健康によいイメージのある小豆は、毎日食べることでうれしい効果がたくさん期待できます。
具体的な効果や注意点、取り入れ方を知っておき、効果的に小豆を取り入れましょう!
今回の記事では「小豆を毎日食べる効果」について、管理栄養士が解説します。
小豆を毎日食べる効果は?
小豆を毎日食べることで、血圧や血中コレステロール値を下げる健康効果、むくみ解消や美肌づくりなどの美容効果、便秘やダイエットへの効果など、さまざまな効果が期待されます。
小豆に含まれる水溶性の栄養素や成分は、たくさん摂っても尿や汗として排出されてしまうため、毎日摂ることが大切です。
毎日食べることで期待される効果について、もう少し詳しく見てみましょう。
血圧を下げる
小豆に含まれるカリウムを摂ることで、血圧を下げてくれ高血圧の予防に役立ちます。
カリウムはいわゆる利尿作用のある栄養素です。余分な塩分(ナトリウム)とともに水分を排出してくれるため、血圧を下げてくれます。
血中コレステロール値を低下させる
小豆に含まれる食物繊維は、余分な脂質を排出したり、コレステロールから作られる胆汁酸の排出を促したりして、血中コレステロール値の低下を助けてくれます。
また小豆に含まれるサポニンも、血中コレステロール値を低下させる働きがあるのではないかと研究が進んでいます。
便秘を防ぐ
小豆は食物繊維が豊富であり、便秘の予防に役立ちます。
便秘の原因は、食物繊維の不足や腸内環境の乱れなどです。
小豆から食物繊維をたっぷり摂ることで、排便をスムーズにし、腸内で善玉菌が活動しやすい環境を作ってくれます。
ダイエット効果
小豆を上手に取り入れると、ダイエット効果も期待できます。
小豆は食物繊維たっぷりで満腹感が続きやすいため、食事や間食のとりすぎ予防になります。
空腹感を我慢しすぎず、無理なくダイエットできるでしょう。
むくみ解消
小豆に含まれるカリウムには利尿作用があるため、むくみも解消してくれます。
むくんだ状態が続くと血流も滞りやすく、冷えなどの不調につながることもあります。
塩分を摂りすぎるとむくみにつながりやすいため、塩分を控えるとともに小豆などからカリウムをたっぷり摂りましょう。
美肌をつくる
小豆に含まれるポリフェノールは、美肌づくりをサポートしてくれます。
ポリフェノールは抗酸化作用を持ち、細胞にダメージを与える活性酸素を除去してくれます。
小豆を毎日食べると太る効果はある?【カロリーと糖質】
さまざまな効果が期待される小豆ですが、太るイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
たしかに砂糖の入った甘い小豆はカロリーが高いため注意が必要ですが、甘くない小豆であれば、太る心配を減らせます。
実際にどのくらいカロリーと糖質の量が違うのか、100gあたりを比較してみましょう。
小豆を茹でただけの「茹で小豆」のカロリーは124kcal、糖質は16.5gです。
砂糖入りの「茹で小豆缶詰」のカロリーは202kcal、糖質は44.9gです。
砂糖入りのカロリーは約1.6倍にもなっており、おにぎり約1.3個分のカロリーに相当します。
健康づくりに取り入れるなら、甘くない小豆、または甘さ控えめの小豆を取り入れるようにしましょう。
小豆の効果的な食べ方【毎日食べるなら茹で小豆を1日60gまで】
小豆を健康づくりに取り入れるための取り入れ方のポイントを解説します。
砂糖なしの「茹で小豆」にする
繰り返しになりますが、砂糖なしの茹で小豆を取り入れるようにしましょう。
甘い小豆をたくさん食べて糖質を摂りすぎると、太る原因や糖尿病などの病気のリスクになることがあり、かえって健康に影響してしまうこともあります。
「砂糖なしはおいしくないのでは?」と思うかもしれませんが、ご飯やおかゆに混ぜる、サラダのトッピングに使う、スープに入れるなど、さまざまな料理に活躍してくれます。
もし甘くする場合は、手作りで甘さを控えめにするのもよいですね。
砂糖なしの茹で小豆の作り方や詳しい食べ方は、のちほど詳しく解説します。
1日茹で小豆60gまでを目安にする
小豆の量は、特に決まった目安があるわけではありませんが、茹で小豆を1日60g(乾燥した小豆なら25g)をひとつの目安にするのもよいでしょう。
60gとは74kcalほどです。
これは、カロリーコントロールしたいときにも役立つ「糖尿病食事療法のための食品交換表」を参考にした量です。
砂糖なしでも小豆は糖質が多いため、間食を控えたりバランスのよい食事を心がけたりして、小豆以外の食生活にも気を配るようにしましょう。
※参照:文光堂 日本糖尿病学会編「糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版」
茹で汁(小豆水・小豆茶)も活用する
小豆を取り入れる際は、茹で汁も忘れずに活用しましょう。
茹で汁は小豆水、小豆茶とも呼ばれています。
小豆に含まれる栄養素や成分は、多くが水溶性であり、茹でる際に流れて出てしまいます。
そのため、茹で汁には栄養たっぷりなのです。
具体的には、カリウムやサポニン、ポリフェノールなどがたっぷりと溶け出ています。
茹で汁をそのまま飲むのはもちろん、ご飯と一緒に炊いて赤飯風にする、スープの煮汁にする、また牛乳や豆乳で割って飲むなどのさまざまな活用法があります。
また茹で汁なら、カロリーや糖質の心配も少ないため、毎日続けて取り入れやすいのも安心な点です。
ぜひ捨てずに活用しましょう。
小豆を毎日食べるデメリット【メリット効果だけじゃない?】
小豆を毎日食べるメリットを紹介しましたが、反対に心配するようなデメリットはないのでしょうか?
適量であれば毎日食べても問題ありませんが、たくさんの量を長期的に食べることで、下記のデメリットを起こす可能性があります。
・カロリーオーバーにより太る
・消化に負担がかかり、お腹の調子を崩す
・ほかの栄養素の吸収を妨げる
小豆は野菜などに比べると食物繊維が豊富です。
消化の負担になりやすく、ほかの栄養素の吸収を妨げて、体の調子に影響してしまう場合も考えられます。
くれぐれも食べすぎには注意し、自分に合った適量を取り入れるように心がけましょう。
小豆に関する疑問【効果的に毎日食べるには】
いざ小豆を取り入れようと思った際、さまざまな疑問が出てくるかと思います。
ここでは解決のヒントを解説します。
市販の茹で小豆でも大丈夫?
市販の茹で小豆でも問題ありません。
原材料名を見て、なるべく砂糖が入っていないものを選びましょう。
甘いあんこはやっぱりダメなの?
洋菓子に比べると「あんこ」はヘルシーな印象があり、健康づくりに役立つのではないかと考える方もいらっしゃるでしょう。
確かに和菓子は洋菓子に比べると脂質の量が少ないのですが、その分糖質の量が多い傾向があります。
あんこを毎日たっぷり食べると糖質を摂りすぎにつながるため、やはり砂糖なしの小豆の方がよいでしょう。
もし甘い小豆を取り入れたい場合は、甘さ控えめなものを手作りする、カロリーオフの甘味料を使って手作りするなどの工夫をしてみてくださいね。
簡単な茹で小豆の作り方【効果的に毎日食べるために】
茹で小豆を手作りすると、簡単に砂糖なしの小豆を用意できるだけでなく、茹で汁も一緒に作れます。
簡単な作り方を紹介します。
・ボウルなどに小豆を入れ、たっぷりの水で洗う
・鍋に小豆とたっぷりの水を入れて火にかけ、沸騰したら湯を捨てる
・再び鍋にたっぷりの水を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にし40~50分煮る
・指でつぶれるくらいやわらかくなったら、フタをして30分蒸らす
一度お湯を捨てるのは「渋切り」といい、アク抜きのために行います。
通常は2~3回行いますが、茹で汁の栄養を摂りたいため、1回のみ行っています。
茹でた小豆は冷凍保存も可能です。
冷まして冷凍用保存袋に入れて冷凍すれば、1ヶ月ほど保存できます。
冷蔵保存する場合は、2~3日を目安に早めに食べ切りましょう。
毎日食べる!茹で小豆を効果的に使ったおすすめメニュー
砂糖なしの茹で小豆を使った、メニューのアイデアをご紹介します。
炊飯器で赤飯風
もち米ではなく白米で赤飯を作れば、簡単に作れて毎日の食事にも取り入れやすくなります。
作り方は簡単で、白米の水加減を小豆の茹で汁で行い、その上に茹で小豆を載せて炊くだけです。
まとめて炊いて冷凍保存しておくと、手軽に取り入れられますよ。
小豆がゆ
小豆がゆは少量でもお腹いっぱいになりやすく、ダイエット中にもおすすめです。
作り方は、普通のおかゆの作り方と同じで、水の代わりに茹で汁を使い、小豆を一緒に煮込むだけです。
塩やしょうゆなど、お好みで味付けしましょう。
サラダ
小豆はミックスビーンズのようにサラダにも使えます
生野菜サラダのトッピングにしたり、マリネのようにしたり。
小豆のやさしい風味とドレッシングの相性はとてもよいので、ぜひ試してみてくださいね。
スープ
小豆をスープに取り入れるなら、ミネストローネのようなトマトスープにするのがおすすめです。
小豆の風味とトマトの酸味がとてもよく合います。
茹で汁を煮汁として使うことで、栄養もたっぷりと摂れますよ。
煮物
かぼちゃと一緒に煮物にすれば、定番「かぼちゃのいとこ煮」になります。
かぼちゃの甘みがあるため、甘さ控えめでもおいしく作れますよ。
スイーツ
小豆を使ったスイーツは、甘さ控えめにしたり、カロリーゼロの甘味料などを利用したりすると、太る心配を減らせます。
甘さ控えめのあんこ、ようかん、ぜんざい、ゼリーなどを手作りし、ダイエット中の間食として取り入れるのもよいでしょう。
小豆を毎日食べる効果はすごかった!
今回の記事では「小豆を毎日食べる効果」について、管理栄養士が解説しました。
小豆はイメージのとおり、健康や美容、ダイエットなどさまざまな効果が期待できます。
くれぐれも食べすぎや砂糖のとりすぎには注意して、上手に小豆を活用してくださいね。