衣類のタグについている洗濯表示、毎回洗濯の時に確認していますか?正しく読み取らなかったばっかりにお気に入りの服が縮んだりしてしまうことも。また、洗濯表示は実は平成28年に表示が一新されました。見たことがない洗濯表示に困惑しないためにも、ここで覚えてしまいましょう!
洗濯表示の目的
洗濯表示というのは、衣類の『取り扱い説明書』です。その衣類に適切なお手入れ方法が書いています。間違ったお手入れをしてしまうと、せっかくのお気に入りの洋服が縮んでしまったり、色あせて着られなくなってしまうことも多々あります。自宅で洗う際は必ず洗濯表示を確認しましょう。
衣類についている洗濯表示が書かれた洗濯タグには洗濯表示マークだけでなく、小さく細かく書かれた文字も。重要なことが書いてあるので、少し読みにくいですが、必ずチェックするようにしましょう。
新しい洗濯表示
2016年12月、50年間変わることなく使われて続けてきた日本独自の洗濯表示(JIS L 0217)が、国際規格にあわせる形で変更になりました。
近年、衣類の輸出入が増え、輸出の際には洗濯タグを張り替えるなどの手間をかけていました。そんな無駄なコストを減らし、世界中誰もが失敗せずに衣類の手入れができるようにと変更になったのです。
国内外問わず、買った衣類が迷わず洗えるというのはありがたいことですが、今まで慣れ親しんだマークとは大きく変わってしまったことで、戸惑っている方も多いのではないでしょうか?マークの数も22種類だったものが一気に44種類に増えました。
数が多いので「うっ…」とたじろいでしまいそうになりますが、規則性のあるマークなので、覚えてしまえば意外と単純です。これを機会に覚えてみてください。
家庭洗濯
一般家庭で覚えるべき基本の表示マークはこちらの5種類。このマークに強弱や温度などを指示する付加記号をつけることで細かく指示されます。
洗う
基本の「洗う」マークの中に書かれた数字は、洗濯に使う水温の上限です。「洗う」マーク下に書かれた線は洗う強弱を指示したもの。下線が増えるほど優しく洗うサインです。
このマークの場合は液温40度を上限として、非常に弱い水流で洗えるという意味です。洗濯機で洗っていいのは、この付加記号下線2本までです。
洗濯機のコースは、ウールなどを使えるドライコースを選びましょう(パナソニックの場合は「おしゃれ着コース」または「おうちクリーニングコース」)
こうしてみると、基本の表示さえ覚えたら、あとは感覚でなんとなくわかるのではないでしょうか?
漂白
今までのフラスコマークから三角マークに変わりました。旧マークでは塩素系が使えるかどうかのみ記載されていましが、新マークでは酸素系漂白剤の表記も増えました。
タンプル乾燥
新基準の洗濯表示で初めて登場した「タンプル乾燥」のマークです。基本の「乾燥」マークの中に円が描かれていて、「・」の数で排気温度の上限が決まります。
タンプル乾燥とは、筒状のドラムの中で衣類を回転させながら乾燥させることです。ドラム式洗濯機やコンランドリーで行われる乾燥方法で、旧表示時代には一般家庭でタンプル乾燥をすることが少なったのですが、ドラム式洗濯機の普及により、新表示から新しく導入されました
コインランドリーのガス乾燥機は家庭用の乾燥機よりも高温になり70℃を超えますので、洗濯表示マークはチェックが必要です。(縦型洗濯機で乾燥機能がある機種には高温になるものがあるので要注意です)
自然乾燥
自然乾燥には、ハンガーに吊るして干す「つり干し」と平置きネットに寝かせて干す「平干し」があります。
「干す」のマークをベースに使用し、ハンガーなどに吊るして干す「|」縦線の数、もしくは平干しを表す「―」横線の数で脱水具合を変更します。以前はなかった表示としては2本線で表す「濡れ干し」が新しく加えられました。
どういった衣類に濡れ干しをするかといえば、非常にデリケートでシワになりやすい素材のものです。主にトリアセテートなど、シワになりやすく、摩擦にも熱にも弱い素材を使った衣類は、脱水やアイロンのダメージを防ぐために濡れたまま干すことがあります。
アイロン
アイロンの中の「・」の数が温度を表しています。「・」が多いほど高温になっていきます。
当て布が必要な場合は洗濯タグに表示されますが、ウール、シルク、カシミヤ 、ポリエステル、レーヨン、プリントがあるTシャツなどには当て布をしたほうがいいでしょう。当て布はハンカチで代用できますが、100円ショップで販売しているメッシュタイプのものだとスチームが通って使いやすいです。
クリーニング
丸い乾燥機マークの中に見慣れないP、F、Wなどのアルファベットが書いてあります。これはそれぞれドライクリーニング用の溶剤の頭文字を取ったものです。
- P=テトラクロロエチレン(ドライクリーニング)
- F=石油系溶剤(ドライクリーニング)
- W=業者によるウェットクリーニング
クリーニング店が洗い方を確認するための表示なので、一般家庭では覚えなくても大丈夫です。あくまでも商業用のマークです。
「ウェットクリーニング=おしゃれ着用洗剤でOK」ではない
ウェットクリーニング(W)とありますが、これはエマール などのおしゃれ着用洗剤を使って自宅で洗えるというマークではありません。クリーニング店でもかなり技術を必要とする洗濯方法なので、自宅で洗うのは避けたほうがいいでしょう。
ただし、商業ドライクリーニングのマークが入っていても、同時に手洗いマークが付いている場合は、おしゃれ着用洗剤を使って自宅で洗うことができます。
新表示で消えた項目はどうする?
表示マークは全体的に増えていますが、姿を消した項目もあります。
「絞り方」に関するマークが表示から消えました。
絞り禁止マークは「濡れ干し」に、それ以外は洗濯タグの注意書きに書かれることになりました。注意書きも合わせて確認が必要です。
手洗いについての項目はどれを見ればいい?
手洗いはわかりやすくなりました。「洗い」のマークに手を入れているのが手洗い推奨のマークです。おしゃれ着用などの中性洗剤を使ってやさしく手洗いします。
レーヨンやウール、シルクなどのデリケート素材を使った衣類に付けられています。
「中性洗剤」使用の表記が無くなったがどう判断すればいい?
中性洗剤とは一部の液体洗剤とおしゃれ着用洗剤の液性です。利用したい洗剤の液性を確認するには、基本的に洗剤の使用要項のところに記載があります。
ウールやシルクなど動物性の繊維は、粉末洗剤や石鹸などの弱アルカリ性の洗剤で洗ってしまうと、繊維が溶けて縮んだり形崩れの原因になったりするので使えません。今後は洗濯タグの注意書きに記載されます。
「洗う」表示+下線が入ったマークはデリケート衣類です。注意書きに何も書いてなくても中性洗剤を使うほうがいいでしょう。
「洗濯ネット使用」の表記が無くなったがどう判断すればいい?
こちらも必要な場合は洗濯タグの注意書きに記載されます。
弱水流で洗う表示の場合は、洗濯ネットの指示がなくてもデリケート衣類です。洗濯機で洗う場合は摩擦や絡みを防ぐためにも洗濯ネットを使ったほうがいいでしょう。
それでも覚えきれない!そんなときは「これ洗える?」アプリが便利かも!?
長々と書いてきましたが、どうでしょう?理解できそうでしょうか?すぐに覚えるのが難しい…という人は、洗濯判定アプリを使うのはいかがでしょう。おすすめは洗濯洗剤でおなじみのLION公式アプリ「これ洗える?」。
例えばこちらの洗濯表示マーク。
自宅で洗えるのだろうか?と悩んだときに、アプリ内のマークを選んでいくだけで、最適な洗濯法方を指示してくれいます。どうしても覚えきれない・・という方はこちらのアプリがわかりやすいのでぜひ活用ください。
覚えきれない!そんな方のために消費者庁が本気をだした!
アプリで少しずつ覚えるのもいいですが、実は新洗濯表示に慣れしんでもらおうと消費者庁が作ったHPがとっても面白いんです。なんと、遊びながら覚えてもらえるように、新洗濯表示の記号を使ったすごろくやカルタをダウンロードできるようになっています。
中には動画まで用意されていたりと、!これ以上ないほどの本気を感じます。楽しく学べるので、お子さんと楽しく学びながら覚えてみてはいかがでしょうか♪