しじみの砂抜きに失敗すると、噛んだときに「ジャリ」っとイヤな気分になることも。
砂抜きの方法は、1%塩水、0.3%塩水、真水がありますが、いったいどれが正解なのでしょうか?
また時短テクがあるのかどうかも気になりますよね。
今回の記事では「しじみの砂抜きのやり方」を解説し「どれがきちんと砂が抜けたか?」を検証していきます!
しじみの砂抜き。基本は「0.3%塩水で3〜5時間」が正解!
しじみの砂抜きは、0.3%の塩水につけて、3〜5時間ほどが正しいやり方です。
しじみが生息しているのは汽水域といい、海水と淡水が混ざったところです。
この塩分濃度と同じにすることで、しじみがよく砂を吐き、また浸透圧によってしじみのうまみが抜けるのを防いでくれます。
0.3%の塩水とは、水600mlに対し塩2g(小さじ1/3)が目安です。
また、長時間塩水につけると、うまみが抜けてしまうことが知られているため、3〜5時間(夏は3〜4時間、冬は4〜5時間)で終了するのがベストです。
もし前日に砂抜きするなど調理までの時間が空く場合は、砂抜きしたあと塩水から取り出し、冷蔵庫で保存しましょう。
しじみの砂抜きのやり方
それでは早速、しじみの砂抜きのやり方を紹介します。
<準備するもの>
・しじみ
・水(今回は600ml)
・塩(今回は2g)
・ザル
・ボウル
・新聞紙(アルミホイルでも可)
<やり方>
1.ボウルに水と塩を入れ、よくかき混ぜて溶かす。(水600mlに対し塩2g(小さじ1/3)が目安。)
2.重ならないようにしじみをザルに入れ、ザルごとボウルに入った塩水につける。
3.新聞紙やアルミホイルなどでフタをする。空気が通るよう、端を開けておく。
4.夏は3〜4時間、冬は4〜5時間経ったら、しじみを取り出す。
<ポイント>
・しじみをザルに入れることで砂が下に落ち、しじみが砂を吸ってしまうのを防ぎます。
・暗い状態の方がしじみがよく砂を吐くため、フタをしましょう。
真水で砂抜きするのはNG?
しじみの砂抜きは、真水でも可能です。
しかし、砂は抜けるものの、浸透圧によりうまみが流れ出てしまいます。
後ほど検証結果でもお伝えしますが、味がぼやけてしまい、しじみのおいしさが損なわれてしまいます。
ぜひ塩水で行いましょう。
注意!淡水に生息するマシジミは真水で砂抜きが必要
しじみの中でも「マシジミ」の場合は、淡水に生息しているため、真水の方が適しています。
やり方は先ほど紹介した塩水の手順と同じで、塩を加えない状態で砂抜きすればOKです。
しかし、日本で流通している99%は汽水域に生息するしじみ(ヤマトシジミ)であるため、基本的には塩水と覚えておきましょう。
【時短】しじみはぬるま湯につけると5分で砂抜きできる!?
しじみをすぐに調理したいときは、時短テクニックを試してみましょう。
方法は、50度のぬるま湯に5分つけるだけです。
お湯につけてしじみにショックを与えることで、素早く汚れや砂を吐き出してくれると考えられています。
うまみが抜けやすいデメリットはありますが、とにかくすぐに使いたいときは試してみてください。
<やり方>
1.ボウルに50度のぬるま湯を用意する。(温度計がないときは、熱湯と水道水を半分ずつ入れると50度くらいになる。給湯器で温度調整してもよい。)
2.重ならないようにしじみをザルに入れ、ザルごとボウルに入ったぬるま湯につける。
3.すぐにしじみが砂を吐き出す。5分ほどで取り出す。
<ポイント>
・フタはかぶせなくてOKです。
しじみの砂抜き4パターンを検証!きちんと&おいしく砂抜きできたのはどれ?
しじみの砂抜きは0.3%塩水につける方法をおすすめしましたが、実際やり方によって「砂の抜け具合」と「おいしさ」はどのように変わるのでしょうか?
今回、まったく砂抜きされていないしじみを用意し、以下の4パターンで砂抜きをしました。
・1%塩水
・0.3%塩水
・真水
・ぬるま湯
砂抜きを行った後は、酒蒸しにしてシンプルに食べました。
それでは「砂の抜け具合」と「おいしさ」がどうだったのか、見てみましょう。
砂の抜け具合は「0.3%塩水」と「真水」がベスト!
4パターンの砂抜きは、それぞれしじみを15個使って行いました。
15個中いくつ砂が残っていたか、まとめてみました。
【15個中の砂があった個数】
・1%塩水:7個
・0.3%塩水:1個
・真水:1個
・ぬるま湯:6個
「0.3%塩水」と「真水」で砂抜きしたものは、砂が入っていたのは1個だけでした!
ストレスなく食べられました。
一方「1%塩水」は7個で「ぬるま湯」は6個という結果に。
もしかすると偶然、砂が入っていたしじみが偏っていた可能性もありますが、偶然にしては砂が残りすぎている印象です。
これは推測ですが「1%塩水」は、塩分濃度が高すぎることでしじみがうまく砂を吐けないのではないか、また「ぬるま湯」は砂を吐ききる前に、しじみが息絶えてしまったのかもしれない、と思いました。
おいしさは「0.3%塩水」がベスト!
「0.3%塩水」で砂抜きしたしじみが一番おいしく感じました。
個人的な感想ですが、おいしさに関してまとめると下記のとおりです。
・1%塩水:うまみは感じるが、砂が多すぎることで食べていてストレスを感じた
・0.3%塩水:うまみを感じられた
・真水:味がぼやけてしまっていた
・ぬるま湯:うまみが少し抜けている印象だった
「1%塩水」につけることでしじみのうまみが増すという情報を見かけたのですが、確かに味はおいしく感じましたが、それ以上に砂が抜けていないことにストレスを感じました。
今回砂が残ってしまったのは偶然かもしれませんが、もうやりたくないと思ってしまいました。
「真水」と「ぬるま湯」はしじみの味がぼやけて、うまみが抜けてしまっています。
「ぬるま湯」は水につける時間が短いためか「真水」に比べるとうまみが抜けていない印象ですが、こちらも砂が残りすぎていて、残念に思いました。
やはり「0.3%塩水」で砂抜きするのが正解!
検証の結果から、きちんと砂が抜け、味もおいしいのは「0.3%塩水」で砂抜きするやり方ということがわかりました。
しかし今回、魚屋さんにお願いして、まったく砂抜きされていないしじみを購入したため、こんなに砂が残ってしまったのかもしれません。
魚屋さんによると、販売されているしじみは、ほとんどが砂抜きされているとのことでした。
「1%塩水」と「ぬるま湯」でも、もともと砂が残っていなければ、しっかり砂抜きできるかもしれません。
しじみは0.3%塩水で砂抜きしよう!
今回の記事では「しじみの砂抜きのやり方」について、管理栄養士が解説しました。
しじみの砂抜きは、0.3%の塩水で3〜5時間行いましょう。
正しいやり方でおいしく砂抜きし、しじみ汁や味噌汁、酒蒸しなど、さまざまな料理を楽しんでくださいね。