『NewsPicks』のStudent Pickerさんと、デジタルバンク「みんなの銀行」で繰り広げたトークセッション連載2回目です。
※この記事はオウンドメディア『みんなの銀行 公式note』からの転載です。
登場する人物
■ Student Picker 秋山 亮
■ Student Picker 松元 まりあ
■ Student Picker 寺内 翔海
■ Student Picker 渡邉 日菜子
■ みんなの銀行 取締役会長 横田 浩二
■ みんなの銀行 取締役頭取 永吉 健一(進行役)
トークテーマ02:お金の悩みや不安、みんなはどうしてる?
永吉 ここからは、実際にお金の悩みや不安があるか、それをどう解決しているのかを伺っていきたいと思います。
渡邉 私は、将来どのくらいのお金が必要なのか分からないのが、結構不安です。今から貯金をどのくらいすれば良いのか、何歳になった時に貯金がどのくらいあれば良いのか……。
永吉 Student Pickerの皆さんは大学生ですが、一般的には子供一人当たり、大学卒業までの教育費は2,000万円必要と言われています。私立だったり学部によっては、3,000万円くらいかかることも。
最近では「老後2,000万円問題」がよく話題になりますけど、実際にいくら必要で、今からいくら貯金していけばいいのか不安になりますよね。今、こういったお金の悩みや不安を相談できる相手はいますか?
渡邉 「いない」というより、お金のことを誰かに相談したことがない、というのが正しい答えかもしれません。私の場合、YouTubeやSNSからお金に関する情報を得ることが多いので。
永吉 おすすめがあれば教えてもらえますか?
渡邉 最近のおすすめだと書籍なのですが、朝日新聞社から出ている『本当の自由を手に入れるお金の大学』です。著者はお金の知識を学べるチャンネルを運営するYouTuberで、私はもともとそのYouTubeを観ていて書籍に辿り着きました。お金について学ぶきっかけになったので、特に学生の皆さんにはおすすめしたい一冊です。
永吉 YouTubeからなんですね。検索すれば答えが見つかる時代なので、見つからない答えの方が珍しいくらいですよね。でも一方で、「老後に必要なお金」を検索したら、2,000万円あれば良いと言う人もいれば、2億円あっても足りないと言う人もいたりして、答えがたくさん出てきたりしますよね。そういう時は、情報をどう取捨選択するのですか?
渡邉 自分がどんな人生を送りたいのかをまず明確にしておくと、良いのかなと思います。自分ならこういう生活を送りたくて、こういう人生プランがあって、というのがあれば、お金のどんな知識が必要なのかが見えてくるというか。
永吉 なるほど。渡邉さんはお金の知識をネットや書籍といったものから学ぶということでしたが、家族、父親や母親に相談するという人はいますか?
秋山・寺内 はい
永吉 松元さんは、お金の悩みや不安は家族以外の誰に相談されるのですか?
松元 仲の良い友人に金融に詳しい人がいるので相談しています。先ほど渡邉さんもおっしゃっていましたが、自分の中で「こういう生き方をしたい」という理想があるけど、できていないことに対する葛藤があって、それを友人に相談するという感じです。そうすると、「今どういうふうにお金使ってるの?」とか「ここの出費は抑えられるかもね」とか。「将来そんな生活がしたいんだったら、ある程度稼げる仕事に就かないといけないよね」といった会話も。私の将来の理想像から遡って、現時点で何が必要で、お金の使い方はどうすれば良いかを相談できる相手です。
永吉 その方、同世代の友人ですよね? 横田さんは違うかもしれませんが、僕はこの年齢になっても、友人にお金について明確なアドバイスができる自信はないですね……。
松元 アドバイスというか、正しい答えでなくても良いと思っているんです。そういう話を通して、今、理想の生き方に近付くために自分でできることは、とにかく勉強に打ち込むことなんだということがあらためて納得できますので。
Z世代の「お金の相談相手」1位は “〇〇”
永吉 3,000名アンケートの結果を見ていくと、お金について悩みや不安が「ある」と答えた人は、79.1%でした。
お金のことについて、身近に相談できる人が「いる」と答えた人は、Z世代では78.0%も。一方で「いない」と答えた人は、Z世代が22.0%、Y世代が36.0%、X世代が40.0%。世代が上になるほどだんだんと相談できる人が「いない」割合が増えるのは、特徴的ですね。
相談相手については、Z世代では、母親が75.0%、父親が42.0%、友人・知人が29.0%に対して、Y世代・X世代の相談相手は母親・父親が少ないですね。当たり前ですが自分が年を経れば両親もいなくなってくるので、世代が上になるほど相談できる人が少なくなる傾向があります。
相談相手に、銀行、証券会社、ファイナンシャルプランナーといったお金の専門家を上げる人は相対的に少ないようですね。Z世代が3.0%、Y世代が12.0%、X世代が16.0%。我々銀行員としてはもっと「お金の専門家」に頼って欲しいと思いますが……。
横田 それも無理もないよね、と思いますね。「モノとしての銀行」は、なんとなく敷居が高い。身分証やキャッシュカードがないといけないんじゃないかとか、何か書類も書かされるんじゃないかとか……そもそも「銀行に相談」って、誰に何て伝えれば良いのか分からないよという感じですし。
銀行のウェブサイトを見ても、先ほど上がったような「将来どうするか」の話なのに、ローンや投資といった「商品」のことしか書かれていない。銀行側が、相談しにくい雰囲気を作ってしまっているのかなと思います。反省も込めて……(笑)。
永吉 特にZ世代にとっては、お金の専門家との接点そのものがないというか、少ないですよね。皆さん、この1年間でそもそも銀行の窓口に行ったりしました?
秋山 窓口に行ったのは、この3年間で1回か2回かも……。
横田 市役所、区役所と一緒。
秋山 そうですね(笑)。
横田 留学する時に必要な、残高証明書を取りに行くくらい?
松元 私は自分の貯蓄用の口座を開きに行ったりとか、お金のやりくりがうまい友人や先輩に相談しに行ったりはします。
横田 レアケースですね、大事にしないといけませんよね(笑)。寺内さんはどうですか?
寺内 行っていないですね、上京してからこっちの銀行には。銀行の窓口行って「何聞かれちゃうんだろう」って思うと、ちょっと怖いですね。
永吉 渡邉さんは?
渡邉 学費の支払いで、半期ごとに行っていますが、それ以外はすべてオンライン。口座開設、引き落とし、支払いも全部オンラインで済ませちゃうので、本当に学費の支払いくらいしか、銀行の窓口に行くことはないです。
「お金の悩み[Z世代]」をテキストマイニングしてみたら
永吉 何か用があれば銀行の窓口に行くけど、「お金の相談相手」としてはまだまだということですね。3,000名アンケートの話に戻りますが、お金について悩みや不安が「ある」と答えたZ世代に、その内容を具体的に自由記述欄に記入してもらいました。長い文章だったり、単語だったり色々ありましたが、それをテキストマイニングツールで可視化した図がこちらです。
文字の青色が名詞、赤色が動詞、緑色が形容詞、声が大きかったものが大きなフォントになっています。「貯金」「収入」「貯蓄」「無駄遣い」「お金がない」がパッと目に飛び込んできましたが、「奨学金」とか「学費」など、学生特有なワードもありますね。これを見て、皆さんのコメントがあれば。
松元 Z世代が「老後」を考えてるんだ……。
永吉 さっき渡邉さんが……。
松元 あ(笑)。
永吉 「老後」はちょっと漠然としていますが、近いワードで「将来」もありますね。
横田 FIRE……、“Financial Independence, Retire Early”みたいな?
松元 理想ですね(笑)。
秋山 「貯金」とか「(お金が)貯まる」というのは、共通の悩みなんですね。どうやって貯めていくか、どうやったらお金に余裕が生まれるか。逆に、お金があり過ぎて困る!という悩みはなさそうですね(笑)。
永吉 「貯金」についてですが、卒業旅行などの近い将来ではなく、10年後、20年後といったもっと遠い将来、「老後」に向けて貯金を始めている人はいますか?
全員 (顔を見合わせて)いないですね。
永吉 貯金と言っても、そこまでは考えていないんですね。近い将来のためとか、今欲しいものを買うための貯金ということですね。
松元 そうだと思います。
永吉 Z世代の他に、Y世代、X世代の傾向も調査しましたが、どの世代も「貯金」「貯蓄」「将来」「無駄遣い」が目立っていて。世代問わず、お金に関する悩みは共通しているという結果となりました。
横田 日本って個人金融資産が2,000兆円超あって、そのうち54%が現金・預金しています。(投資などで)増やす人の割合は少ないですよね。「将来のために貯金しないといけない」と考える人が多い、というのがすごくよく表れていますね。
日本銀行 資金循環統計(速報)(2021年第4四半期)
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sj.htm/
<「Student Pickerと考えるZ世代のお金のリアル(3/3)」に続く>
(執筆者: みんなの銀行)