「グロテスクで底意地の悪い作品だ」 何者かになりたくて暴走する主人公を描く『シック・オブ・マイセルフ』ポスター＆予告編［ホラー通信］

承認欲求のおぞましい暴走の果てを描く寓話的ホラー『シック・オブ・マイセルフ』が10月13日より公開。ポップなポスタービジュアルと衝撃的な予告編が解禁された。

有名なアーティストになりつつある恋人トーマスに対して、嫉妬と焦りを感じている主人公のシグネ。何者にもなれない彼女は注目されるために危険な違法薬物に手を出してしまう。薬の副作用により皮膚病を罹患したシグネは“マイノリティ”として同情と好奇の目を向けられるとともにメディアの注目を集め、新聞や雑誌のトップを飾るようになる。

予告編は、『ヘレディタリー 継承』『ミッドサマー』のアリ・アスター監督による「悪魔のようなクリエイターによるグロテスクで底意地の悪い作品だ」というパンチのある賛辞から始まり、恋人の成功に複雑な感情を抱くシグネが次第に暴走していくさまを切り取っている。病気を患うことで「あなたは美しい」「勇敢だ」と肯定的に扱われ始めるのがなんとも皮肉。

記事：『シック・オブ・マイセルフ』ポスター＆予告編

ポスタービジュアルは、顔面をマスクで覆ったシグネが自撮りをする姿を切り取ったもの。彼女の手と首元は皮膚の疾患で爛れている。デザインは、ティザービジュアルに続いて大島依提亜が手がけた。

脚本・監督を務めたクリストファー・ボルグリは本作が長編２作目。次回作はA24製作×ニコラス・ケイジ主演×アリ・アスターがプロデュースの『Dream Scenario』が待機している。

『シック・オブ・マイセルフ』
10月13日(金)、新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほかロードショー

(C) Oslo Pictures / Garagefilm / Film I Väst 2022