毎日のお料理で活躍する鍋やフライパン。
料理の後、かんたんに洗ってはいるものの、頑固な焦げがこびりついてしまっている…。そのまま使い続けていいたら、さらに頑固な焦げになってしまった、なんてことありませんか?
今回の記事では、家事プロが「鍋・フライパンの焦げの落とし方と防ぎ方」について解説します。
素材別!鍋・フライパンの焦げの落とし方
鍋やフライパンには、様々な素材があり、それぞれにあった焦げの落とし方があります。
まずは、一般的な鍋・フライパンの種類と特性をチェックしましょう。
鍋・フライパンの素材7選
一般的な鍋やフライパンには、下記のように7種類の素材があります。
また、これらの材質にテフロン加工などを施し、食材をひっつきにくくさせる表面加工のものも多くあります。
- 鉄
- 銅
- アルミニウム
- ステンレス
- チタン
- ガラス
- ホーロー
- 土(鍋のみ)
それぞれの素材の特徴を見ていきましょう。
鉄
鉄は、強い火力の耐久性もあるので、高温加熱調理に向いている素材です。
とても重いのですが、丈夫なので、金だわしでゴシゴシ洗ってもOK。
ただし、水分が残ったまま保管すると、すぐに錆びが発生してしまいます。
油を馴染ませて、錆びを防ぐためにも、毎回使用後に手入れが必要となります。
銅
銅は、熱伝導が非常によく、素早く均等に熱が伝わるという特徴があります。
その特性を生かして、卵焼き用の銅フライパンもよく見かけます。
鉄に比べて錆びに強い素材です。
ただし、柔らかな金属なので、傷がつきやすく、落としたりすると変形しやすい素材です。
また、重曹を使うと変色する恐れがあるので使用はNGです。
アルミニウム
アルミニウムは、軽さが特徴の素材です。
熱伝導もよく手入れが簡単ですが、油馴染みがあまりよくないので、食材がくっつきやすく、焦げやすいのがデメリット。
銅と同じく、重曹などのアルカリ性のクリーナーを使うと、変色や劣化の恐れがあるので使うことはNG。
ステンレス
ステンレスはとにかく軽めで丈夫。
サビに強く、汚れにも強いので扱いやすい素材です。
扱い方をあやまると、すぐに焦げが付くこともあります。
冷めにくい性質をもっているので、余熱調理に適してます。
ホーロー
ホーローは、金属製の材質をベースに、表面にガラス質を焼き付けてコーティングしている素材です。
ニオイもつきにくく、保温性も抜群なので、煮込み料理などの調理に向いていてます。
表面が薄いガラスなので、急激な温度変化に弱く、衝撃にも弱いので、落としてしまうとコーティングがひび割れてしまうこともあります。
空焚きは、ひび割れの原因となるので禁止です。
使い方に悩んだら、ガラスだと思って取り扱ってみるとよいでしょう。
焦げつきを落とす時は、表面の傷がつきやすいので、スチールタワシや金属ヘラでゴシゴシ擦ったり、クレンザーなどの磨き粉は、NGですよ。
土鍋やガラスにも同じことがいえます。
土
土でできた陶器、土鍋のことです。
熱を溜め込め、ゆっくりと熱が伝わるのが特徴です。
陶器なので、ホーローと同じく、割れやすく急激な温度変化にも弱いので、空焚きや油炒めなどは向いていません。
そういう特性なので、フライパンは、ありません。
焦げつき、シミもできやすい素材です。
また、洗う時は、熱いうちに冷たい水を使うと、ひび割れの原因になります。
ガラス
ガラス製のフライパンや鍋は、保温性が高く、耐熱ガラスでできています。
直火もオーブンもレンジも可能でマルチで活躍できるのが特徴です。
ただし、やはりガラスなので割れるリスクがあります。
直火で高温にしたものを、水で急速に冷やすのはNG。
焦げやすいですが、汚れが見えやすいので、きれいに掃除しやすいとの声が多くあります。
チタン
チタンは、今あげている素材の中でも1番耐熱性にすぐれています。
そして、軽くて、丈夫で頑丈。
ただし、強熱伝導性が悪いので、焼きムラがでやすく、温まるまでに時間がかかります。
火が当たっているところだけ焦げ付きやすくなることも。
ティファールなど、表面にチタンコーティングされているものもあります。
頑丈で、錆びにくいので、金属たわしでゴシゴシ擦ってもOKです。
表面加工
テフロン、フッ素樹脂、セラミック、ダイヤモンド、チタンコートといった「表面加工」があります。
加工のおかげで、焦げつきや、こびりつきを防いでくれる優れもの。
そのため、基本、水を沸騰させるだけで、焦げを落とすことができます。
使いやすいのですが、耐久性があまりよくなく、使用寿命が短いことがデメリットです。
また、強火に弱く、ゴシゴシ擦ることはNGです。
それぞれの素材にあった焦げの落とし方
鍋・フライパンは、それぞれ素材によって、おすすめの焦げの落とし方は変わってきます。
下記の表で、おすすめの焦げの落とし方を参考にしてください。
鍋・フライパンの焦げの落とし方5選
上記で記載した焦げの落とし方の方法をご紹介します。
天日干し
天日干しは、日光に焦げを当てることで、焦げをさらに炭化させ、しっかり硬く乾かして、こすり落とす方法です。
【焦げ取り方法:天日干し】
- 良い天気が続く日に、日当たりの良い場所に置く
- そのまま1週間くらい放置して乾かす
- 木べらや割り箸を使って焦げを擦って落とす
どのタイプのものでもOKな方法です。
天気の悪い日に行うと乾燥しにくいので、晴れた日を狙いましょう。
干している間は料理に使えないので、代用できるものがなければ難しいのが難点。
どの方法でやっても落ちない時は、ぜひ、天日干しを試してみましょう。
水だけ
水だけで焦げを取る方法は、テフロン加工などの表面コーティングのものや、銅に向いています。
【焦げ落とし方法:水だけ】
- 水を沸騰させて10〜15分ほど煮詰めて焦げを柔らかくする
- 煮詰めた後、半日くらい放置
- スポンジやゴムベラなど、表面に傷かつきにくいものでこすり落とす
コーティング加工のものは強火に弱いので、中火にかけます。
水だけで落ちないときは、中性洗剤やクエン酸などのクリーナーを使っていきましょう。
空焚き
空焚きで焦げ落としができるのは、鉄のみです。
他の素材は、変形したり、ヒビ割れる恐れがあるので使用できません。
空焚きは、焦げを焼ききって「炭化」させて焦げをとるので、天日干しを倍速でやっているイメージです。
【焦げ落とし方法:空焚き】
- 鍋を水で洗う
- 汚れがひどいときは、まずは水で煮沸させてブラシで擦って汚れを落とす
- 表面から煙がでるまで、空焚きをする
- 水をかけながら、金属たわしなどで焦げを落とす
- 焦げが取れたら、表面に薄く油を塗って、再度、空焚きをして油を馴染ませる
空焚きは、鉄が大変熱くなるので、火傷にくれぐれも注意してくださいね。
重曹
アルカリ性の重曹は、水と一緒に煮沸させることで、酸性の油汚れなどの焦げを中和させ、発泡作用で、こびりつきを剥がしてくれます。
【焦げ落とし方法:重曹】
- 焦げをとりたいフライパン、鍋に水を張る
- 外側の焦げも落としたいのであれば、つかることができる大きな鍋に水を入れて、その中に焦げ落としの鍋をいれる
- 水1Lに対し大さじ5杯目安で重曹を入れる
- 火にかけて、中火で10分くらい煮沸させる
- 数時間放置して冷ます
- スポンジで擦って落とす
フライパン、鍋の裏側など煮沸できない時や、なかなか落ちない焦げには?
重曹は、研磨作用があるので、重曹ペーストを作って、擦ってましょう
◇重曹ペーストの作り方
湯1:重曹2の割合で混ぜ、ペースト上になったら出来上がり
【焦げ落とし方法:重曹ペースト】
- 焦げ部分に重曹ペーストを塗る
- 乾燥しないようにラップで湿布をして、1時間以上放置
- 汚れをスポンジでこすり落としながら、重曹ペーストを洗い流す
銅とアルミ素材は、化学反応を起こし変色して劣化してしまうので、重曹は使わないでください。
ホーローやテフロンなどの表面加工のものなどの傷つきやすいものは、柔らかいスポンジやゴムベラを使いましょう。
表面を傷つけてしまうと、余計に焦げ付きやすくなってしまうので、注意が必要です。
クエン酸(お酢)
実は、焦げにも酸性とアルカリ性があります。
重曹で取れなかった焦げは、クエン酸も使ってみると取れることも。
肉や油汚れは酸性、野菜などの汚れはアルカリ性だからです。
ただし、上記で述べている通り、鉄は、酸で錆びやすいので、短時間なら大丈夫ですが、クエン酸は使わないほうが無難でしょう。
【焦げ落とし方法:クエン酸】
- 重曹と同じ方法で進めてください。
スポンジについて
あまりオススメはしませんが、擦るときにメラミンスポンジを使うと、焦げが落としやすくなります。
細かな傷がついてもよい外側などに使ってみましょう。
表面加工のものは、加工が剥がれてしまうので、使わないでください。
100円ショップでは、焦げ落とし専用のアイテムが多数売っていますよ!
焦げの落とし方とあわせて知りたい!鍋やフライパンの正しい使い方
なぜ、焦げが取れにくくなるのかというと、料理のときに、使用した油や食材が炭化するためです。
それを放置した結果、焦げが積み重なっていき、頑固な焦げになってしまいます。
鍋やフライパンを使うとき、焦げつかないようにするにはどんなことに注意すれば良いかご紹介しましょう。
鍋の場合
鍋が、焦げてしまう原因はいくつかあります。
煮込む料理に使われることが多い鍋。
長時間強火にかけていると焦げ付きやすくなります。
できるだけ弱火〜中火を心がけ、火にかけている間は定期的に底からかき混ぜることが大切です。
また、油の量が足りないと、料理が鍋にくっつき、焦げついてしまう原因に。
しっかりと予熱をして、適度な油を使っていきましょう。
水分が残ったまま火にかけることも焦げの原因になります。
フライパンの場合
油や予熱不足だったり、火力が強すぎることなど、鍋と同様の原因があげられます。
また、テフロン加工などフライパンは、表面が傷ついて劣化していたり、前についた焦げなどの汚れが落ちきってないと、その場所がさらに焦げ付きやすくなります。
フライパンを使用するときは、しっかりとフライパン全体が均等に温まってから料理をし、使い終わったら、汚れを残さないようにしましょう。
鍋・フライパンは焦げの落とし方や正しい使い方を知れば長持ち!
今回の記事では、家事プロが「鍋・フライパンの焦げの落とし方と防ぎ方」について解説しました!
長い間、焦げを放置したまま使い続けると、なかなか取れない厄介な汚れになります。
焦げがついたと気がついたら、正しい方法で早めに落として、鍋、フライパンをできるだけ長持ちできるように使っていきましょう。