チケットさえ見せれば、この人は何時のどの飛行機に乗って移動するのかということが分かるので、万が一迷ったとしても周りの人に理解してもらいやすいです。
電光掲示板の見方
Departure(出発)/Arrival(到着)
出発と到着に分かれて2つの表示があります。旅行に出かける場合には出発の方を見て、搭乗する航空機の情報を確認します。
なお 出発時間と搭乗時刻は異なる ので、その点間違いのないように注意が必要です。 時差にも注意 しましょう!
2レターコード/3レターコード
航空券やE-チケット上では、飛行機は2レターコード、空港は3レターコードによって表されます。
2レターコードは 航空会社をアルファベット(数字含む)2文字で表すコード のことで、例えばJALはJL、ANAはNHなどと表示されます。しかし近年はLCCなど航空会社の数も増えたため、アルファベット以外に数字を組み合わせたものも多くでてきています。
電光掲示板にも航空会社はこの2レターコードで表示がされるので、航空券の便名と照らし合わせて確認します。
また、3レターコードは各地の 空港をアルファベット3文字で表すコード で、例えば羽田はHND、成田はNRTなどと表示されます。預け荷物のタグに3レターコードが印字されるので見たことがある方も多いかもしれません。
ゲート番号
搭乗時間が近くなると搭乗ゲートが表示されます 。このゲート番号をもとに移動するのですが、直前でゲート番号が変わることもありますので、何度か確認しておくことをおすすめします。
また、搭乗時間が近くなるとGo to Gate(ゲートに向かえ)という表示がされ、搭乗開始になるとBoarding(搭乗)といった表示が追加されていきます。
なお、搭乗締め切り近くになるとThe final/Last call(最終案内)の表示に変わり、間もなく搭乗が締め切られることを意味します。ゲート表示がされ搭乗時刻近くになったら移動し、ゲート前で待機して乗り遅れのないようにしましょう。
乗り継ぎの場合は【Transfer(乗り継ぎ)】の表示方向へ
乗り継ぎのある場合には入国ではなく、 Transfer の表示の方へ進んでいきます。国際線への乗り継ぎの場合には再度手荷物検査を通過する必要があります。
稀なケースですが、乗り継ぎのはずが間違って入国してしまった!という事態も時にはあり得ます。しっかりと表示をみておらず前を歩く人に付いていった結果、間違って入国してしまった…なんてことにならないために必ず進む先の表示を確認するようにしましょう。ビザが不要な国の場合は特に、途中降機などで乗り継ぎ時間の合間に入国する人も少なくないからです。入国してもまた出国すれば問題ありませんが、乗り継ぎ時間が短い場合には特に注意しましょう。
スルーチェックイン
経由地で飛行機の別便に乗り継ぐ場合でも、 最初のチェックイン時に乗継便のチェックインも同時に済ませること をスルーチェックインといいます。
経由地の空港で再度乗り継ぎ分のチェックインをする必要が無く、荷物も「スルーバゲージ」と呼ばれ、最終目的地で受け取る事ができます。乗り継ぎでも続けて同じ航空会社を利用する場合や、航空会社が加盟しているアライアンスが同じ場合には、基本的にスルーチェックインが可能となります。通しで航空券を購入する場合の多くがスルーチェックインを利用できます。
一方、 スルーチェックインでない場合には1度乗り継ぎ地に入国 し、預け荷物を受け取る必要があります。そして、再度カウンターで乗り継ぎ便のチェックインをしたあとに出国といった流れです。
到着したら【Immigration/Passport Control(出入国管理)】の表示方向へ
目的地に到着し、イミグレーションで入国手続きをしたあと【Baggege Claim(手荷物受取所)】と呼ばれる、預け荷物を受け取るターンテーブルにたどり着きます。
荷物を受け取り【Custom(税関)】を通りぬけ、無事入国!といった流れになります。
知っていると役立つ航空用語
荷物の種類
Carry-On-Baggage (Unchecked Baggage):機内持ち込み手荷物
Checked Baggage :預け荷物
Baggage Tag (Claim Tag):預け荷物と引き換えに渡されるシール状の半券です。荷物を受け取るまでは必ず保管しておきましょう。
航空券の種類や乗り継ぎの種類
One Way Ticke :片道航空券
Round Trip Ticket :往復航空券
Reference Number :英数字を組み合わせた6文字の予約番号のことで、オンラインチェックイン時などにも必要となる番号です。E-チケットに必ず記載があります。
Open Ticket :復路の便が予約のされていない航空券のことです。後日、復路の日時を決めることができるので、予定が定まっていない長期間の旅行の際に便利なチケットです。
Open Jaw :往路と復路の出発空港が異なる場合で、合間の区間の航空券が含まれていないことをいいます。
Stop Over :途中降機の意味で、乗継地点にて24時間以上連続して滞在することです。回数や地点に応じて追加運賃が課せられる場合もあります。
Transit :出発した飛行機が最終目的地に行くまでに途中で燃料や貨物を補給するために一旦着陸し、再び同じ飛行機で目的地に向かうことで「Transfer」とは異なります。乗客は飛行機の中で待機する場合と、空港内のトランジットエリアに移動して待機する場合があります。
Minimum Connecting Time (MCT):最低必要な乗り継ぎ時間のことで、時間は各空港によって異なります。また、国際線の場合、国内線の場合などと細かく設定がされています。同じ航空会社を利用する場合で、一連した乗り継ぎの航空券を購入していて、最低乗り継ぎ時間を確保していた場合には、万が一遅延などで乗れなかった場合でも航空会社が代替えを保障してくれます。
もう怖くない!飛行機に乗って海外旅行を楽しもう
基本的な流れ、空港などで使われる用語を押さえておけば国際線でも乗り継ぎ便でも怖くありません。ぜひ、参考にしてみてください。
乗り継ぎで様々な空港を訪れることができるのも旅の楽しみの一つです。海外旅行に慣れてきたら、あえて途中降機をして、乗り継ぎ地の観光に出かけてみるのもおすすめですよ。
yuriname
余暇プランナー
元添乗員、元旅行会社勤務 国内・総合旅行業務取扱管理者 日本47都道府県&海外37か国の渡航経験があります。 バックパッカー、個人旅行、団体旅行、クルーズ旅行、短期語学留学、ホームステイ、ワーキングホリデー、インターンシップなど様々なかたちで海外旅行・海外滞在を経験してきました。 現在はギリシャ在住です。いろんな視点から旅行の楽しさをご紹介します!