ドイツ最西端に位置する大聖堂で有名な街アーヘン。ベルギーとオランダの国境に近く、昔から温泉地として多くの人々に親しまれてきた古都です。
今回は、そんなアーヘンのおすすめ観光スポットを5つ紹介します。ぜひチェックして、旅行計画に役立ててください。
アーヘンはどんな街?
ノルトライン=ヴェストファーレン州に属している 「アーヘン(Aachen)」は、古代ローマ帝国の時代からローマ人の温泉保養地として利用されてきた歴史ある街 です。最初に登録された世界遺産の一つ「アーヘン大聖堂」があることで知られています。しかし、その大聖堂が築かれたきっかけは、アーヘンがフランク王カール大帝のお気に入りの地であったことです。
カール大帝は800年にローマ教皇から冠を授かったことで西ローマ帝国皇帝にもなり、行政改革や文芸、教育の振興に力を入れヨーロッパ社会の礎を築いた偉大なる人物です。フランス語でシャルルマーニュとも呼ばれ、お気に入りのアーヘンの地をフランク王国の都にし、晩年にはこの地で多くの時間を過ごしたとされています。そのため、アーヘンでは カール大帝ゆかりの地としての側面と温泉保養地としての側面を楽しむのが、観光の醍醐味 といえるでしょう。
日本からアーヘンに向かうには、まずは空路や鉄道でケルンを目指しましょう。ケルン中央駅からアーヘン中央駅まではICE特急を使って約35分、日本の快速列車に相当するREの場合は約50分です。ほとんどの見どころは中央駅から歩いて10分ほどの旧市街に集まっているので、ケルンから日帰りでも十分に観光が楽しめます。
アーヘンのおすすめ観光スポット5選
ヨーロッパ最古の聖堂「アーヘン大聖堂」
アーヘン観光の中心といえば、 ヨーロッパ最古の教会である「アーヘン大聖堂(Aachener Dom)」 でしょう。786年にカール大帝の命により宮殿教会の建設が始められ、死を迎えた814年にはその遺体が埋葬されたことから「皇帝の大聖堂」とも呼ばれています。
アーヘン大聖堂の特徴は、 古典主義やビザンティン様式などの様々な様式が融合した建築 である点です。特に 中心にある高さ32mを誇るドーム は、中世のキリスト教で復活を意味する神聖な数字だった「8」を採用し、八角形で造られています。また、一際美しい カール大帝即位600年を記念して増築された「ガラスの礼拝堂」 も必見。主祭壇や天使のモザイク装飾など目が眩みそうなほどの黄金と、25mものステンドグラスにより荘厳かつ圧倒的な空間となっています。
ガイドツアー限定でカール大帝の玉座も見学できる ので、ぜひ参加してみてください。
【基本情報】
- 所在地: Domhof 1, 52062 Aachen
- 営業時間(月曜〜金曜):11:00〜19:00
- 営業時間(土曜):13:00〜19:00
- 営業時間(日曜):13:00〜17:45
- 入場料:無料
- ガイドツアー営業時間(月曜〜金曜):11:00〜18:00
- ガイドツアー営業時間(土曜):13:00〜17:00
- ガイドツアー営業時間(日曜):13:00〜16:00
- ガイドツアー料金:大人5ユーロ、子ども4ユーロ
- 特別礼拝やイベント等により営業時間が変更される可能性あり
https://www.aachenerdom.de/en/
カール大帝ゆかりの品々を展示する「アーヘン大聖堂宝物庫」
アーヘン大聖堂と一緒に訪れてほしいのが、「アーヘン大聖堂宝物庫(Domschatzkammer Aachen)」です。大聖堂に隣接する建物ですが、入口は大聖堂の裏側となる点に注意しましょう。
宝物庫では、宗教画や聖母子像などの教会らしい品々から、カール大帝に関連したものまで展示 されています。特に見応えがあるのは、黄金に輝く 「カール大帝の胸像」 。八角形の台座にはエナメルでフランスのユリの紋章が、胸部にはドイツ帝国の紋章である鷲が銀であしらわれ、頭部にカール大帝の頭蓋骨が入っています。理想の支配者としてカール大帝を描きながら、カール大帝の聖遺物でもあるのがこの胸像なのです。
そのほかにも、大粒の宝石がいくつもはめ込まれた十字架や王冠といった豪華な品々があるので、ぜひじっくりと鑑賞しましょう。
【基本情報】
- 所在地:Johannes-Paul-II.-Straße, 52062 Aachen
- 営業時間(月曜):10:00〜14:00
- 営業時間(火曜〜日曜):10:00〜18:00
- 入場料:大人(18歳以上)7ユーロ、子ども(6歳〜17歳)4ユーロ、6歳未満は無料
https://4travel.jp/os_shisetsu/10265542
古城のような素晴らしい部屋たちが見学できる「アーヘン市庁舎」
大聖堂の北側にある 「アーヘン市庁舎(Rathaus Aachen)」は、古城を思わせるネオゴシック様式で建てられた現役の町役場 。元々この場所にはカール大帝が築いた宮殿があり、その基礎を用いて建てられたのが現在の市庁舎です。
外観に違わず館内には豪華な部屋がたくさんあり、その一部が一般向けに開放されています。なかでも金で縁取った白い漆喰壁の 「白の間」 と、絵画がたくさん飾られた 「赤の間」 は一線を画す美しさ。アーチ型天井が特徴の 「戴冠式の間」 では、カール大帝のコルドバの戦いでの活躍を描いたフレスコ画や煌びやかな王冠なども鑑賞でき、こちらも必見です。
【基本情報】
- 所在地:Markt, 52062 Aachen
- 営業時間:10:00〜18:00
- 入場料:大人6ユーロ、21歳以下は無料
気軽にアーヘンの温泉の雰囲気を楽しめる「エリゼンブルネン」
「エリゼンブルネン(Elisenbrunnen)」は、大聖堂から南東のフリードリヒ・ヴィルヘルム広場内にある観光スポット。 第二次世界大戦の時に壊滅的な被害を受けましたが、完成当時とまったく変わらずアーヘンの温泉が楽しめるよう、1950年代に再建されました。
白い外観が特徴のエリゼンブルネンはネオクラシカル様式で建てられており、左右対称の優雅な佇まいが特徴的。 左右両方に金の獅子を象った蛇口が設置されており、絶え間なくアーヘンの温泉水が流れています。 かつてアーヘンの温泉水は特別な治癒力があると信じられてきましたが、成分の関係上、現在は 飲用禁止 です。そのため、温度や硫黄の独特のにおいから温泉の雰囲気を楽しむに留めておきましょう。
【基本情報】
- 所在地:Friedrich-Wilhelm-Platz, 52062 Aachen
https://4travel.jp/os_shisetsu/10616469
優雅でラグジュアリーな温泉施設「カロルス・テルメン」
アーヘンでじっくりと温泉を楽しむのにおすすめなのが「カロルス・テルメン(Carolus Thermen)」です。旧市街から少し離れた 市立公園の一角にあり、温泉以外にもサウナやマッサージも体験できる大型リラクゼーション施設 となっています。
施設内の温泉は、ラグジュアリー感バッチリのメインプールや屋外プール、ジェットバスなどスタイルも様々。ミネラルがたっぷり含まれている温泉水は、 リウマチやケガ、皮膚病、関節痛などへの効果が期待 できます。
注意点は水着を着用して入る男女共用の施設である点。 持っていない場合は施設内のショップで購入できますが、自分にピッタリのサイズがあるか不安な場合は持参しましょう。
【基本情報】
- 所在地:Passstraße 79, 52070 Aachen
- 営業時間(通常):9:00〜23:00(最終入場21:30)
- 営業時間(12月24日、1月1日):9:00〜14:00(最終入場21:30)
- 営業時間(12月25日、12月31日):15:00〜23:00(最終入場12:30)
- 入浴料(月曜〜金曜):3.5時間14ユーロ、4.5時間16ユーロ、終日18ユーロ
- 入浴料(土曜・日曜・祝日):3.5時間16ユーロ、4.5時間18ユーロ、終日20ユーロ
- 入浴料+サウナ(月曜〜金曜):3.5時間30ユーロ、4.5時間34ユーロ、終日38ユーロ
- 入浴料+サウナ(土曜・日曜・祝日):3.5時間34ユーロ、4.5時間38ユーロ、終日42ユーロ
- 6歳未満は利用不可
https://carolus-thermen.de/en/home/
観光マップ
https://www.google.com/maps/d/embed?mid=1Ib_2pTNgcDtsYAZvid17Pn89Y4tktXE&hl=ja&ehbc=2E312F
古き良きドイツの魅力が詰まったアーヘンに行ってみよう
古代から温泉地として利用されてきたアーヘンは、ヨーロッパ史の中でも偉大なカール大帝により一層栄えた街です。観光スポットを巡るだけでなく、温泉施設で癒やされるのも良いでしょう。
ぜひこの記事を参考に、自分らしいアーヘンへの旅を計画してみてください。
出典・参考
C.Wakisaka
余暇プランナー
1987年生まれの和歌山県在住のフリーライター、C.Wakisakaと申します。季節の風景・歴史・スイーツが好きで、カメラを持ってよくおでかけしています。関西を中心に一人旅や家族で日帰り旅行をするのが大抵ですが、時には夜行バスを使っての東京への弾丸日帰り旅行も。海外旅行はマカオ・パリ・南ドイツ周遊の経験があり、特にドラクエの雰囲気やメルヘンらしさを感じられるドイツを愛しています。「行ってみたい!」と思える情報を発信できればと思っています。