腸内環境を整えるには、毎日摂取する食べ物選びがとても大切です。
お腹によい食べ物というとヨーグルトのイメージがありますが、それ以外にはどのような食べ物があるのでしょうか?
また、食べ物以外にも気をつけるべきNGな食べ方があるため、チェックしてみましょう。
今回の記事では、腸内環境を整えるための「食べ物」や「NGな食べ方」について、管理栄養士が解説します。
やってない?NGな食べ方【お腹の張りを腸内環境を整える食べ物で対策】
腸内環境を整える食べ物をいくらとっても、NGな食べ方を続けていれば効果が薄れてしまいます。
まずは見直すべきNGな食べ方をチェックしておきましょう。
魚より肉が多い
魚より肉を食べる回数が多いなど、肉類が中心の食生活では、たんぱく質や脂質の摂りすぎにつながります。
たんぱく質や脂質は腸内で悪玉菌を増やす原因となり、便秘やお腹の張り、ガスがたまるなどの不快な症状を引き起こします。
毎日肉ばかりという方は、魚を意識して取り入れましょう。
主食をとらない
糖質制限やダイエットのために主食を減らす、または食べないのも、見直したい食べ方です。
主食は意外にも食物繊維のよい補給源。
減らすことで食物繊維が不足しやすくなり、腸内環境の乱れを引き起こします。
主食は適度にとれば太る心配は少ないため、しっかり食べたいものです。
もし糖質やカロリーが気になる場合は、主食の中でも糖質の少ないオートミールや玄米、小麦ブラン(ふすま)を使ったパンなどを選ぶのもよいでしょう。
朝ご飯を食べない
朝ご飯を食べない習慣がある方も要注意です。
身体の目覚めのスイッチが入りにくくなることや、食事の回数が減り食物繊維などの栄養素が不足することで、腸内環境が整いにくくなります。
また朝に食べ物をとり腸を動かすことも、便秘対策には欠かせません。
朝ご飯の習慣がない方は、まずは口にしやすいヨーグルトや果物などからはじめてみましょう。
腸内環境を整えるメリット【お腹の張りを防ぐ食べ物で元気に】
腸内環境を整えることで、毎日を元気に過ごす手助けをしてくれます。
具体的には、
・便秘解消
・肌の調子を整える
・免疫機能の維持
・精神の安定
・がん予防
などさまざまなメリットが期待されています。
腸内環境が整っているかどうかは、便のニオイや色が判断の目安になります。
色が黒っぽく、ニオイが臭い場合は腸内環境が乱れているサイン。
よい便は、黄色から褐色でにおいが気にならない便です。
よい便を目指して、ぜひ次から紹介する食べ物を取り入れましょう!
毎日取り入れたい!腸内環境を整える食べ物【お腹の張り対策】
腸内環境を整えるには、悪玉菌の働きを抑えて、善玉菌を増やすことが大切です。
そのためには善玉菌として働いてくれる乳酸菌を直接身体に取り入れること、また善玉菌を増やす食べ物を取り入れることを心がけましょう。
具体的な働きと食べ物を紹介していきます。
腸内でそのまま善玉菌になる「プロバイオティクス」
プロバイオティクスは、腸内環境を整える生きた善玉菌のことをいいます。
プロバイオティクスには乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌などがあり、毎日食べ物から補給することが大切です。
とくに代表的な食べ物にヨーグルトがありますが、さまざまな商品があり、どれを選んでよいか迷ったことはありませんか?
選び方のひとつとして、トクホ(特定保健用食品)マークがついたものを選ぶ方法があります。
国の認可を受けた商品であり、効果が実証されていることを示しています。
トクホの商品はこちらのマークが目印です。
パッケージにこちらのマークが表示されているため、選ぶ際の参考にしてみてくださいね。
またヨーグルトだけでなく、以下の食べ物も乳酸菌などが含まれているため、ぜひ取り入れましょう。
【プロバイオティクスを含む食べ物】
ヨーグルト、チーズ、乳酸菌飲料、キムチ、ぬか漬け、味噌、納豆など
善玉菌のエサになる「プレバイオティクス」
プレバイオティクスとは、腸内で善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やす作用のあるものを指します。
食物繊維やオリゴ糖がプレバイオティクスにあたり、野菜や果物、豆類などに含まれています。
乳酸菌などのプロバイオティクスと一緒のタイミングで摂ると効果が高まるため、意識して取り入れましょう。
中でもオリゴ糖シロップは、効率的なオリゴ糖摂取に役立ちます。
こちらもトクホマークがついた商品があるため、選ぶ際の参考にしてみましょう。
プレーンヨーグルトにかけると、甘さが足されおいしく食べられますよ。
【プレバイオティクスとなる食べ物】
オクラ、ごぼう、きのこ類、バナナ、大豆、玄米、オートミール、オリゴ糖シロップなど
腸活に注目の成分「レジスタントスターチ」
レジスタントスターチは「難消化性でんぷん」という、消化・吸収されにくいでんぷんです。
そのまま大腸に届いて善玉菌を増やしてくれるため、腸内環境を整える食べ物として注目されている成分です。
主に米などの穀類、芋類、豆類に含まれます。
また冷やすことで、レジスタントスターチの量が増えることも知られています。
でんぷんは冷えると老化するため、消化されにくくなるでんぷん(レジスタントスターチ)に変化する、という仕組みです。
温め直しても減らないことがわかっているため、たとえばご飯はまとめて炊いて冷凍ストックしておくほうが、レジスタントスターチをたくさん摂れ、腸活にもよい働きが期待できるでしょう。
【レジスタントスターチを含む食べ物】
米、じゃがいも、さつまいも、豆類など
腸内環境を整える食べ物でお腹の張りを防ぐ!すっきりな毎日を送ろう!
今回の記事では「腸内環境を整える食べ物」「NGな食べ方」について、管理栄養士が解説しました。
腸内環境が整えば、お腹もすっきりするうえに体調を整えてくれる効果も期待できます。
NGな食べ方を改善しつつ、腸内環境を整える食べ物をぜひ取り入れてくださいね。
腸内環境を整えるレシピ
最後に、腸内環境を整える食べ物を取り入れた、おすすめレシピを3つ紹介します。
さばキムチ味噌汁
発酵食品であるキムチと味噌を組み合わせた味噌汁。また鯖缶を使うため、面倒な魚の下処理も不要なのがうれしいレシピです。
さばキムチ味噌汁
さば缶詰(水煮)、キムチ、味噌、ごま油
調理時間:10分
鶏とごぼうの炊き込みご飯
食物繊維たっぷりのごぼうがとれる炊き込みご飯です。まとめて炊いて冷凍ストックしておけば、いつでも食べられるうえに、レジスタントスターチも増えるうれしいメリットが得られますよ。
鶏とごぼうの炊き込みご飯
鶏もも肉、ごぼう、米、○しょうゆ、○酒、○みりん、○和風だしの素(顆粒)、○しょうがチューブ
調理時間:40分
こんにゃくときのこのピリ辛炒め煮
こんにゃくときのこで食物繊維をたっぷり補給しましょうお弁当のおかずや作り置きおかずにもおすすめです。
こんにゃくときのこのピリ辛炒め煮
こんにゃく、えのきだけ、○めんつゆ(2倍濃縮)、○酒、赤唐辛子、白いりごま、ごま油
調理時間:15分