アメリカ発のポップカルチャーアイコンとして、映画・アニメ・ゲーム・アパレルなどを通じ幅広い世代から支持を集める大人気シリーズ『ミュータント・タートルズ』より、“世界中で最も愛されるカメ”たち4人が、アメリカンコミックタッチの躍動感あふれる新たなビジュアルで登場する劇場アニメ映画『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』が絶賛公開中です。
タートルズのメンバー、ラファエロ役の土屋神葉さん、ミケランジェロ役の戸谷菊之介さん、ドナテロ役の榊原優希さんに本作の魅力やティーンの時の思い出についてお話を伺いました!
――本作を大変楽しく拝見させていただきました!大好きな作品になりました。まずは収録の様子や、完成した作品をご覧になっての感想を教えてください。
戸谷:ありがとうございます! 今回のタートルズは常にしゃべっていて、すごくセリフ量も多いです。わちゃわちゃしていて“可愛い”タートルズというのも新鮮だなと思いました。アニメらしさ全開の新しいタートルズになっていて、僕もすごく好きです。
榊原:自分の中でのタートルズはもっと“ヒーロー”みたいなイメージがあって、本作にもカッコ良いシーンもあるのですが、それ以上にものすごくティーンエイジャーで。わちゃわちゃ盛り上がって悪ノリが加速していくこともあれば、一緒に落ち込む所もあって、言い訳をする場面でしどろもどろになったり……。まだ彼らはこれからどんどん成長していくんだなって。今回のお話もすごく面白かったですし、吹き替えをしながら今後の展開が楽しみでワクワクしていました。
土屋:昔からタートルズが大好きなので、僕の中の“ラファエロ像”があって。声がもっと太くてやんちゃなイメージがあったので、収録もそう臨もうと思っていたのですが、音響監督さんに「ラファエロの域を出ない範囲でもっと声の高さを上げて欲しい」と言われました。「これだとラファエロにならないんじゃないかな?」と思っていたのですが、それだとOKが出ないので、自分の中のラファエロ像を一回取っ払ったら「それで行きましょう!」とOKをいただきました。収録は榊原さんと一緒だったのですが、ランチに焼肉を食べながらずっと悩んでいて。
榊原:ご飯を食べながら色々とお話しさせてもらったのですが、その後の収録ではすごく吹っ切れていた感じがしました!
土屋:自分の中のラファエロ像を追いかけるのではなく、自分の声を活かそうと。この気付きは今回の映画そのものなんだろうなと思っていて。長年愛されてきているタートルズの魅力は踏襲しつつも、新しい魅力を築いていく。そんなことを感じたので、僕も吹き替え版で映画を観た後はすごく感慨深かったですし、悩んだ末に良いお芝居が出来て良かったなと思いました。
――それぞれの配役や声のお芝居を聞いての印象を教えてください!
榊原:神葉さんが“吹っ切れた”というタイミングから、神葉さんらしい優しさを声に感じる様になりました。ラファエロの根っこにある良い奴っぽさが出てきて、パワフルでワイルドだけど、まだ子供なんだな〜というのをすごく感じました。
土屋:すごく嬉しい一言です!
榊原:戸谷さんのマイキーもとても良くて。4人それぞれに、それぞれの悩みがあって、マイキーも明るいのだけれど本当は繊細な悩みを抱えていて。それが声に乗っているなと思いました。
土屋:吹き替えってオリジナルの俳優さんとのボイスマッチが大事になってくるので、声質が似ている方がキャスティングされることが多いと思うのですが、特に(オリジナルの)ドナテロは「声高いな!女性の声優さんがやられるのかな?」と思っていたら、榊原さんと聞いて、「ピッタリ!」と思って。実際に収録をご一緒しても、ずっと安定感のあるお芝居をされていて、「こういうドナテロのアプローチの仕方もあるんだ!」って目からウロコでした。
榊原:ひゃー!ありがとう!でも恥ずかしい(笑)。
土屋:マイキーは(原音が)中音域で、ラファエロもレオナルドも中音域なので、正直な所どうやって差をつけたお芝居をしていくのだろうと思っていました。僕は英語が達者ではないので、原音を聞いていた時に「誰がこの言葉を言ってるんだ?」と分からなくなることもありました。
戸谷:それは僕も思いました!
土屋:実際に完成した作品を観たら三者三様のお芝居をしていて、マイキーはマイキーらしい力の抜け具合がすごく良くて。4人の中でマイキーだけが見えているものがあるんだなと、その“達観性”みたいなものを吹き替えを通してより感じました。
戸谷:僕はタートルズ3人の声が入った状態でアフレコが出来たので、凄くやりやすかったんですよ! ラファに関しては突っ走っていく感じが「ラファだ!」と感動して、掛け合いをするシーンもとてもスムーズに出来ました。ドナは僕も原音を聞いていたので、原音の声の高さにも通じるドナで、俳優さんに対するリスペクトも感じましたし、可愛さとオタク感が素敵でした。
――スプリンター役の堀内賢雄さんとイベントもご一緒されましたが、良い“親子感”が出ていらっしゃいましたね。(https://getnews.jp/archives/3444290 [リンク])
戸谷:映画の中でも優しさがあふれるお声をされていて、安定感が素晴らしいですよね。スプリンターが登場する印象的な場面で、ピザパーティーのシーンがあるですが、彼の優しさが大きいからこそ切なくて…!ぜひ注目して欲しいです。
榊原:経験を重ねられた故の円熟さが、スプリンター先生の人生…“ネズミ生”の深さとマッチしていらして。ネズミとしての大きさをすごく感じました。
土屋:堀内さんがかつてレオナルドを演じていたことも知っていましたので、粋なことをするなあと思いましたし、出来上がったものを観て自然と頭が下がるというか。当たり前のことの様にさらっと言う言葉が嫌味がなくて、胸に染みて。スプリンター先生としてナチュラルに言葉を発していることに感動しました。その奥ゆかしさが、吹き替えの到達点なのではないかと思うほどでした。僕は吹き替えのお芝居をどんどんやっていきたいと思っているタイプで、今もワークショップに通っているのですが、吹き替えの芝居観とアニメーションの芝居観があって、今回はアニメーション映画ですけれども吹き替えなので。賢雄さんのお芝居はそこのバランスをとっていらして素敵でした。
――皆さんがおっしゃってくださった様に、ティーンエイジャーらしさがより際立っているタートルズになりましたが、皆さんは10代の時どんなことに夢中になっていましたか?
榊原:僕は高校生の頃、漫画ばかり読んでいました。とある死神になる漫画に特にハマっていました…!力を解放する言葉を網羅していました。自分がハマった作品と同じ作品にハマっていた友人がいて、クイズを出し合ったら絶対負けないくらい。だからドナテロくんの気持ちが分かるんです。
戸谷:クイズ出し合ったり、すごく楽しそうですね!
土屋:僕はアクションです。高校生の頃スーツアクターをしていたのですが、高一の時に師匠に出会って、そこからは部活やった後は夜遅くまでずっとアクションを教えてもらったり。ずっぽりアクションの世界に浸かっていた感じです。声優になりたいと思ったのもアクションがきっかけなので。休み時間は廊下でもアクロバットをしていて。
戸谷・榊原:ええ〜っ!
土屋:なぜかトイレ前に長いマットがあって、バク転が出来なかった頃からずっと練習していて、初めてバク転ができる様になったのもそのマットです(笑)。
戸谷:すごいですね!
土屋:10代の青春時代は本当にアクションに捧げていました。
――『ミュータント・タートルズ』の実写版でもラファを演じられそうですね!
土屋:いえいえ!僕は背があまり高くないので、ぜひ別のキャラクターでやらせていただきたいです!(笑)
戸谷:実は、高校生の時漫才をやっていたんです。芸人になることが夢だったので、相方を探して高校三年間ずっと続けていました。
土屋:ええっ!マイキーと一緒だ!
戸谷:学祭とか小さい行事で披露して。今も大好きなのですがずっとバカリズムさんに憧れていて、色々なお仕事をされているので、いつかアニメの脚本も書いてくださらないかなと思っています。
――今こうしてお話を伺うと、皆さん演じた役柄とピッタリですね!驚きました。
戸谷:榊原さんの漫画、土屋さんのアクション、僕の漫才って、本当にキャラクターと一緒でしたね!
――今日はラファエロ、ミケランジェロ、ドナテロに集まっていただいたということで、レオナルドの様に「完璧を求めすぎて、自分に厳しくしすぎちゃったり、楽しむことを忘れがち」な方に、メッセージをいただきたいです!
戸谷:僕だったら「楽しく生きたほうがいいよ」と伝えたいと思います。何をするにしても、楽しいということをいつも大事にしていて。自分が楽しめるのであれば、“殻を破れない”とかどうでも良いですし、まずは楽しむことを忘れないで欲しいです。
榊原:自分の中での目標設定、優先順位を決めておけば迷わないんじゃないかなと思います。何を目指して生きているのか、何のためにこのルールの中で頑張っているのかと考えた時に自分の優先順位、自分なりの理由があればやるべきことが見えてくるんじゃないかなと。
土屋:最初から殻は破れないと思うので、ちゃんと後悔をしておいて、次同じ様な状況になった時に一歩踏み出す勇気が必要なのではないかと。後悔することと、勇気を持つことを一緒に、過去の経験を活かすことが出来たら、どんどん良い環境になっていくのではないかなと思います。
――素晴らしいメッセージに感謝です。今日は楽しいお話をありがとうございました!
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