ダイエットや健康づくり、便秘の予防にも役立つ食物繊維。
食物繊維が多い食べ物といえば、きのこやごぼうなどをイメージするかもしれませんが、ほかにはどのようなものがあるのでしょうか?
今回の記事では「食物繊維が多い食べ物」について、管理栄養士がジャンル別に一覧表で詳しく解説します。
食物繊維が多い食べ物一覧
食物繊維が多い食べ物について、食品のジャンルごとに詳しく紹介します。
野菜の食物繊維量
野菜の中でも、枝豆、ごぼう、ブロッコリー、オクラなどに食物繊維が豊富に含まれます。
野菜には特に「不溶性食物繊維」が多い傾向があり、便秘の予防に役立ちます。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
芋類の食物繊維量
芋類の中では、じゃが芋がトップクラスの含有量です。
下記はすべて「皮なし」の場合の食物繊維の量ですが、じゃが芋やさつま芋は皮つきのまま食べると、さらに食物繊維を補給できます。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
きのこ類の食物繊維量
食物繊維が豊富なイメージのあるきのこ類は、特に生しいたけの含有量がずば抜けて優れています。
きのこ類は特に「不溶性食物繊維」が多いため、便秘に悩む方は積極的に取り入れましょう。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
海藻類の食物繊維量
海藻類は食物繊維の中でも「水溶性食物繊維」が豊富です。
水溶性食物繊維は血糖値やコレステロール対策、腸活に役立つことが知られています。
味付けめかぶやもずくを取り入れたり、わかめたっぷりのみそ汁を食べたりするようにするとよいでしょう。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
豆類の食物繊維量
豆類は「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」をどちらも含んでおり、健康づくりに役立ちます。
手軽に利用できる缶詰やドライパックのものなどを利用すると、豆類の摂取量を増やせるでしょう。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
穀類の食物繊維量
穀類の食物繊維は、精製された白米や小麦に比べ、精製されていないオートミールや玄米に豊富に含まれます。
毎食食べる主食を変えてみると、手軽に食物繊維を増やせるでしょう。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
果物の食物繊維量
果物の中でも、アボカドやブルーベリーは食物繊維の量が豊富です。
果物は「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」のどちらも摂れます。
冷凍フルーツやカットフルーツなども活用して、ぜひ毎日食べるようにしましょう。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
ナッツ類の食物繊維量
ナッツ類は「不溶性食物繊維」のよい補給源となります。
カロリーが高いため食べすぎには注意し、毎日食べる場合は1日20~25g程度を目安に取り入れるようにしましょう。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
コンビニで手に入るもの
コンビニで手軽に手に入るものの中で、食物繊維が豊富なものは下記があります。
・もち麦入りおにぎり
・小麦ふすま(ブラン)を使ったパン
・ドライフルーツ(マンゴーやパイナップルなど)
・ミックスナッツ
・野菜ジュース
・きんぴらごぼう、ひじきの煮物などの惣菜
・カットサラダ
どれも食事やおやつの際に、手軽に食物繊維を補給したいときに役立ってくれます。
ぜひ上手に利用しましょう。
食物繊維の働き
食物繊維とは、ヒトが消化吸収できない食べ物の成分を指します。
昔は「食べ物のカス」として考えられていましたが、近年はさまざまな体によい働きをすることが知られてきており「第6の栄養素」といわれることもあります。
食物繊維は「水溶性」「不溶性」の2つがあり、特徴が下記のとおり異なります。
これらの機能について、続けて詳しく解説します。
便秘予防
食物繊維は2つの機能を持つことから、便秘の予防に役立ちます。
・便の材料となり排便を促す(不溶性食物繊維)
・善玉菌のエサとなり菌数を増やす(水溶性食物繊維)
どちらもバランスよく取り入れることで、便秘を予防し、腸内環境の改善にもつながります。
ダイエット
食物繊維はダイエットにも欠かせない役割があります。
下記は、特に水溶性食物繊維により期待される効果です。
・血糖値がゆっくり上がるため、満腹感が持続しやすい
・余分な糖や脂質を吸着して体外へ排出する
また食物繊維が豊富な野菜、きのこ、海藻類は、カロリーが低くカサがあるため、満腹感を得られやすく、食べすぎを防いでくれるのにも役立ち、ダイエットをサポートしてくれます。
生活習慣病予防
食物繊維は血糖値の上昇を穏やかにしたり、コレステロール値を低下させたりするため、生活習慣病の予防にも役立ちます。
またダイエット効果により内臓脂肪の減少につながると、さらに血糖値やコレステロール値、血圧へのよい効果が期待されます。
食物繊維の摂取量の目安
食物繊維の1日の摂取量の目安は、下記が目標とされています。
【食物繊維の食事摂取基準(1日あたりの目標量)】
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
この目標量は、生活習慣病の予防を目的として決められた量です。
不足により、肥満や生活習慣病のリスクとなることが知られています。
一方で、日本人の平均的な摂取量は不足しがちであり、特に男女とも20~59歳の年代で不足の傾向が強くなっています。
野菜などをあまり食べずに偏った食生活をしている方は、食物繊維が不足しているかもしれません。
のちほど紹介するコツを参考に、しっかりと食物繊維を補給しましょう。
食物繊維の摂りすぎはよくない?
健康によい食物繊維ですが、極端に摂りすぎるのは控えましょう。
食物繊維の過剰摂取によりミネラルの吸収を妨げたり、便秘の原因によってはかえって悪化させたりするなどの影響が出ることがあります。
通常の食生活では摂りすぎの心配はほとんどありませんが、サプリメントや健康食品などにより摂りすぎることがあるため、注意して使うようにしましょう。
食物繊維を上手に増やすコツ
不足しがちな食物繊維を上手に増やすために、次に紹介するコツを実践してみましょう。
主食を変える
主食を白米や食パンなどの精製されたものから、玄米や全粒粉パン、ブランパン、オートミールなどの精製されていないものに変えることで、食物繊維の摂取量を手軽に増やせます。
最近ではコンビニでも、パックに入った玄米ご飯や、ブランパン、オートミールなどが手に入ります。
ぜひ上手に活用しましょう。
間食を工夫する
普段食べている間食を、食物繊維が豊富なものに変えてみるのもよいでしょう。
・干し芋
・ナッツ
・ドライフルーツ
などはコンビニでも手に入り、手軽に取り入れられるのではないでしょうか。
腹持ちもよいため、ダイエット中の間食にもぴったりです。
野菜は温野菜で食べる
食物繊維が豊富な野菜は、生で食べるよりも加熱して食べる方が、カサが減ってたっぷり食べられます。
具だくさんスープ、煮物、おひたしなどのメニューにすると、しっかり食物繊維を補給できるでしょう。
食物繊維が多い食べ物を知って、ダイエットや便秘対策に役立てよう!
今回の記事では「食物繊維が多い食べ物」について、管理栄養士が解説しました。
ダイエットや便秘対策、生活習慣病の予防に欠かせない食物繊維は、食べ物を工夫してたっぷり摂ることが大切です。
コンビニや外食が多くても、メニュー選びを工夫すれば食物繊維は手軽に増やせます。
ぜひ取り組みやすいことからはじめてみましょう。
食物繊維が豊富な食べ物を使ったレシピ3選
食物繊維をたっぷり摂れる、おすすめのレシピ3つを紹介します。
ごぼうとこんにゃくの煮物
食物繊維が豊富なごぼうとこんにゃくの煮物です。
作り置きもできるため、食事に手軽に食物繊維をプラスできます。
ごぼうとこんにゃくの煮物
ごぼう、こんにゃく、○めんつゆ(3倍濃縮)、○酒、赤唐辛子(輪切り)、ごま油
調理時間:20分
豆腐とアボカドの塩昆布あえ
食物繊維たっぷりのアボカドは、塩昆布で和えるとご飯にも合うメニューになります。
作ってしばらくおいておくと、味がなじんでさらにおいしくなりますよ。
豆腐とアボカドの塩昆布あえ
豆腐(木綿)、アボカド、塩昆布、しょうゆ、白いりごま、ごま油
調理時間:15分
こんにゃくとしいたけのオイスターソース煮
きのこの中でも食物繊維が多いしいたけと、こんにゃくをあわせた煮物です。
オイスターソースが意外にもマッチして、しっかり味なのでお弁当にもぴったりです。
こんにゃくとしいたけのオイスターソース煮
しいたけ、こんにゃく、小ねぎ(あれば)、○しょうゆ、○酒、○オイスターソース、○鶏ガラスープの素、ごま油
調理時間:20分