映画化、舞台化と展開してきたアニメ「オッドタクシー」の世界から新たに誕生したドラマ「RoOT / ルート」が毎週火曜深夜24:30 放送中です。
W主演に、本作で地上波ドラマ初主演の河合優実と、本作で地上波連続ドラマ初主演の坂東龍汰という、最注目の若手実力派俳優の二人を迎え、漫画「RoOT / ルート オブ オッドタクシー」で描いている若手探偵コンビの奮闘劇を基に、ドラマオリジナルストーリーを展開。Netflixにて見放題独占配信中とあり、深夜ドラマながら日別ランキングにて TOP10 入りするなど、まさに話題沸騰中です。
本作で、探偵事務所で働く玲奈を演じた河合さんと、経験ゼロのポンコツ新人・佐藤を演じた坂東さんにお話を伺いました!
――本作とても楽しく拝見させていただきました!(取材時は2話まで)私はアニメ「オッドタクシー」のファンでもあるのですが、別視点でスタイリッシュにスリリングに描かれていますね。
河合:アニメのファンの方にそう言っていただけると嬉しいです。私はアニメの放送当時、存在は知っていたのですが、観られていなくて。でも母がすごくハマっていたのでずっと印象に残っていました。
坂東:じゃあお母さんもまさか優実ちゃんがそのドラマに出るなんてビックリしているんだろうね。
河合:ビックリしていたし、喜んでいました!
坂東:僕は友達が「これヤバいから!!」と勧めてくれて、本当どハマりしましたね。アニメがすごく好きだったのでお話をいただいた時はとてもテンションが上がりましたし、一方でどんな感じになるのだろう?と思いました。
――完成した一話をご覧になった時はどの様な感想でしたか?
坂東:僕は良い意味で裏切られたんです。現場で撮影していたものとは、またちょっと違うレベルの作品に仕上がっていて。映像の繋ぎ方だったり、音の当てはめ方だったり、より素敵に編集していただきました。 リフの聞こえ方ひとつとっても、こういったトーンのお芝居が深夜ドラマで観られるって、なかなか新しい試みなんじゃないかと。優実ちゃんも、新鮮な気持ちにならなかった?
河合:新鮮だった! 連続ドラマではあるけれど、撮影と放送が並行していないのが贅沢なんですよね。撮りきった映像を一から編集する時間があるって、大きいことなのではないかと思います。
坂東:確かに、それは大きいかもしれない。連続ドラマの現場ってスケジュールがタイトで大変なイメージがあるけど、『RoOT』は監督の手によってじっくり熟成されていて、そこも大きな魅力だと思います。
河合:配信や録画でも嬉しいのですが、よりリアルタイムで観たいと思える作品になっています。仕事を終えて帰ってきて、お風呂に入って一息ついたときに、テレビでこのドラマを観る。けっこう良い時間になるんじゃないかな。
坂東:分かる! アニメ『オッドタクシー』を知らない人でも世界観に入り込める、一つのドラマとして面白くて、本格的なミステリードラマとして楽しめるよう設計されていますし、映像へのこだわりも、キャストやスタッフによる愛も、そして何より「カッコいいものをつくる」っていう意思が込められたドラマです。リアルタイムで観られない地域の方は、ぜひぜひ配信で。
――それぞれが演じられたキャラクターについてはどの様な印象を受けましたか?そしてどう演じようと思ったかなど教えてください。
河合:玲奈は、探偵事務所で働いている19歳の女の子なんですけど、クールで無愛想な反面、自分が信じたことには強い情熱を向けられる子です。自分が解明したいことのためだったらなんでもできる、そんな芯が一本とおっているキャラクターです。 おそらく私がこれまで演じてきた役のなかで一番、玲奈の居方は自分に近いんです。喋り方だったり雰囲気だったり、お芝居の表出の仕方がほとんど自分だな、と。
坂東:僕も、佐藤はいちばん自分に近い役だな、と思います。カメラがまわっていないときの優実ちゃんとの会話をそのまま維持して、シームレスに佐藤になれる感覚がありました。それはきっと、信頼感がある優実ちゃんが相手だったことも大きいと思います。佐藤は、後先考えずに行動して玲奈に迷惑をかけちゃう暴れん坊くん。凶運のポジティブ新人です(笑)。「カッコいいから!」という理由で探偵事務所に入った動機の浅いヤツですけど、このドラマを観る人にとって、佐藤というキャラクターが息抜きポイントになっていたらいいなって。
――佐藤ってすごくポジティブで面白いですよね。坂東さんもポジティブですか?
坂東:基本的にめちゃくちゃポジティブなので、佐藤と似ていると思います! 何かに没頭すると周りが見えなくなっちゃうところも似ていて、僕も学生時代は、やりたいことに熱中して気づいたら朝だった、なんてこともありました。
――お2人はこれまでにも共演経験がありますが、本作でご一緒してどんなことを感じましたか?
坂東:優実ちゃんの「違和感を違和感のまま終わらせない姿勢」が改めてすごいなと思いました。今回は本格ミステリードラマということもあって、少しでも「繋がりがわかりにくいかも」と思ったら、ちゃんと監督や僕に確認していたんです。何月何日にこういうことがあった、っていう細部まで、辻褄が合うように台本に書き出していて。途中から僕に聞いてきてくれなくなったので、寂しかったんですけど……。
河合:ごめん、無自覚だった…。私としては最初から最後まで、坂東くんと話し合いながら進めているつもりでした。撮影の空き時間も、坂東くんと楽しく話しているつもりだったんですけど……。マネージャーさんが撮ってくれた写真を見たら、もしかしたら認識が違ったのかも? って。
坂東:どんな写真?!
河合:私が真顔で前を向いている横で、坂東くんが一生懸命ジェスチャー付きで何かを熱弁している写真。
坂東:それはマネージャーさん悪意あるよね!(笑)
河合:(笑)。私も坂東くんのお芝居に対する能動的な姿勢を尊敬しています。お芝居をする上で自分からどう仕掛けるか、またはどう受けるか。指示待ちではなく、しっかり自分でシーンを動かそうとしている姿は、坂東くんの素の状態とも地続きに繋がっているものだなと感じていました。坂東くんの人間性が、お芝居にも良い影響を与えているんだな、と。素敵だなと思います。
――今日のこの取材でお2人が入ってこられた瞬間から空気がとても柔らかくて素敵だなと思いました。
河合:こうして一緒にW主演を出来ることが嬉しかったです。一緒に重荷を担いでくれる安心感というか。坂東くんはほんとうに誰とでも仲良くなれる人懐っこさがあるので。
坂東:よく犬みたいって言われる。
河合:「ハートがピュアじゃない人は見抜ける」という話もしていたよね。坂東くんと話していると、本当にそうなんだろうな、と思う。観察眼がずば抜けている、というか。
坂東:北海道の田舎出身だからか、綺麗な風が吹いている感じが分かる気がするというか。感覚でしかないのですが、感じるんですよね。
――『RoOT / ルート』の現場はいかがでしたか?!
坂東:とても爽やかで楽しい現場でした!
河合:本当そうだったよね、ありがたいです。
坂東:優実ちゃんのおかげも大きくて、ナチュラルな空気感のおかげで、その場にいるキャストもスタッフも、変に気を張らなくていいんだってリラックス出来ていたと思います。
――素敵なお話をありがとうございます!最後に、「オッドタクシー」は「(小戸川が)人間が動物に見えているお話」でしたが、お2人があの世界に入ったらどんな動物に描かれると思いますか?
坂東:優実ちゃんは黒豹だよね?
河合:そお?でも猫科の何かかなあとは思う。坂東くんはやっぱり犬?あとすばしっこいからカメレオンとか。
坂東:カメレオンってすばしっこいの舌だけじゃない?(笑)
河合:そっか(笑)。
――お2人の「オッドタクシー」風のイラストもいつか見てみたいです!
坂東:そんなことが叶ったら最高ですね!
河合:そんな機会がいただけたら本当に幸せです。
――今日は本当に素敵なお話をありがとうございました!
撮影:たむらとも