ワイシャツについてしまった黄ばみ。いつも通りにお洗濯をしても、なかなか取れず困っていませんか?クリーニングに出すとお金がかかるし、できれば家できれいに洗いたい!そんな方に、家で簡単に実践できるワイシャツの黄ばみ取り方法を紹介します。
ワイシャツの黄ばみ、原因は?
汗・皮脂の汚れに注意!
イヤ〜な黄ばみの原因は、洗濯で落とし切れなかった汗や皮脂などの汚れ。これらの汚れが空気中の酸素と化学反応をおこし、酸化することでできてしまいます。 夏場に黄ばみができてしまいやすいのは、これが原因です。
洗剤の使い過ぎ・すすぎ不足でも
また黄ばみの原因は皮脂だけではありません。汚れを落とすための洗剤も、使い方を間違えることで黄ばみの原因となってしまうのです。
よくある失敗として、黄ばみを取ろうと洗剤を増やしてしまい、より黄ばみが増えるということがあります。これは、洗剤を洗い流す水が足りず、残った洗剤が黄ばんでしまうため。洗剤の用量を守ることも黄ばみを発生させないために大切なのです。
さらに、最近の洗濯機は節水タイプのものが主流ですが、汚れを落とすには洗剤以上に水流・水量も重要。特に少ない水で洗うドラム式洗濯機の場合は、しっかりと汚れを取るのが難しいのです。「すすぎ1回でOK」という洗剤も、洗濯機によっては2回すすぐことなどで、黄ばみや黒ずみの発生を防げます。
黄ばみの予防方法
【1】一度着たら早めに洗濯を
ついてしまった黄ばみを洗うのは一苦労。最も有効な黄ばみの予防方法は、衣類を一度でも着たら、できるだけ早めに洗うことです。一見キレイに見えるシャツでも、皮脂や汗の汚れは目に見えないので、汚れはしっかりついています。そのため、そのまま放置するとしつこい黄ばみが発生してしまうのです。
黄ばんでしまう前なら、洗濯機の通常洗いで汚れは十分落ちるので、着用した衣類はできるだけ早く洗いましょう。
【2】洗剤は弱アルカリ性を使用する
黄ばみのもとになる汚れを、適切な洗剤を使って黄ばみになる前にしっかり落としておくのも大切。洗剤には中性や弱アルカリ性などのタイプがありますが、汗や皮脂の汚れをしっかり落としたい場合は、弱アルカリ性がおすすめです。
弱アルカリ性の洗剤の例
弱アルカリ性の洗剤を選びたい場合は、パッケージの成分表示を見て確認してください。なお、基本的に粉末洗剤は弱アルカリ性で、洗浄力も液体洗剤に比べて高いことが多いです。例えば花王の「ニュービーズ」やP&G「ボールド」など。この2つは蛍光増白剤(蛍光剤)が入っていないので、色柄物にも使えて便利ですよ。
液体洗剤ではライオンの「トップクリアリキッド」、花王の「アタック 抗菌EX スーパークリアジェル」、ネイチャーラボの「ラボン(LAVONS)」などが弱アルカリ性です。
【3】ベビーパウダーで汚れがつくのを抑える
襟元や袖口、脇などの汚れやすい場所に、ベビーパウダーを振っておくものおすすめ。ベビーパウダーで衣類に薄い膜を作っておくと、皮脂がついても洗濯時に簡単に落とすことができます。
ベビーパウダーはどんなものでも良いですが、できれば原材料にコーンスターチと記載があるものだと、余分な皮脂を吸ってくれるので皮脂汚れ予防としては効果が高いです。
ただしパウダーをつけすぎると真っ白になるので、つけすぎにはご注意ください。
黄ばみがついてしまった時のお洗濯方法
落としにくいイメージのある黄ばみ汚れですが、ポイントを押さえておけば落とすのは意外と簡単。そのポイントとは、ずばり汚れに合う洗剤をチョイスすることです。
汚れの種類は “酸性” と “アルカリ性”がある
汚れの種類は酸性とアルカリ性に大きく分かれ、反対の性質を持つ洗剤で洗うことが掃除・洗濯の基本です。汗や皮脂の汚れは酸性なので、反対の性質をもつアルカリ性の洗剤を使うことで中和され、汚れ落ちが良くなります。黄ばみ予防のところで「弱アルカリ性の洗剤を使う」と紹介したのも、この性質を利用するためです。
おすすめの洗濯方法
それでは、ついてしまった黄ばみを落とす際のおすすめ方法を紹介します。通常の洗剤だと汚れが落ちにくそうな場合は、以下の方法を試してみてください。
【1】固形石けんを使う
襟や袖口などの部分洗いをしたい場合は、洗濯用の固形石けんが威力を発揮します。固形石けんは製法上、必ず弱アルカリ性です。そのため、どの石けんを使っても皮脂汚れとの相性は良いのです。
石けんでの黄ばみ落とし方法(「ウタマロ石けん」使用)
筆者のおすすめは東邦社から販売されている「ウタマロ石けん」。ウタマロ石けんには蛍光増白剤が入っているので黄色味を消す効果があり、黄ばみ汚れとの相性は抜群です(※)。
使い方はとても簡単。「ウタマロ石けん」を黄ばみに擦りつけて、石けんの緑色が消えるまでもみ洗いします。あとは普通に洗剤を入れて洗濯機で洗濯するだけ。これだけで、ついてしまった黄ばみがきれいに消えますよ。
※蛍光増白剤は紫外線を吸収して青白い光に変え、見た目の白さを増加させる効果があります。白い衣類をより白くすることには長けていますが、淡い色の衣類(きなりやパステルカラー)に使用すると白っぽくなってしまうのでご注意ください。
【2】セスキ炭酸ソーダを使う
ナチュラルクリーニングで活躍する重曹とセスキ炭酸ソーダは、どちらも「アルカリ性」。アルカリ性の強さはpH0〜14までの数値で表し、数値が高いほど酸性の汚れに対して洗浄力が上がります。pHが1違うと、アルカリ性は10倍も違ってきます。
重曹のアルカリ度数は8.2pH、セスキ炭酸ソーダはpH9.8。そのため、衣類についた酸性の黄ばみ落としには、セスキ炭酸ソーダのほうが優秀です。どちらもお持ちの場合は、重曹よりもセスキ炭酸ソーダをチョイスしてください。
セスキ炭酸ソーダでの黄ばみ落とし方法
10Lの水につき大さじ1のセスキ炭酸ソーダを混ぜたセスキ水に、黄ばみのついた衣類を浸します。浸した瞬間から黄ばみが溶け出すので、汚れたらセスキ水を変えて合計で1時間ほど浸けましょう。
様子をみて、黄ばみが落ちていないようなら3時間〜1晩ほど浸けます。黄ばみが薄まったら取り出し、洗剤と一緒に洗濯機に入れて洗濯してください。
なお、セスキ炭酸ソーダの粒子は細かく水に溶けやすいため、重曹と違って研磨効果は全く期待できません。
酸素系漂白剤(粉末)を使う
広範囲の黄ばみ落としにはセスキ炭酸ソーダのほか、酸素系漂白剤も便利です。真っ白に仕上がるという面では石けんには及ばないものの、シャツ全体を石けんでこすり手洗いするのは大変なので、全体の黄ばみを落としたかったり、衣類の量が多かったりする場合は使いましょう。
酸素系漂白剤は、液体と粉末で性質が異なるので注意
一般家庭で使われる漂白剤は通常「酸化型漂白剤」といい、酸素の力を借りて汚れを分解します。
この酸化型漂白剤はツンとしたニオイのする「塩素系漂白剤」と、色柄物にも安心して使える「酸素系漂白剤」に分かれます。
また、「酸素系漂白剤」の中でも “液体” と “粉末” に分かれています。粉末漂白剤と液体漂白剤は同じ性質だと思っている方もいらっしゃいますが、実は全く違うのです。
- 酸素系漂白剤「液体」= 液性「酸性」もしくは「弱酸性」
- 酸素系漂白剤「粉末」= 液性「弱アルカリ性」
液体漂白剤は酸性の性質なので、酸性の黄ばみにはあまり効果がありません。
酸素系漂白剤(粉末)での汚れ落とし方法(オキシクリーン使用)
粉末タイプの酸素系漂白剤のおすすめ品は「オキシクリーン」。衣類のほか、茶渋をきれいにしたり、浴槽の掃除に使えたりと万能です。
衣類を洗濯する際に粉末タイプの酸素系漂白剤の威力を発揮させるには、40℃以上のお湯を使うようにしましょう。わざわざお湯を用意するのが大変という場合は、お風呂の残り湯を使うと手間いらずで便利です。
お風呂に入ったあとの湯船に酸素系漂白剤(規定量)を入れ、漂白したい衣類をまとめて浸けておき、翌朝洗濯機で洗濯します。
なお、粉末タイプの酸素系漂白剤は、毛(ウール)や絹(シルク)などの動物性の繊維に使用するのは控えましょう。これらはアルカリ性に弱く、溶けやすくなる性質があります。毛や絹などの素材には、洗浄力は落ちますが液体漂白剤を使うようにしてください。
【4】最終手段!「魔法水」を使う
何をしてもダメだという場合は、シミ抜きの神様として名高い横倉靖幸氏が考案した 「魔法水」を使ってみましょう。
魔法水を使った黄ばみ落とし方法
材料
- 酸素系液体漂白剤:小さじ3
- 重曹:小さじ1
- 食器用の中性洗剤:3滴
- 汚れてもいいタオル:1枚
作り方
深さのある容器に重曹を入れ、そこに酸素系液体漂白剤を加えます。最後に食器用洗剤を数滴入れて軽く混ぜたら完成です。混ぜすぎてしまうと溶剤が中和して、せっかくの洗浄力が落ちてしまうので、サッと混ぜ合わせる程度にしておきましょう。
使い方
黄ばみがついた衣類の下に汚れてもいいタオルを敷き、黄ばみの上から歯ブラシで魔法水を叩き込んでいきます。下に敷いたタオルに汚れを移す気持ちで行ってください。
ある程度を黄ばみが薄くなったら、上からスチームアイロンのスチームを噴射します。熱を加えることでアルカリ度がアップします。
これでダメなら諦めて……というくらい万能なので、試してみてくださいね。
お洗濯時の注意点
今回は酸性の汚れを落とすためにアルカリ性の洗剤を紹介してきましたが、人間の肌は弱酸性なので、アルカリ性のアイテムは肌を荒らしてしまう可能性があります。肌の弱い方はゴム手袋を使用するようにしてくださいね。
まとめ
普段は中性の液体洗剤を使っている方も、汗をかきやすい時期は「弱アルカリ性」の洗剤にチェンジ!洗濯機の水量を最高位で洗い、すすぎをしっかりすることで黄ばみの発生を最小限にとどめることができます。できてしまった黄ばみを落とすのは少々面倒ですが、紹介した方法で行えばキレイになりますよ。ぜひ参考にしてください。