近年、転職者が増えており、1,000万人を超えると予想されています。今年2024年以降も増え続け、「大転職時代」が到来するともささやかれています。
そんな中、転職サービスも多様化しており、従来とは異なるユニークな切り口のサービスも生まれています。今回は、画期的な3つの転職サービスを紹介します。
■大転職時代とは?
総務省の労働力調査によると、2022年の転職等希望者数は968万人と過去最高を記録しました。
2023年は1,000万人を超えることが予想されており、今後、「大転職時代」が到来するといわれています。
大転職時代とは、転職が当たり前となり、一つの仕事をやり続けるワークスタイルではなく、複数の仕事をかけもちしたり、スキルを身につけながら仕事を変えていく形が定着する時代のこと。
転職の敷居が従来よりも下がり、カジュアルに転職サービスを利用しながら仕事を変えていくようになっていくようになるかもしれません。
■多様化する転職サービス
転職者が増えている背景もあり、転職サービスも多様化しています。これまでの転職サービスでは、求職者が自ら求人を見つけて応募したり、エージェントが求人を見つくろい紹介してくれるといったパターンが典型的でした。
このようなパターンとは異なる新しい切り口で、転職できるサービスが生まれています。今回は3つのサービスに迫ります。
1.「jobuddy+(ジョバディ)」
jobuddy+は、求職者と転職先の採用担当者にとって⼼強いサポート機能が充実している採⽤⽀援サービスです。
2023年12⽉11⽇に、これまでβ版として展開していた「コンシェル&マッチ」を大幅にリニューアルし、求職者にとって最適な求人のレコメンド機能や履歴書作成の自動化などのサポート機能を充実させました。
勤務希望地と現年収を登録するだけで最適な職をレコメンドしてくれるほか、気に⼊った仕事をお気に⼊り登録して⼀括応募をできる機能、選考状況のリアルタイム確認、履歴書作成の⾃動化などのメリットが得られます。
さらに求職者⼀⼈ひとりのニーズに合わせ、コンシェルジュによるサポートタイプを3つから選べるのも特徴です。
ひかえめサポート:仕事を⾃分で探し、キャリアアドバイザーからの⾯接アドバイスも不要な人向け。⾃動履歴書作成や⾃動タスク管理、⾃動選考サポート機能を提供します。
ほどよくサポート:仕事は⾃分で探したいが、キャリアアドバイザーからの⾯接アドバイスは受けたい人向けです。
せわやきサポート:キャリアアドバイザーから仕事紹介や⾯接アドバイスを受けたい人向け。求職者にぴったりの求⼈案内を⾏ったり、⾯接前の質疑応答のコツなどをアドバイスします。
●従来の転職サービスとの違い
運営元の株式会社コンシェルテック 代表取締役の小杉哲央さんに、従来からある転職メディアと転職エージェントとの違いをうかがいました。
「一般的な転職メディアは、採用企業にも求職者にも最終的な採用成功という約束をしないまま採用企業に費用を発生させており、広告掲載をしても採用につながらないことは珍しいことではありません。さらに採用できなかったときの転職メディアの対応策として、『プランや求職者への訴求軸を変えてみましょう』など、新たな追加出稿を求められることが通常です。
転職エージェントは入社成功をしたことをもって費用発生する点において転職メディアよりも空振りが少ないですが、1人の採用で成果報酬が150万円前後と高額で、そもそも利用する企業数が限定されます。
Jobuddy+は利用しやすい価格設定の採用成功報酬型であり、転職メディアと転職エージェントのいいとこどりのサービスです」
利用する企業の幅が広がれば、求職者にとっても選択の幅が広がるということ。その点においてもメリットがありそうです。
2.「PayCareer(ペイキャリア)」
PayCareerは、転職や副業を考えている求職者が、求人企業と面談するたびに報酬を受け取ることができるという面談課金型のマッチングサービスです。
企業と求職者の1回目の面談が成立した時点で報酬が発生する面談成功報酬モデルを採用しているのが特徴です。ポイント換金システムを導入しており、1ポイントを100円として換算し、企業からの1回目の面談オファーに応じた求職者に最低300ポイント以上を付与することで、求職者は面談するだけで30,000円(100 円×300ポイント)以上の報酬を得ることができる仕組みです。
転職だけでなく、副業や業務委託もこのサービスの対象となっています。
企業側の「求職者にスカウトを送っても返信率が低くてなかなか会えない」「そもそも求める人材と出会う接点自体が限られている」「今までベンチマークしていなかった企業との人材争奪戦になっている」といった悩みに応えるために生まれました。
●従来の転職サービスとの違い
株式会社PayCareerの代表取締役社長 野村博幸さんは、従来の転職サービスとの違いについて次のように話します。
「PayCareerは『面談ごとに報酬がもらえる』という特徴が話題になりがちですが、これはあくまで『本気のスカウトしか届かない』ことを実現するための仕組みの一つにすぎません。企業は『報酬を支払ってでも会いたい』と思える相手にだけスカウトを送ります。
『職種を登録しただけで大量のコピペのようなスカウトが届いて見きれない』『使える時間が限られるのでスカウトは熱量が高い企業からだけ欲しい』といったお悩みをお持ちの求職者の方は『自分を本当に必要としてくれる企業に出会える』ツールとして、PayCareerをご利用いただければと思います」
「本気で自分を必要としている企業」と会って話してみたいと考えている人に利用の価値がありそうです。
3.「ONGAESHI(オンガエシ)」
ONGAESHIは「無償で学び転職を目指す人」(タレント)と「学びを支援したい人」(スポンサー)をマッチングするリスキリング・転職一体型サービスです。
コクヨ、三井住友信託、慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンター、東京理科大学インベストメント・マネジメント、Institution for a Global Societyによるプロジェクトとなります。
本サービスを利用すれば、若手人材である「タレント」は無償で学びデジタルスキルを身につけることができ、「採用企業」は不足しているデジタル人材を採用できます。
オークション理論を採用市場に応用しており、過去の年収ではなく能力に基づき、最適年収で企業と人材をマッチングする仕組みもあるとか。これは求職者のスキル、非認知能力などを客観的に評価した学習歴データを持つことから実現可能なことだといいます。
無償で学べて転職を目指せるというのはありがたいもの。これまでにないサービスといえそうです。
これから来る大転職時代に向けて、これらの新しい転職サービスを押さえておき、自分に合ったものを利用したいですね。
【参考】
jobuddy+(https://jobuddy.jp/)
PayCareer(https://pay-career.com/)
ONGAESHI(https://www.ongaeshi-pj.com/)
【出典】
総務省「労働力調査 結果の概要」(https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/pdf/index1.pdf)