伊藤健太郎、本宮泰風が映画「静かなるドン２」 伊藤「ここからの３年は勝負かな」／連載＜６＞

本宮泰風（左）と伊藤健太郎（撮影・浅見桂子）

俳優伊藤健太郎（27）が13日公開の映画「静かなるドン2　前編」、27日公開の「－－後編」に主演している。伊藤が演じるのは昼間はデザイナーとして会社で働き、夜は3代目新鮮組総長という2つの顔を持つ近藤静也。新鮮組最古参で静也の教育係を務める突撃隊長・猪首硬四郎を演じ、総合プロデューサーも務めるのが本宮泰風（52）。伊藤と本宮に聞いた。

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映画「静かなるドン2」タイトルロゴは、本宮の妻、松本明子が書いている。前作に続いての“連投”だ。

本宮　これは前回からなんですけど、今回は『2』って書いてくれって。筆で『2』って。映画のスクリーンでタイトル出て『2』が真ん中にバーンって出るじゃないですか。これがいいですよね、出てる方としては感慨深い。うれしい続編ができたっていうのがね。

続編が作られるのは役者として、そして制作者としての大きな喜びだ。

本宮　僕らの作品作りの“永遠のテーマ”でもあるんですけど、面白い作品だから成績が取れる。その面白いっていうのも自分の尺度でしかないんですけど、なんでこの作品が人気出なかったのかなとか、なんでこんなのが人気あるのかなとか、人それぞれ思うことがあると思うんですよね。そんな中で、運とかタイミングとか、そういう運を持っている役者じゃないとというところがある。作品との出会いだったりね。そういう中でシリーズ作品を持てる役者っていうのも、僕は貴重な存在だと思っています。

本宮自身も2013年（平25）から始まって、現在シリーズ64作までリリースされている「日本統一」シリーズの主演を続けることで、俳優としての地位を確立した。

本宮　自分のことは言ってられないんですけど、そんな中で人気の作品を盛り上げたい自分としては、伊藤健太郎みたいにこの年代でスターができてくれたらいいなと思っていた。そういうもくろみもあって、この作品が始まっている。若い女の人も見てくれるようになって、彼はすごい貴重な存在だと思っているんです。

伊藤　うれしいですね。この前、ファンの人と会うイベントがあったんです。小学5、6年生ぐらいの女の子が、初めて自分の作品を見たのが「静かなるドン」だと。それで、好きになって、ファンになりましたって言うんです。意外な方向からのファンで、なんかすごくうれしかったです。

「日本統一」シリーズは配信、映画、そしてテレビでも放送された。本宮は出演として、プロデューサーとして関わってきた。

本宮　それはもう、台本作りから変わってくる。「日本統一」もテレビと連動でやったりして、テレビではレギュラーシリーズみたいなままではできないんですよね。いろんな規制というか、コンプライアンスのことだったりあるので、必ず考査に引っかかってクレームがつく。

伊藤は2020年（平32）にフジテレビオンデマンドやAmazonプライムで配信された「東京ラブストーリー」に主演した。

伊藤　映画だったり、テレビだったり、配信だったりというのは、演じる上では僕あんまり意識したり、演技を変えるとかはあんまりないです。だけど、映画とドラマだと、ちょっと演出の部分で「あまり間を取らないでください」とか、そういうのがある。映画だったら間を取っても持つんですけど、ドラマだとあまり持たないみたいで。そういった面でのお芝居の違いはあるんですけど、基本的な根っこの部分、感情の部分としてはそんなに変わらないですね。演じるということに関しては、台本を演じるわけであって、その台本がどういう風になってるかという、前の段階の問題だと思うんですよね。

本宮　役者って生き物だし、生きることにあった役しかできないので、本当に先の仕事を1つずつ、一生懸命やって行くだけです。

伊藤　役者として、今の自分が持っているものだったり、役者としての自分の存在っていうのを、30歳までにはやっぱり確立していかないと。でないと多分、それ以降ダメだろうなと思う部分がある。特に自分はそう思う。ここからの3年くらいは、勝負かなとは思っていますね。

（終わり）

◆伊藤健太郎（いとう・けんたろう）1997年（平9）6月30日、東京都生まれ。「kentaro」名義でモデルとして活動をはじめ、14年にフジテレビ系「昼顔～平日午後3時の恋人たち～」で俳優デビュー。17年「デメキン」で映画初主演。18年に日本テレビ系「今日から俺は！！」で人気となり、役名「伊藤」から本名の「伊藤健太郎」と改名。19年（令元）にNHK連続テレビ小説「スカーレット」。20年にFOD「東京ラブストーリー」、映画「十二単衣を着た悪魔」。23年「静かなるドン」主演。24年NHK大河「光る君へ」。179センチ。血液型A。

◆本宮泰風（もとみや・やすかぜ）1972年（昭47）2月7日、東京都生まれ。妻はタレント松本明子。兄は俳優原田龍二。94年（平6）に日本テレビ系ドラマ「シュプールは行方不明」で俳優デビュー。テレビは14年TBS系「S－最後の警官－」、18年テレビ東京系「駐在刑事」、20年（令3）にNHK大河「麒麟がくる」など。映画は15年「龍三と7人の子分たち」、22年「劇場版　山崎一門～日本統一～」主演など。ビデオ映画は98年「ワル外伝」、99～00年「日本極道史　仁義絶叫」シリーズ、13年から「日本統一」シリーズなどに主演。趣味は格闘技、野球。185センチ。血液型O。