「SNPIT」とは?|写真がトークン獲得に繋がるアプリ
――本日は宜しくお願いします。
――御社のプロジェクトである『SNPIT』はどのようなプロジェクトなのでしょうか?
大塚 敏之様(以下、大塚)「簡単に言うと、『カメラNFT』を購入して、そのNFTで写真を撮ることでトークンを獲得することができます。」
大塚「最初はパラメーターが低く稼働は見込めませんが、獲得したトークンを使ってレベルを上げていくことで、より鮮明な写真が撮れるようになります。」
写真バトルを通したトークン獲得の仕組み
大塚「また、『写真同士のバトル』というのもありまして、ユーザーの投票で勝敗が決められます。ユーザーがどちらかの写真に投票を行い、先に10票取った方が勝利する、というものです。勝利したユーザーには報酬としてトークンが与えられます。」
大塚「写真は『SNPIT』アプリ上で撮った写真のみ使用でき、スマートフォン本体にある写真は使えません。」
――レベルの低いカメラNFTというのは、具体的にはどのような形でしょうか?
大塚「一番最初のカメラでは、ドット絵のような解像度の低い写真しか撮れないようになっています。パラメータを上げていくことで、より鮮明な写真が撮れるようになります。」
――SNPITのプロジェクトを立ち上げた経緯についてはいかがでしょうか?
大塚「我々は元々『ピクティア』という、カメラアプリを作っています。『ピクティア』はノンバーバルなSNSで、ユーザーは写真の投稿のみで一切コメントができないアプリです。投稿者についての詳細やフォロワーという概念もありません。」
大塚「私を含めた今のメンバーは元々ブロックチェーン畑の人間でしたが、ブロックチェーンで世に出せそうなものがまだなかったため『ピクティア』を作りました。ですので、『ピクティア』内には実はNFTを使った要素も存在しています。」
――早い時期からブロックチェーンを使ったプロダクトを出されていたのですね。
「X to Earn」で誰もが日常の一部をゲーム化できる
大塚「2022年の1月ぐらいに『Move to Earn』の先駆けとなった、歩くだけで稼げるゲームをプレイしました。面白かったので周囲にも勧めたら、Web3やウォレットといったものを知らない人たちもプレイしてくれました。」
大塚「『歩く』という普段の生活に染み込んでいるような動作だからこそ広まったのだ、という発見がありました。であれば、同じようにWeb3にまだ馴染みのない人たちに、カメラという機能は最も適しているのではないかと感じました。」
大塚「ピクティアでの『スマホで写真を撮る』という行動も日常的なものです。カメラ機能を活用したブロックチェーンゲームを作ることで、まだWeb3に馴染みがない人がブロックチェーンという技術に触れるきっかけになると思い、『SNPIT』の開発に至りました。」
――『写真を撮る』という現代社会に根付いた行為にトークンを紐付けるというのは、より多くの人にWeb3の技術を触ってもらうために生まれたのですね。
写真撮影を通して日常の魅力を再発見
――SNPITのお話ですが、運営・開発側で考えている『こういうところが面白い・こういうところが魅力的』という点はいかがでしょうか?
大塚「『写真をバトルさせる』というのはとても新しい体験だと思ってまして、単純に写真を撮るだけでトークンが稼げるのであれば、自宅で適当に写真を撮るだけで済んでしまいます。」
大塚「『バトルを仕掛ける』ことで、『いい写真を撮りたい』や『勝てる写真を撮りたい』という欲求が出てくると思います。」
大塚「そうした欲求は、普段見過ごしていた景色『ちょっと古い建物・ちょっと味があるもの』といった、今まで気付かなかったものに気付くきっかけになります。」
大塚「ちょっとした街の変化であったり、季節の変化などにもとても敏感になり、それ(自体)がすごくいい体験だと思います。」
大塚「『被写体を見つけよう』というモチベーションを持つことにより、今まで見ていたものの価値が変わっていくところは魅力だと思っています。」
――普段見落としてたものや、良いものを見つけられるようになる、というのが狙いの一つなのですね。
大塚「何気なく歩いて通り過ぎた景色でも、見方が全然変わってくるということはやはりとてもいいことで、価値観も変わっていきます。」
――大塚様の写真に対する情熱を大きく感じました。
大塚「写真は昔から好きです。(撮るのが)ものすごく上手いとか、こだわっているといったことではありませんが、単純に色々な風景など、何かあったときに写真に収めるというのはとても好きで、今も続けています。」
ピクティアは「言語」を使わず自由な思考を展開できる
――ピクティアについてですが、言語を使わないSNSにしたのはどのような理由でしょうか?
大塚「ある哲学者の本を読んだ時に、『文字やテキストといった言語があることによって、色々なものが陳腐化されることがある』ということを学びました。」
大塚「例えば、富士山という物質的な被写体そのものを主人公だとすると、どこから見ても富士山は一つです。(逆に)観測者を主人公とすると、その観測したそれぞれの富士山はすべて別物になるはずです。」
大塚「それぞれの観測者が被写体から感じるものは、例えば見る角度、そこへの思いやまつわるもの、初めて見た(経験)、などといった要素で全然違ってきます。」
大塚「同じ被写体でも人それぞれ全く違うニュアンスになるはずなので、言語で何かやり取りをすることで、バイアスがかかって陳腐化されてしまうと感じています。」
大塚「そこで、思考をもっと自由に、その写真や景色などから個々の思想を生み出すアプリがあったら面白いのではないか、と感じて作ったのがピクティアです。」
――富士山は確かに一つしかありませんが、見る人や見るシチュエーションによってやはり感じるところは違う、という印象を受けました。
大塚「これでSNSになるのかという話ではあるのですが、ユーザー同士で繋がる機能としては、『ウィーブ(重ね撮り)機能』というものがあります。」
大塚「これは特許の出願をしていまして、誰かが写真を撮ったらその写真がマップ上でピン留めされ、他のユーザーが『これいい写真だな』と思ったら、後から同じ被写体を撮って上から重ねられる、という機能です。」
大塚「要はたくさんのユーザーで、長い時間をかけてタイムラプスを作っていくような感覚です。
新しいSNSの繋がりだと思います。みんなで時間を切り取り紡いでいきます。」
ーーなるほど、新しいユーザー同士の繋がり方ですね。
大塚「アプリをリリースしてからまだ3年も経っていないですが、時間が経つにつれて、よりたくさん重ねていき、変化を紡いでいくことができたら、今のターゲット層としているミレニアム世代あたりに刺さると考えています。」
大塚「その人たちが撮った写真の上に、その子供たちが小さい頃に連れて行ってもらったところで写真を撮り、重ねていけるとエモいなと思います。」
大塚「私は娘を送り迎えしたり遊びに行った普通の道をカメラで撮っています。他の人にとってはただの道ですが、私にとってはとても思い入れのある道です。」
大塚「10年ぐらい経ったときに、この(道の)変化を知るためにアプリ内の『依頼機能』で誰かに依頼ができます。」
大塚「『そこに写真を重ねてください』と依頼をかけて、その時にどうなってるのかを知りつつ、思い返すことができればと考えています。ピクティアはとても長いスパンで考えて作っているアプリです。」
Web2.5からWeb3へ繋ぐマスアダプションへ
――2016年ごろからブロックチェーンやweb3に注目していたとのことですが、どういったところから興味を持たれたのでしょうか?
大塚「私のきっかけは『Mt. Gox』(マウントゴックス)です。2014年の頭にニュースでBitcoinを知りました。その後しばらくは、なんでこんなものに価値があるのかと興味を持つだけでしたが、少し買ってみても面白いかもと2016年4月に投資目的でBitcoinを購入しました。」
大塚「最初は投資目的でしたが、サトシ・ナカモトのホワイトペーパーを読んで理解していくうちに、どんどんその面白さにハマっていきました。ものすごいことが起こるかもしれないという予感があり、その世界に魅力を感じるようになりました。」
――サトシ・ナカモトのホワイトペーパーは、具体的にはどのような点が良かったのでしょうか?
大塚「一番はコンセンサスアルゴリズムのところですね。改竄をしようとする力よりも、ちゃんと働こうとした方が効率がいいよね、というあの仕組みですね。」
大塚「マスアダプションが自然に広まっていくことでうまく分散化されて、結果として中央に人がいない状態で動いている、というのがとても興味を持ったところです。」
大塚「ホワイトペーパーに書いてある通りの挙動で機能していて、サトシ・ナカモト本人がいなくても、明確な中央が存在しなくても、しっかりとした過程で分散化が成功していて、独占ができない状況になっていることに面白さを感じました。」
――『今までにないことが起こる』と感じられたのですね。
――『マスアダプション』や規模が大きくなればなるほど安全性が上がっていくとのお話がありましたが、大塚様がそれを目指していく背景はどのようなものでしょうか?
大塚「完全なDAOになるのは当面先のことで、本当の意味でのブロックチェーンの魅力がすぐに出せるとは思ってはいません。」
大塚「NFT要素で私が言ったマスアダプションというのは、ちょっとでもブロックチェーンを多くの人に興味づかせたいというものです。ブロックチェーンは面白いものだと思ってもらうことで、これからとても大きくなっていくものだと考えています。」
大塚「(Web3は)何かとっつきにくさや、ややこしさがありますので、我々がやっていくのはWeb3と言いながらもWeb2.5に近いものです。」
大塚「オンチェーン・オフチェーンを織り交ぜていき、それをきっかけに、よりブロックチェーンやWeb3に関わるマスアダプションの取っ掛かりを作る。」
大塚「(Web3の)敷居を下げて取っ掛かりとなるものを作り、間口を広げる、というのが我々の役目だなと思っていて、そこからWeb3の分野に入っていく人も増えていくはず、と考えています。」
――大塚様が初めてブロックチェーン触られたときの感覚を、多くの人に知ってほしい思いがあるのだなという印象を受けました。
Web3技術の可能性に対する信頼と未来
――いわゆるWeb3プロダクトを作られてるわけですが、今後のWeb3・ブロックチェーンゲームは将来的にどうなっていくとお考えでしょうか。
大塚「初めてブロックチェーンを知った2016年あたりから、『AI・メタバース・Web3』という3つの概念は確実に来ると感じていました。」
大塚「AIは過度な期待があって『嘆きの谷』と呼ばれるものに落とされて、というのを幾度も繰り返して、ようやく去年ブレイクしました。」
大塚「メタバースとブロックチェーンに関しても同じように、過度な期待のもと何度もバブルを迎えては下がってというのを繰り返していますが、将来的にはネガティブな印象を持たれず、ポジションを確立しているだろうなと見ています。」
大塚「半減期の翌年が大体バブルになるので、そのバブルには乗りつつも、マスアダプションを起こして一時的なブームで終わらせないようにはすべきだと思っています。『ブロックチェーンはいつも一時的なブームで終わるよね』という印象を我々で乗り越えていきたい、と考えています。」
大塚「(ブロックチェーンに)夢中になる人は、落ち目になる冬の時代があることをちゃんと理解しつつも、『必ず次来る技術だよね』というのを疑っていない人たちが圧倒的に多いと思っています。」
大塚「その人たちがしっかり動いてる限りはなくならないし、最終的には日の目を見る技術だと思っています。」
――皆様はテクノロジーに対して、信じていらっしゃるのですね。
大塚「優秀で賢い人たちが信じていたりするので、そういうのを見ると安心したり、やはり来るのだなと思います。」
――本日はお忙しい中、ありがとうございました。
関連リンク
GALLUSYS様公式Website
https://gallusys.com/
★ピクティア公式Website
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ピクティア公式X
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