おつまみの定番・枝豆はカロリーが低いイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?また、100gあたりのカロリー表示を見て、さやつき・さやなしどちらの場合を指しているのか迷ったことのある人もいるのではないでしょうか。この記事では枝豆のさやつき・さやなしの場合のカロリーと糖質、ダイエット向きの食材なのかについて、管理栄養士が解説します。
枝豆のカロリー(エネルギー)・糖質の量
枝豆100gあたりのカロリー(エネルギー)と糖質の量は以下の通りです(※)。
この数値は冷凍枝豆の成分表を参照しています。生の枝豆を茹でたものは、さやなし100gで118kcalと若干カロリーが低くなっていますが、これは分析している枝豆が違うために起こる差であり、冷凍することでカロリーが高くなるわけではありません。
※参照:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
さやありの場合
枝豆のさやあり100gの場合、廃棄率が50%のため可食部は50gとなり、カロリーは72kcal、糖質1.7gです。
枝豆1さやはおよそ3~5gで、可食部は1.5~2.5gほどです。さやありで100gとは、両手に載せて1杯分ほどの量になります。
さやなしの場合
枝豆さやなしの場合、100gあたりのカロリーは143kcal、糖質3.3gです。枝豆1粒当たりの重さは1g前後のため、100gとはおよそ100粒です。これはさやがついている場合は200gになります。
冷凍枝豆のパッケージの裏側に書かれているカロリーは「可食部あたり」という記載があれば「さやなしの場合」のカロリーを指しています。
ほかの豆類と比べて枝豆のカロリーは高い?低い?
枝豆は分類上「野菜」にあたりますが、似たような形状をしたほかの野菜や豆類、ナッツ類とのカロリーの違いはどの程度なのでしょうか。可食部100gあたりで比較してみましょう。
この5つの中では、枝豆のカロリーはちょうど中間です。同じ野菜に分類されるグリンピース、そら豆よりも枝豆のカロリーは高くなっています。これは、そら豆、グリンピースにはほとんど脂質が含まれていない(どちらも0.2g/100g)のに比べ、枝豆には脂質が100gあたり7.6g含まれているためです。
また、枝豆が成熟したものが大豆になりますが、成熟した大豆の方が脂質、たんぱく質ともに多くなるため大豆の方がカロリーが高くなります。落花生はナッツ類(種実類)に分類され、脂質の量が多いためカロリーは大幅に高くなるのです。
※参照:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
枝豆はダイエット中に食べても大丈夫?
枝豆は野菜の中でもカロリーが高いものに分類されます。これは先ほどもお伝えしたように、枝豆に含まれる脂質の量がほかの野菜に比べると多いためです。
枝豆は100gあたり143kcalですが、大根(15kcal/100g)、かぼちゃ(78kcal/100g)、また芋類であるじゃが芋(59kcal/100g)に比べてもカロリーが高くなっています。
それでは、ダイエットには不向きなのか?といわれれば、そうでもありません。例えば、今まで食べていたお菓子類の代わりに枝豆を間食にする、また揚げ物やスナック菓子などのおつまみを枝豆に変える方法であれば、大幅にカロリーダウンできます。また脂質は多いものの、糖質は100gあたり3.3gとさほど多くありません。
食べすぎには気をつけ、1回あたり両手1杯分=さやつき100g(可食部50g)程度を目安に食べれば、ダイエット中でも安心して取り入れられるでしょう。
枝豆は不足しやすい栄養素の補給にぴったり!
枝豆はダイエット中の方、野菜不足が気になる方に摂って欲しい栄養素が詰まった野菜です。具体的にどのような栄養素が摂れるのか見てみましょう。
高血圧&むくみ対策になる「カリウム」
枝豆に含まれるカリウムは、冷凍枝豆の場合は可食部100gあたり650mg。これは1日に必要な量の約4分の1~5分の1の量です。カリウムは野菜や果物に多く含まれる栄養素で、枝豆はそら豆の約1.7倍、グリンピースの1.9倍と比較的多く含まれています。
ただし、カリウムは水に溶けやすい性質があるため、冷凍枝豆をお湯で茹でるとカリウムの量が減ってしまう恐れがあります。栄養素をできるだけ失わせたくない場合は自然解凍するか、電子レンジ加熱で解凍するとよいでしょう。
カリウムは余分なナトリウムを排泄してくれる働きがあり、ナトリウムの摂りすぎによる高血圧やむくみの予防効果が期待されます。
枝豆をおつまみとしていただくと、お酒を飲んだ翌日のむくみ対策や、普段から血圧が気になる方の対策に役立ちます。
肌の健康維持に繋がる「ビタミンC」
枝豆に含まれるビタミンCは、冷凍枝豆の場合は可食部100gあたり27mgです。1日に必要な量は100mgなので、約4分の1の量を補給できます。
ただし、ビタミンCも水に溶けやすく、また熱にも弱い性質があるため、流出させたくない場合は自然解凍がおすすめです。
ビタミンCは肌のコラーゲンの生成に必要で、肌の健康維持に欠かせません。とくに紫外線の強い夏の時季は、ビタミンCが不足しないようしっかり摂取したいもの。枝豆の旬は夏なので、旬のおいしい枝豆からビタミンCをしっかりいただきましょう。
ダイエットに欠かせない「食物繊維」
枝豆に含まれる食物繊維は、可食部100gあたり7.3gです。これは1日に必要な量の3分の1程度にあたります。
食物繊維は余分な糖や脂質を吸着して、体外へ排出してくれる働きもあるので、ダイエット中の方は不足しないようしっかり摂りたい栄養素。間食やおつまみの代わりとして取り入れると、カロリーダウンしながら食物繊維を補えますよ。
食物繊維はほかにも、腸内環境を整えてお通じをよくしてくれる働きもあるので、便秘がちな方にもおすすめです。
枝豆は食べすぎに気をつければ、優秀なダイエットの味方!
枝豆は野菜の中ではカロリーが高い方ですが、量さえ気をつければダイエット中に摂りたい栄養素をしっかり補給でき、カロリーダウンにも役立ちますよ。冷凍枝豆はストックしておきやすいので、手軽に食べられるのも魅力です。ダイエットや、毎日の健康づくりに枝豆を役立ててくださいね。