おつまみや料理に使うチーズ。ピザやグラタンで使うミックスチーズやちょっとしたおつまみにもなるハード系チーズなど、様々な種類がありますが、一体どうやって保存するのがいいのでしょう?長持ちさせるポイントを解説します。
あるあるある!!中途半端なチーズを腐らせてしまった経験。
開封したチーズを冷蔵庫で保管していてカビが生えてしまったことはありませんか?
家庭でもよく使うミックスチーズや、ちょっぴり高価なナチュラルチーズ。どちらもきちんと冷蔵庫に入れていたのに!とショックを受けた経験がある方も少なくないはずです。
せっかく買ったチーズにカビが生えないためにはどうしたらいいのでしょうか。冷凍しても大丈夫なのか?何に包んでおけばいいのか?など、わからない部分がたくさんありますよね。
今回は雪印メグミルクさんにご協力いただき、チーズの保存方法の疑問について教えていただきました。雪印メグミルクさんの回答も交えながら、種類別のチーズの保存方法について解説していきます!
種類別!チーズの保存方法
保存方法の前にまずはチーズの種類について解説します。チーズには大きく分けてナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類があります。
①ナチュラルチーズ
生乳などを乳酸菌や凝固剤で固めて作られます。ナチュラルチーズにはフレッシュタイプ、白カビタイプ、青カビタイプ、セミハードタイプ、ハードタイプなどがあります。家庭でよく使うミックスチーズや、縦にさいて食べるチーズもナチュラルチーズのひとつです。
②プロセスチーズ
ナチュラルチーズを加工して作られたものです。プロセスチーズにはスライスチーズ、三角や四角に成型されたチーズ、キャンディチーズなどがあります。
ではチーズの種類ごとに開封したあとの保存方法についてみていきましょう。
保存方法の共通ルール
どのチーズも未開封であれば、パッケージに記載された賞味期限・保管方法を確認したうえで適切に保管しましょう。基本的には5~10度の冷蔵庫での保存がすすめられています。そして開封後はなるべく早めに食べきるのが基本です。
またチーズを保管するときに気を付けたいのが「乾燥」と「におい移り」です。ラップをするだけでは防ぎきれないため、ラップ+冷凍用保存袋で2重に包むことで対策しましょう。
さらにカビ対策として、カビは水分を好むため、チーズを切るときの包丁やまな板は乾燥したものを使うようにします。切り口に汗をかいていたら、清潔なペーパーなどでふきとってからラップに包んでください。
チーズは冷凍できる?
冷凍することで冷蔵するよりも長く保存することができますが、チーズがボソボソとした食感になってしまいます。
とくにモッツァレラチーズなどのフレッシュチーズは水分量が多く、食感が大きく変わるためおすすめできません。冷凍するならフレッシュチーズ以外のものにしておきましょう。
また冷凍したチーズは加熱して食べるようにし、1か月程度を目安に食べきりましょう。料理に使う際は、冷凍されたまま使ってOKです。
ミックスチーズ
ミックスチーズとは
ミックスチーズなどの細かく切られたチーズは、正しくは「シュレッドチーズ」といいます。
家庭でピザやグラタンに使うことが多いミックスチーズは、モッツァレラチーズやゴーダチーズなどがミックスされています。
保存方法
開封後にすぐに使い切る場合は、口をゴムやクリップなどで閉めて冷凍用保存袋に入れ、そのまま冷蔵庫に保管します。
ではすぐに使い切れない場合はどうしたらいいのでしょうか?
ミックスチーズも冷凍OKであれば、安心して大きいタイプを購入できますね。
冷凍するときは「片栗粉」が便利?
ミックスチーズを冷凍したときに、チーズ同士がくっついてしまい、いざ使いたいときに使いにくかった……という経験はありませんか?
冷凍するときに「片栗粉をまぶしたらくっつきにくくなる」という情報を見つけたので、こちらについても雪印メグミルクさんに聞いてみました。
確かにミックスチーズの表面に白い粉のようなものがついているように見えますが、チーズがパラパラになるような工夫だったのですね。
では実際に片栗粉「あり」「なし」で凍らせた場合、違いはどうなのでしょうか?それぞれを冷凍用保存袋に入れて凍らせてみました。
片栗粉「あり」の方は、ミックスチーズ約200gに片栗粉を小さじ1入れて振りまぜています。
まずは片栗粉なしの場合です。一晩しっかり凍らせてみて開封してみました。
バットに取り出してみると、右側のチーズがごっそり固まっています。
ですが再び袋に戻し、軽く手でもむと・・・
一瞬でパラパラに!
片栗粉「なし」で凍らせても、かたまりを手でほぐせば全く問題なさそうです。
つぎは片栗粉「あり」です。
袋を開けた瞬間、チーズが自然とパラパラになりました。
さっきまでは「手でほぐせば片栗粉はいらないのでは……?」と思っていましたが、片栗粉「あり」の方が明らかにパラパラになっていて、思わず感激してしまいました。
バットに取り出してみても全体的にくっついている部分はほとんどありませんでした。
でも片栗粉を入れて、味に変化はないのか不安です。この後片栗粉「あり」でチーズトーストを作ってみました。
結果、チーズの伸びも問題なく、片栗粉の味も全く気にならずにおいしくいただくことができました。
ミックスチーズの冷凍は、片栗粉「なし」でも手でほぐせば大丈夫でしたが、よりパラパラにしたいなら片栗粉「あり」で冷凍してみましょう!
フレッシュタイプのチーズ
フレッシュタイプのチーズとは?
フレッシュタイプのチーズにはクリームチーズ、モッツァレラチーズなどがあり、ほかのチーズと比べると水分が多いのが特徴です。
発酵されていないためクセがなく、そのまま食べるのがおいしいチーズです。
保存方法
チーズが入っていたケースやパッケージに入れて保管しましょう。
モッツァレラチーズの場合は、容器に入っている液体(乳清)は捨てずに、切った断面を乳清につけて保管することがすすめられています。
クリームチーズで、このような固形タイプの場合は、ラップ+冷凍用保存袋に入れて保管しておきましょう。
新鮮さがおいしいチーズですので、開封後は1週間以内に食べきりましょう。
またフレッシュチーズははじめにお伝えしたように冷凍は向きません。食感がボソボソとしてしまうため、使いきれる量を購入するか、料理やお菓子にアレンジして食べきるようにしましょう。
クリームチーズは味噌漬けで長持ちする?
食べ物を味噌漬けにすることで長持ちさせる方法がありますが、クリームチーズも同様に味噌漬けが可能という噂も。実際のところ、どうなのでしょうか?
結論からいうと、余ったクリームチーズを長く保管できるとうれしいのですが、あくまで家庭で作ったものなので、衛生面を考えるとおすすめできません。やはり1週間程度を目安に食べきるのがいいでしょう。
ただクリームチーズを使い切れなかったときの救済レシピとしてはとても便利です。
味噌、砂糖、みりんを混ぜ合わせたものにクリームチーズを漬け込んで作ります。ラップやポリ袋を利用すると、味噌だれが少量で済みます。
発酵食品同士であるチーズと味噌の相性はバツグンで、お酒にぴったりのおつまみになりますよ。
青カビタイプのチーズ
青カビタイプのチーズとは?
青カビチーズはゴルゴンゾーラチーズ、ロックフォール、スティルトンなどがあり、いわゆるブルーチーズです。
青カビをまぶしてから成型するので、チーズの断面に青カビの模様が見えるのが特徴で、風味が濃厚で塩気が強い味わいです。
保存方法
開封後はラップをして、保存容器や冷凍用保存袋に入れて乾燥を予防し、冷蔵庫で保管します。青カビは繁殖力が強いため、2重にしておくとほかの食品にカビが移りにくくなるので安心です。
切り口をラップで包んで密封すると、青カビが黄色がかったグレー色になりますが、空気に触れることで青カビが再びきれいな色に戻ります。
熟成を楽しむチーズですが、熟成が進むとにおいが強くなるため、食べごろの内に食べきりましょう。
白カビタイプのチーズ
白カビタイプのチーズとは?
カマンベールチーズに代表される白カビタイプのチーズは、表面が白いカビに覆われた熟成タイプのチーズです。熟成が進むにつれ、味わいが深くなり食感もやわらかくなります。
保存方法
切り口から乾燥が進んでしまい、チーズの味わいや食感に影響します。乾燥しないようにラップで包み、保存容器や冷凍用保存袋に入れて冷蔵庫で保管しましょう。
たしかに、カマンベールチーズは中がトロっとしています。
アルミ箔でしっかりと抑えたうえでラップに包み、冷凍用保存袋に入れて保存ということですね。
また白カビチーズ、青カビチーズはどちらも熟成を楽しむタイプのチーズですが、どの程度の期間で食べきるのがいいのでしょうか。
熟成が進むと、とろけ出るようなやわらかい物性になったり、匂いやうまみが強くなったりするとのこと。チーズを食べなれない方は、クセが出ないうちに早めに食べきるのがおすすめのようです。
ハードタイプ・セミハードタイプ
ハードタイプ・セミハードタイプのチーズとは?
ハードタイプにはパルミジャーノ・レッジャーノ、チェダーチーズなどがあり、セミハードタイプはゴーダチーズなどがあります。
水分量が少なく硬いチーズで、熟成期間は3~8か月、長いものだと1年ほどもあるのが特徴です。熟成がゆっくり進むため、食べごろが長く続くチーズです。
保存方法
ほかのチーズと同じように、開封後はラップで包み保存容器か冷凍用保存袋に入れて湿度の高い冷蔵庫の野菜室に保管します。
ラップは3~4日ごとに取り換え、チーズの水分が出ている場合はふきとります。購入してから2~3週間で食べきるようにしましょう。
プロセスチーズ
プロセスチーズって?
プロセスチーズはナチュラルチーズを加熱して溶かし、成型して作られたものです。スライスチーズや三角や四角に切られたチーズ、キャンディチーズなどが当てはまります。
保存方法
ナチュラルチーズを加熱殺菌して作っているため、発酵は進まず比較的保存がきくチーズです。個包装になっているものがほとんどですが、外袋を開けると乾燥やにおい移りしやすくなります。冷凍用保存袋に入れて対策をしましょう。
チーズの保存方法にまつわる気になる疑問
チーズを保存する方法について、インターネットを中心に様々な情報が流れていますが、どこまで本当なのでしょうか?詳しく解説します。
チーズの保管はラップで大丈夫?
チーズの保管で「ラップNG!」「オーブンシートに包もう!」という情報を見かけましたが、実際はどうなのでしょうか?
ラップで問題ないとのことですが、水分がチーズを傷めたりカビの原因になったりするため、水分の処理が大切ということですね。
オーブンシートはうっかり切らしてしまうこともあるので、ラップでOKなら安心してチーズを保存できます。
カビが生えても食べられる……?
白カビチーズや青カビチーズはカビ菌を繁殖させて作られるので、もともとあるカビが増える分は食べてももちろん問題はないとされています。
ですがほかのチーズにつくカビは、後からついたものです。空気中や冷蔵庫のカビがついて繁殖してしまったことが考えられるため、食べるのは控えておきましょう。
ハードタイプやセミハードタイプにつくカビも同様です。製造の工程でカビ菌は使われていないため、食べない方がいい種類のカビです。そぎ落としたら食べられるともいわれていますが、まずはカビが生えないように水分をしっかりふき取るなどの対策をするか、早めに冷凍しましょう。
今回は雪印メグミルクさんにチーズの保管方法を聞くことができました。今後はチーズにカビを生えさせずに保管ができそうです。せっかく買ったおいしいチーズ、正しく保管して最後まで楽しみましょう!
<参考>
・雪印メグミルク チーズクラブ
・雪印メグミルク 公式サイト