アンニュイさとシンセサウンドが新鮮な響きをもたらす――新たなテクノ・ポップを模索する「Pretty Pop」

「Pretty Pop」

　1980年代に一世を風靡したYMO（Yellow Magic Orchestra）を筆頭に、さまざまな名曲を生み出した「テクノポップ」。シンセサイザーがもたらす無機質なメロディ、打ち込みで作られた正確なビートが特徴のテクノポップは、それまでのロック・ポップスから逸脱した新たな音楽の流れを作り出した。Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅなど、現在のポップシーンにもその影響は強く、世界的にも注目されているジャンルのひとつだ。

　シンセポップグループ「Pretty Pop」はその流れをくみながら、様々な国のボーカリストとのコラボーレーションを行い、独特のアプローチで新たなポップミュージックを模索している。そんな彼らの楽曲『Parisienne』が現在、話題の音楽サービス「Frekul（フリクル）」にて、期間限定で無料配信されている。

　ミニマルなビートに和風旋律を漂わせるイントロで始まる同曲。フランス人ボーカリスト・Noemieが繰り返し歌う“Parisienne”という印象的なフレーズと、フランス歌手らしい独特のアンニュイな歌声が、無国籍で不思議な響きを生み出す。徐々に音のスケールが広がりながらも、わびさびの効いた構成にも注目だ。

　海外の一部音楽マニアから人気を博し、過去2枚のCDをアメリカインディーズレーベル“Hey Day Records”からリリースした彼ら。長い間ライブ活動を行っていないそうだが、SoundCloudなどで楽曲をコンスタントに発表している。

　多国籍なボーカリストから醸しだされるそれぞれの土着性と、無機質で色鮮やかなテクノサウンドが交じり合うPretty Popの音楽は、新たなテクノポップス・サウンドを切り開いていく。（津田 聖治）

　【Pretty Pop】

　女性ボーカルのシンセポップグループ。アメリカインディーズレーベル・Hey Day Recordsから過去2枚のCDをリリース。様々な国のボーカリストとコラボレーションをしながら楽曲を制作している。現在は、フランス人ボーカリスト・Noemieと2年前から活動している

Pretty Pop 楽曲フリーダウンロードはこちら（Frekul）