【不朽の名作】ビートたけし原作の宗教ブラックコメディー「教祖誕生」
この映画、前半をコメディー要素の強いテイストで進行していき、後半は、主人公がこのインチキ臭い宗教団体に向き合うことで、徐々に主人公が“人間性”を失っていく様が描かれている。
ストーリーの大まか流れとしては、萩原聖人演じる、主人公の高山和夫が、とある宗教団体のインチキ布教活動を目撃し、面白がって関わることからスタートする。さらにその後、下條正巳演じる教祖様が勝手な事をやりだし、使えなくなりつつあったということで、この宗教団体を金儲けのために動かしている、岸部一徳演じる呉や司馬が、高山を新教祖として担ぎ上げるという流れとなっている。
前半は「教祖様!」と表では崇拝している風に見せている司馬が、裏では「余計なことすんな、このバカヤロウ! スカポンタンが!!」とシバいているシーンが妙に面白い。教祖様の方も、表の顔とはぜんぜん違う、元ホームレス出身のクズ野郎という雰囲気がでている。しかもその教祖様は、男はつらいよシリーズおなじみの、おいちゃんと同じ俳優が演じているという点もあり、このふたりのやり取りが余計に笑える。
しかし、この団体の初代教祖様は、たまに本来のクズ野郎の自分を忘れ、本当の“教祖”になろうと動くこともある。サクラを使って脚を治すインチキ布教で使っていた、「お手当て」の儀式を本気で使えると思い、末期がん患者などに独断で施したりするのだ。しかし、教祖として人間性を捨て去るという超越者的な要素はなく、ただの功名心による行動なのだ。結局、外見を良くするだけで、言うことを聞かない、終始俗っぽい教祖様のまま。それで、使い勝手が悪いので、教祖の座からは下ろされてしまう。これがまた、後に新教祖として担ぎあげられる高山との良い対比になっている。
さらに、呉もかなり印象の残るキャラクターになっている。佇まいだけで胡散臭い。口を開くとさらに胡散臭さが凄い。「ムフムフ」なのか「モフモフ」なのか、文字で表せないような笑い声はもう、笑うしかない。岸部のキャスティングがハマりすぎだ。
宗教団体の雰囲気もインチキ感丸出しで、このあたりは、人を騙そうとしている悪徳宗教団体を強烈に皮肉って笑いに変えている。映画にもなったドラマシリーズ『TRICK』でも、ステレオタイプで妙に誇張された宗教団体というのがよく出てくる。それよりは誇張弱めではあるが、概ね似た方向性といえるだろう。田園地帯や、地方の国道沿いにありそうな店舗の駐車場で、明らかに変な集団がたむろしている絵面はとても印象的だ。
本作は、後半からは前記したように雰囲気が結構変わる。コメディーがありつつもシリアスさが頭をのぞかせるのだ。ここで重要になってくるのが玉置浩二の演じる信者・駒村だ。駒村は高山の教祖としての資質を信じている部分が強く、段々と本物の教祖にしようと司馬と対立していく。
高山自身も徐々に信者を思う気持ちが強くなり、断食や修行などを経て心境が変化していく。巻き込まれる形で担ぎ上げられた主人公が、本当に超越者となってしまうのだ。このタイプの主人公というのは、マフィア映画のゴッドファーザーシリーズに近いものがあるかもしれない。なにも知らない青年だったマイケル・コルレオーネが、周りの事情に左右され、周囲の人々を守るために、自身は特定の集団を守る機械となり、“人間性”を失っていくあたりが、この作品に近いと言えば近い。
そして主人公に人であることを、完全に辞めさせてしまうのが、司馬と駒村の対立で起きてしまったとある事件となっている。両者共質は違えど、欲を丸出しでぶつかる様を見て、自分、あるいは他の信者達が、似たよう行動に出ないように、それまでとは、全く違う存在になろうとする。この事件こそが、主人公にとっての“神の啓示”だったのだ。
司馬はこの作品で終始ステレオタイプの悪党だ。呉も同じような位置と言っていいだろう。しかし、この作品で群を抜いて一番「イカれている」のは主人公の高山なのだ。最終的に人を辞めて「教祖」になってしまっているのだから。
ある意味では、青年である主人公が大人になる成長物語でもある。そのせいで、後半のジメッとした雰囲気が漂いつつも、胡散臭さしかない新興宗教に対して、真剣に向かい合う主人公が、妙に魅力的な存在として映ってしまう。こうなると、その後の高山が気になるところ。この映画の後に頻発した新興宗教の教祖のように、高山が事件を起こして人に戻るか、それとも数多の宗教の様に崇拝される開祖になってしまうのか…。20年後の教祖とかやって欲しい気さえする。
(斎藤雅道=毎週土曜日に掲載)
【記事提供:リアルライブ】
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