ほうれん草の鮮度をキープしたまま冷蔵保存するには、キッチンペーパーで包むのがコツです。
しかし、キッチンペーパーは「濡らして使うのがよい」といわれることもあれば、「そのままでよい」と紹介されることもあります。
どちらが正しいのか気になりますよね。
今回の記事では、「ほうれん草の最適な保存方法」について、管理栄養士が検証を行いました。
冷蔵保存よりも長持ちしやすい”冷凍保存”についても解説します!
ほうれん草の保存は常温より冷蔵・冷凍
ほうれん草は傷みやすいため、常温では1日から2日程度しかもちません。
そのため、ほうれん草は冷蔵か冷凍で保存するのが適しています。
冷蔵での保存期間は約1週間、冷凍での保存期間は約1ヶ月といわれています。
食べるペースや、保存スペース、下処理の手間なども考えながら、冷蔵・冷凍を上手に使い分けましょう。
ほうれん草の冷蔵保存は「キッチンペーパーで包んで立てる」が正解!
購入時の袋のまま保存するのもよいですが、保存前にひと手間加えたほうが、ほうれん草の持ちがグッとよくなります。
冷蔵保存の手順【保存期間:約1週間】
1. 傷んだものがあれば取り除く
ほうれん草を袋から取り出し、傷んだ部分があれば取り除いておきます。
2. キッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れる
全体をキッチンペーパーで包みます。ポリ袋に入れたら、軽く口を閉じましょう。
3. 冷蔵庫に移し、立てた状態で保存する
ほうれん草は横にして保存すると葉が潰れ、負荷がかかる部分から傷みやすくなってしまいます。
そのため、できるだけ立てて保存しましょう。
ペットボトル・牛乳パックを切ったものや専用のグッズなど、深さのある容器を使うと、立てた状態をキープしやすくなりますよ。
立てて保存できない場合には、できるだけ早めに食べきるか、冷凍保存を活用しましょう。
保存スペースに向いているのは野菜室より冷蔵室
ほうれん草の保存に適した温度は0℃といわれています。
そのため本来は、野菜室より温度の低い冷蔵室やチルド室での保存がピッタリです。
しかし冷蔵室でほうれん草を立てるには、縦に長いスペースが必要です。
そのため実際には、冷蔵室でほうれん草を保存するのは難しいかもしれません。
冷蔵室のスペースに余裕があれば冷蔵室で、難しければ野菜室でほうれん草を保存しましょう。
※参照:農研機構「野菜の最適貯蔵条件」
【検証】ほうれん草の保存時に使うキッチンペーパーはそのまま?濡らす?
上記で紹介したように、冷蔵保存するときはキッチンペーパーで包むのがポイントです。
しかし、メディアで紹介されている保存方法を調べると、キッチンペーパーをそのまま使う方法と、濡らす方法のどちらも見かけます。
ほうれん草のみずみずしさをよりキープできるのはどちらの方法なのでしょうか?
実際に試してみました!
今回検証した方法は、以下の3パターンです。
・購入時の袋のまま保存したほうれん草
・乾いたキッチンペーパーで包んだほうれん草
・濡らしたキッチンペーパーで包んだほうれん草
いずれも野菜室に立てて保存しました。
1週間後の様子
3つの方法で、ほうれん草を1週間冷蔵保存しました。
どのような変化がみられたか、ここから写真で確認していきます。
購入時の袋のまま保存したほうれん草
全体的にしなっとした印象です。葉先が溶けているものも目立ちました。
購入した袋のまま保存するときは、1週間経たないうちに使い切るのがよさそうです。
乾いたキッチンペーパーで包んだほうれん草
包むのに使用したキッチンペーパーは、ほうれん草の水分を吸って濡れていました。
ほうれん草は葉先がややくたびれているものもみられましたが、根元はパリッとしています。
濡らしたキッチンペーパーで包んだほうれん草
濡らしたキッチンペーパーで包んだほうれん草も、何もせずに保存したものよりシャキッととした見た目のままです。
写真ではわかりにくいですが、乾いたキッチンペーパーを使ったものより根元はしんなりとしています。
キッチンペーパーは濡らさないのが長持ち
今回比較した結果、乾いたキッチンペーパーで包んだほうれん草が最もシャキッとした状態を保ってくれました。
保存中にほうれん草から出てきた水分をキッチンペーパーが吸い取り、適度な湿り気をキープしてくれたためだと考えられます。
濡らしたキッチンペーパーでは水分が多すぎたようです。
乾いたキッチンペーパーで包んだほうれん草よりも、ややしなびた印象でした。
しかし、どちらの方法でも、購入直後のほうれん草と比べれば葉先がしんなりとしてしまいました。
1週間で使い切れない場合には、次に紹介する冷凍保存を活用してみるのがよいでしょう。
ほうれん草の冷凍保存は「茹でてから」がおすすめ
ほうれん草は上手に冷凍保存すれば1ヶ月ほど日持ちします。
購入後すぐに使わないときや、冷蔵室・野菜室に余裕がないときは、冷凍保存がおすすめです。
ほうれん草は茹でてから保存すると、調理のときにアク抜きの手間が省けるのが嬉しいポイント。
また、ビタミンの損失も抑えられるため、栄養をムダなく摂れるのもメリットです。
冷凍保存の手順(茹でてから冷凍保存する方法)【保存期間:約1ヶ月】
1. ほうれん草を洗う
根元に十字の切り込みを入れます。根元は茎と茎をやさしく広げ、流水でしっかりと洗いましょう。葉先はボウルに張った水の中で振り洗いします。
2. 洗ったほうれん草を塩ゆでし、冷水につける
鍋にお湯を沸かし、塩を加えます。
ほうれん草1束(約200g)に対し、水は2リットル、塩大さじ1/2が目安です。
同時に冷水を貯めたボウルも用意しておきましょう。
先に根元をお湯の中に入れ30秒~1分ほど待ちます。
続けて葉先まで沈め、さらに1~2分ほど茹でましょう。
通常よりかために茹で上げ、冷水にとります。
3. 水気をしぼり、3~4㎝ほどに切る
ほうれん草のあら熱が取れたらギュッと水気をしぼり、使いやすい長さに切りましょう。
4. ラップで小分けにし、金属トレイの上で冷凍する
素早く冷凍するために金属トレイを使用します。
ほうれん草は1回量ごとにラップで包み、金属トレイに並べて冷凍庫で凍らせましょう。
5. 冷凍用保存袋に移し替えて冷凍庫に入れる
冷凍庫のにおい移りを防ぐため、金属トレイで凍らせたほうれん草はまとめて冷凍用保存袋に移し替え、保存しましょう。
今回は茹でてから冷凍する方法を紹介しましたが、茹でずに冷凍しても、保存期間は同じく1ヶ月程度です。
解凍後にアク抜きする手間はありますが、カットして冷凍用保存袋に入れるだけなのでとてもお手軽です。
生のまま冷凍保存したい場合は、以下の記事の方法を参考にしてみてください。
こちらの記事では冷凍ほうれん草を使ったレシピも紹介しています。
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解凍方法
基本的には、凍ったまま調理に使います。スープや炒め物などにおすすめです。
お浸しや和え物にするときは、冷蔵室に移して自然解凍するか、電子レンジで加熱解凍するとよいでしょう。
ほうれん草の保存は、乾いたキッチンペーパーで包んで冷蔵か茹でてから冷凍が正解◎
今回の記事では、「ほうれん草の最適な保存方法」について検証と解説を行いました。
『ほうれん草は乾いたキッチンペーパーで保存するのが最適』という結論となります。
ほうれん草は比較的傷みやすい野菜です。
すぐに使い切れないときは、かしこく冷蔵・冷凍保存をして、ムダのないようにしましょう。
冷蔵保存のときは乾いたキッチンペーパーを使うのが日持ちのポイントです。ぜひ今回紹介した方法を試してみてくださいね。