
秋はどこへ消えた? 春はいつ来るの?――そう感じている人も少なくないはずです。株式会社大京が全国2000人を対象に実施した調査で、約9割の人が「春・秋が短くなり、夏・冬が長くなった」と感じていることが明らかになりました。気候変動が進む中、住まい選びの基準も大きく変化しているようです。
9割が実感! 日本から春と秋が消えている

調査によると、89.7%もの人が「直近1年で春・秋が短く、夏・冬が長くなった」と回答しました。
地球温暖化の影響で日本の夏の期間は長期化する一方、冬の期間はほぼ変わらないため、春と秋が極端に短くなる「二季化」現象が進行しています。もはや「四季の国」ではなくなりつつある日本の現状を、多くの人が肌で感じているのです。
もう地震だけじゃない! 8割が重視する「酷暑対策」

こうした気候変動は、住まい選びにも大きな影響を与えています。考慮する災害について尋ねたところ、1位は「酷暑・猛暑などの極端な気温上昇」で82.3%に達しました。
2位は同率で「台風の大型化・激甚化」と「線状降水帯による大雨・洪水」がそれぞれ77.8%となっています。
従来の地震対策に加え、気候変動による災害が住宅選びの重要な判断材料となっている状況が浮き彫りになりました。エアコンの効率や断熱性能など、暑さへの対策が住まいの必須条件になりつつあります。
注目集まる「省エネ住宅」約6割が関心

では、具体的にどんな住まいが求められているのでしょうか。住まいに関する15のトレンド情報から、関心が高いものを選んでもらったところ、1位は「住む人の声を取り入れた住宅」で64.4%でした。
2位は家事効率を高める「回遊動線のある間取り」で63.9%、3位がGX志向型住宅や省エネ基準対応などの「省エネ住宅」で59.8%となっています。
ユーザーの声の反映、家事動線の最適化、省エネ化といった「暮らしの質」に直結する要素が上位を占めました。環境への配慮と快適性の両立を求める声が高まっています。
幸福度を左右する「サステナブル3条件」
興味深いのは、住まいと幸福度の関係性です。今回の調査では、住まい選びで重視すべき3つの条件として「安全安心・快適な暮らしができる」「地域社会とつながることができる」「環境に配慮されている」を提示しました。

このうち「安全安心・快適な暮らしができる」を重視する人は93.4%と圧倒的多数に上りました。

注目すべきは、3条件すべてを重視する人の生活幸福度が79.3%と、全体平均の69.2%を大きく上回っている点です。逆に3条件すべてを重視しない人は33.3%にとどまっており、住まいの質と生活の幸福度には相関関係があることがうかがえます。
具体的な重視ポイントは「基本の充実」

具体的に重視されるポイントを尋ねたところ、トップ3は「照明や日当たりがよい」が52.3%、「水まわりの使いやすさが続く」が45.4%、「収納が多く、部屋が片付きやすい」が42.6%でした。
最新設備や斬新なデザインより、日々の暮らしやすさを支える基本性能が改めて重要視される結果となりました。長く快適に住み続けられることこそ、真のサステナビリティという考え方が浸透しているといえるでしょう。
調査概要
実施時期:2025年9月30日(火)・10月1日(水)
調査手法:インターネット調査
調査対象:全国の20代~60代の男女2000人(性年代別に各200人ずつ)
調査会社:株式会社マクロミル
※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため合計が100%にならない場合があります。
Photo by Jakub Żerdzicki on Unsplash
