月間総利用者数9千万人以上のレストラン検索・予約サイト「食べログ」を運営する株式会社カカクコムは、この一年で食べログユーザーの支持を最も集めた「おいしいお店」を決定する「The Tabelog Award2024(食べログアワード2024)」の授賞式を、1月22日に東京・千代田区の帝国ホテルで開催した。2020年以来4年ぶりのリアル開催となる今年は俳優の石黒賢、フリーアナウンサーの笹川友里が司会を務め、ゴールド、シルバー、ブロンズの本賞のほか、各部門賞を表彰。食通で知られるタレントの寺門ジモンもプレゼンターとして登場し、全国の人気店のシェフらが集まった会場を盛り上げた。
食べログユーザーの投票で決定した、この一年の「おいしいお店」
「The Tabelog Award2024(食べログアワード2024)」では、食べログに掲載されている約85万件のレストランの中から、過去1年間で食べログの評価が4.0を超える456店をノミネート。昨年11月1日から11月3日にかけて一般投票を行い、各賞を決定した。
冒頭では、この日の司会を務めた俳優の石黒賢が、「食べ物に対する愛ほどに真実の愛はない」というイギリスの劇作家、バーナード・ショーの格言を携えて華々しく会場に登場。入場口からレッドカーペットを通じてステージに上がり、「さぁ、今日の物語の主役は皆さんです」と力強く述べて開幕を宣言した。
続いて、同じく司会を務める笹川友里もステージに登場。各章の発表を前に、石黒が「長く俳優をやってきましたが、料理人の役はあまりやったことがなくて、今日は有名な方々がたくさんお越しなので、その方々の所作や振る舞い、どんなことを仰るかなど非常に楽しみにしてきました」と語った一方、昨年末に第2子を出産したことについて触れられた笹川は「オーラがある方々ばかりなので、ご利益がありそうですね」と答えて笑顔を見せた。
続いて、食べログを運営する株式会社カカクコム取締役副社長執行役員の村上敦浩氏が登壇。「 今回は4年ぶりの会場での開催となります。こうして皆様にお会いできることを本当に嬉しく思います」と久々のリアル開催に対する感慨を語りつつ、「こうした場で料理人の方々がお互いを称え合うことで明日からの仕事の励みにつながり、日本の食文化がもっともっと盛り上がっていければ我々も幸運です」と挨拶を述べた。
芸能界随一の美食家・寺門ジモンも大興奮ヤー!
そして授賞式がスタート。まずは部門賞である「ベストニューエントリー」「ベストリージョナルレストラン」「シェフズゴールド」を受賞した店舗が発表された。
[ベストニューエントリー(今年最も飛躍した初ノミネート店)]
・かさ原(東京都/焼鳥・鳥料理)
・銀座 きた川(東京都/日本料理)
・三和(東京都/イタリアン)
・すし 良月(東京都/寿司)
・すし 宮川(北海道/寿司)
・TSUSHIMI(山梨県/フレンチ)
・パルコ フィエラ(北海道/イタリアン)
・美会(東京都/イノベーティブ)
・廣澤(京都府/中華料理)
・ラ・カーサ・ディ・テツオ オオタ(長野県/イタリアン)
[ベストリージョナルレストラン(どんなに時間をかけてでも、食べに訪れる価値があるお店)]
・L’évo(富山県/イノベーティブ)
・日本料理 柚木元(長野県/日本料理)
[シェフズゴールド(ノミネート店の料理人が今「おいしい」と思うお店)]
・龍吟(東京都/日本料理)
・CŌTE D’OR(東京都/フレンチ)
・日本橋蛎殻町 すぎた(東京都/寿司)
・L’Effervescence(東京都/フレンチ)
・松川(東京都/日本料理)
・茶禅華(東京都/中華料理)
・L’évo(富山県/イノベーティブ)
・片折(石川県/日本料理)
・成生(静岡県/天ぷら)
・道人(京都府/日本料理)
・本湖月(大阪府/日本料理)
このうち、ベストリージョナルレストランの表彰には、芸能界随一の美食家として知られるタレントの寺門ジモンがプレゼンターとして登場。
ステージに現れるやいなや、お決まりの「ヤー!」のポーズで会場を沸かせたジモンは、「芸能界よりこっち(料理業界)の方が知り合いが多いから本当に嬉しい」と任された大役に興奮気味の様子で、最近は地方に行って、おいしいものをいっぱい食べているから嬉しいです」と喜びが止まらない。さらに「もっと喋りたい!」と本来の役割を忘れて食通トークが始まりそうなところをグッと我慢し、受賞した2店のプレゼンターをしっかり務め上げた。
約85万件の中からトップレストランに選ばれる名店は?
続いて、本賞である「ゴールド」35店、「シルバー」101店、「ブロンズ」320店の表彰が行われた。ここではシルバー、ブロンズの受賞店が司会の二人のトークとともに映像で紹介された後、ゴールド受賞店のシェフらが登壇し、カカクコムの村上氏から賞が授与された。最高賞であるゴールド受賞店は次の通り。
・蒼(東京都/イノベーティブ)
・アカ(東京都/スペイン料理)
・飯田(京都府/日本料理)
・温石(静岡県/日本料理)
・かさ原(東京都/焼鳥・鳥料理)
・片折(石川県/日本料理)
・カンテサンス(東京都/フレンチ)
・銀座 しのはら(東京都/日本料理)
・グルマンディーズ(東京都/フレンチ)
・茶禅華(東京都/中華料理)
・新ばし 星野(東京都/日本料理)
・鮨 あらい(東京都/寿司)
・鮨 一幸(北海道/寿司)
・鮨 さいとう(東京都/寿司)
・鮨 さかい(福岡県/寿司)
・鮨 三心(大阪府/寿司)
・鮨 なんば(東京都/寿司)
・勢鱗(静岡県/日本料理)
・啐啄 つか本(京都府/日本料理)
・たきや(東京都/天ぷら)
・近松(福岡県/寿司)
・天寿し 京町店(福岡県/寿司)
・道人(京都府/日本料理)
・成生(静岡県/天ぷら)
・日本橋蛎殻町 すぎた(東京都/寿司)
・日本料理 晴山(東京都/日本料理)
・仁修樓(京都府/中華料理)
・東麻布 天本(東京都/寿司)
・プレゼンテ スギ(千葉県/イノベーティブ)
・ペレグリーノ(東京都/イタリアン)
・まき村(東京都/日本料理)
・松川(東京都/日本料理)
・三谷(東京都/寿司)
・日本料理 柚木元(長野県/日本料理)
・L’évo(富山県/イノベーティブ)
この日は35店のうち19店舗が出席。その中を代表して3店が喜びの声を述べた。
まず初めに司会の石黒から「料理を作る上で大切にしていらっしゃることはどんなことですか」と尋ねられた「蒼」の峯村康資氏は、「僕らは食べログさんや支えてくださっているお客様のおかげで、こうして光をあててもらっていますが、今も寒い中で命を懸けて漁をしてくれている漁師さんたちなど、一次産業に携わる方たちにはまだあまり光があたっていないので、彼らの思いも背負いながら料理をしようと思っています」と生産者への思いを披露。
続いて、石黒から同じ質問を投げかけられた「温石」の杉山乃互氏は「先人から続く技術であったり伝統であったり、その延長線上に今があることを大事にしています。ただ今があるわけではなくて、伝統的な線になって今がある。そういう料理を心がけて作っています」と真摯に料理と向き合う姿が伝わる答えに。
そして3人目に答えた「かさ原」の笠原悠仁氏は、「料理のアイデアというのはどこから沸いてくるのでしょうか」という石黒の問いに「焼鳥を焼こうというだけです」とシンプルな答え。それに対して「その焼き方にどういうこだわりがあるのか…」という押しの質問にも「材料です」と答え、会場の大きな笑いを誘いつつ、自らの役者論も交えて何とかいいコメントを引き出そうとする石黒を困らせていた。
なお、この日は食べログアワードの表彰に併せ、資源保全、環境保護や多様性といったサステナビリティに関する取組をしているレストランの活動紹介も実施。食べログの店舗情報ページに設けられている「環境や社会への取り組み」欄で自店の取組を紹介しているノミネート店の中から「味道広道」(北海道/日本料理)と「ロオジエ」(東京都/フレンチ)の活動が映像で紹介された。
壇上には普段は真剣な眼差しで食材と向き合う料理人たちの清々しい笑顔があふれ、同じ料理の道にいる者同士の健闘を讃えあう場に。そして最後に再び壇上に上がったジモンが、「これからも食材の声を聞きながら、おいしい料理を作り続けてください」と会場の料理人たち全員にエールを送り、全体のプログラムが終了した。
本賞、部門賞の詳細は、下記の「食べログアワード2024」特設ページで紹介されているので、これを参考にしながら、あなたが思う“おいしい一店”を探してみてはいかがだろうか。
【「食べログアワード2024」特設ページ】
https://award.tabelog.com/