カップ麺やスナック菓子、ファストフードなどのアレンジレシピを研究する“B級フード研究家”としても活動している、ノジーマこと野島慎一郎です。
いつもガジェット通信ではアレンジレシピを紹介する記事を中心に執筆していますが、普段から研究としてカップ麺をよく食べているので、1か月で食べたカップ麺のなかから個人的に美味しいと感じたカップ麺ベスト5をご紹介しています。
今回は2021年3月のランキング。この月は別の仕事の関係でコンビニで販売されている名店コラボのカップ麺を多く食べました。いつもより目新しさが薄めのランキングになっているかもしれませんが、逆に考えるといつでも買えるカップ麺を多めにランクインさせられたかと思います。
あくまでも個人的なランキングではありますが、皆さまのカップ麺選びの参考になれば幸いです。
第5位:明星 大砲ラーメン 昔ラーメン
5位に選出したのは明星から発売されている久留米発の人気豚骨ラーメン店「大砲ラーメン」の定番「昔ラーメン」のカップラーメンです。
2月に発売されてなにかと話題になった「一蘭」のカップ麺を食べたあと、いろいろな豚骨カップ麺を食べ比べてみたい衝動に駆られて手に取った一杯なのですが、個人的にはこちらのほうが断然高評価。純粋に完成度も高いですし、半分くらいの価格で買えますしね。
特に秀逸なのはスープで、味はコク深く、口当たりはまろやかなのに豚骨ラーメン特有のクセも感じられる本格派。ここまで本物の豚骨ラーメンっぽさを表現できているカップラーメンはなかなかないんじゃないかと!
それに比べると麺はカップラーメンらしさが若干強い気がするんですが、そう思ってしまうのはスープの完成度が高いからこそ。お好みでネギや紅生姜などを足して、本物の豚骨ラーメンに寄せていったらかなり幸せになれるのではないかと思います。
第4位:セブンプレミアムゴールド 日清名店仕込み 山頭火 旭川とんこつ塩
4位にはセブン-イレブンなどで限定発売されている豚骨塩ラーメンの名店「山頭火」のカップラーメンを選びました。全国のセブン-イレブンでいつでも買える定番商品ですが、改めて食べてみるとやっぱりウマい!
白濁したスープは塩と豚骨のバランスが絶妙で、どちらも個性を主張しすぎていないんですよね。ふたつの主役がちゃんとチームとして機能していて、1+1が2以上になっている感じ。これも本当に完成度が高いなあ~!
超肉厚なチャーシュー、繊細なノンフライ麺も素晴らしいですが、山頭火の特徴でもある小梅もしっかり封入されているのが嬉しい。これが入ってくるだけで見た目の山頭火らしさがグッと増すので、山頭火が好きだという人にとってはテンションが上がるポイントになるのでは。
あと個人的には小ねぎとゴマが大量に入っていることも高評価。食べていると麺にガッツリと絡みついてくるので、味も食感もいいアクセントになっているんですよね。不満があるとすれば美味しいので一瞬で麺がなくなってしまうことくらいではないでしょうか。替え玉がほしくなる一杯です!
第3位:日清食品 カップヌードルBIG ガツン!とスタミナ醤油
近年、ニンニクを大量に投入してガッツリ系に仕上げたいわゆる“二郎系カップ麺”が日清食品から続々と発売されているのですが、そのマシマシの魔の手がついにカップヌードルシリーズにまで及びました。第3位はカップヌードルBIGのスタミナ醤油です。
でも食べてみる前までは、二郎系ラーメンを好きな人とカップヌードルを好きな人って親和性が低いんじゃないかと思っていたんですよ。単純に麺の質を比べてみても、二郎系ラーメンは超極太麺でワッシワッシとかっ食らう感じなのに、カップヌードルは独特の細麺。いくら二郎系ラーメンが好むスープを表現できたとしても、麺がフニャッとしていたら「これは違う」ってなっちゃうんじゃないかと。
でも食べてみたら印象がガラッと変わりました。二郎系ラーメンが好きな人に向けたカップラーメンというよりも、カップヌードルシリーズが好きな人に向けた入門編の二郎系ラーメン。
ニンニクは尖った部分を削ぎ落としつつもスープにたっぷりとエッセンスが注ぎ込まれ、そこにキャベツの甘味がよ~く溶け込んでいます。二郎系ラーメンの幻影を払拭して対峙してみると、これがカップヌードルの麺ともうメチャクチャ合っているわけですよ!
あとカップヌードルシリーズは具が結構たくさん入っているんですが、麺を食べながらもキャベツを大量に食べられるところも素敵。カップヌードルらしさと二郎系ラーメンらしさをこんなに上手に融合できるなんて、日清食品おそるべしです!
第2位:セブンプレミアムゴールド 日清名店仕込み 一風堂 赤丸新味 博多とんこつ
名店コラボカップ麺シリーズを食べ漁るなかで、やっぱりこれは絶対に外せない。個人的には名店コラボカップ麺で最も完成されているんじゃないかと思います。セブン-イレブンなどで発売されている「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」を2位に選出しました。
こちらは定番商品ではありますが、実は最近になってプチリニューアルされています。スープのコクと深みをさらに追求した結果、販売価格が若干上がってジャスト300円に。でもそんなことが微塵も気にならないくらい、味で納得させてくれるんですよねえ。
ちゃんと小麦を感じられる細麺に、マイルドでコク深い豚骨スープという黄金バッテリーはまるで店で食べる一風堂そのもの。豚骨スープに浸っても負けずに麺から小麦の風味を感じられるバランスのよさは秀逸ですし、チャーシューはやっぱり超肉厚。さらにキクラゲもプリプリ食感でウマい。
容器を丼に移し替え、生の小ねぎを散らばせたら本物と錯覚できちゃうんじゃないかしら。これだけ再現度が高くなっちゃうと店に行かなくてもカップ麺で十分と思う人さえ出てきそう。まったく、すごいカップラーメンです!
第1位:明星 麺神 極旨辛豚味噌
そんな一風堂のカップ麺を押しのけ1位の座に輝いたのは明星の「麺神 極旨辛豚味噌」でございます。これも素晴らしくウマかった! 単純に味だけで比べると定番の名店シリーズに軍配が上がったかもしれませんが、新商品であることも加味して1位に選出しました。
「麺神」シリーズは昨年秋頃に登場した明星の新ブランド。まずはシンプルに醤油味と味噌味が発売されましたが、「神旨の一杯」とか、「神太麺」だとか、商品の説明で神の大安売りをしてハードルを上げすぎた感が否めませんでした。あとは「店で食べるような一杯」とか。確かにウマいんだけど、そこまで神がかってはないかなと……。
このたび新登場した「極旨辛豚味噌」でも変わらず「神旨の一杯」「神太麺」なんてうたっているわけですが、食べてみると店で食べるような一杯というよりも、どちらかというとカップラーメンに寄せてきた一杯という印象。完全に整いましたね!
前作は麺がモチモチの極太ノンフライ麺でウマい。スープも確かにウマい。でも一緒に食べるとなんかバラバラな気がするという印象でした。今作はスープの辛味が前面に出てジャンクな要素が強くなり、カップラーメンっぽくはなったんだけど、その分麺とスープの一体感がググッと増しているのです。もともと麺の質感自体は最高だったし、こんなのウマいに決まってますよ!
シャキシャキ食感のもやしとキムチもいいアクセントになっていますし、以前に醤油味と味噌味を出しているのに、あえてまた味噌味を出してくる姿勢も本気度がうかがえていいなと思います。
今作はなかなか辛味が強いので人を選ぶ味かとは思いますが、麺神ブランドの次回作に俄然期待したくなる一杯だと感じました!
総評
以上、2021年3月の美味しかったカップ麺ベスト5でした。
名店カップ麺シリーズはコンビニとのタイアップで開発されている商品が多いので、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどで売り場のラインナップはまったく違います。同じカップ麺でもスーパーとコンビニでは販売価格が全然違うので、なるべくスーパーで安く買い込みたいという方は多いかと思いますが、名店カップ麺シリーズをいろいろ食べ比べたい方はぜひコンビニを巡って探してみてください。
あと余談ですが、先日アキレス腱断裂という大きめの怪我をしてしまいまして、4月はいつも以上に家で引きこもる生活を送ることになりそうです。カップ麺を食べる機会も増えると思いますので、美味しいカップ麺をよりたくさん見つけられたらいいなと思ってます。
というわけで、次回2021年4月のランキングは5月上旬頃に発表予定です。どうぞお楽しみに!
(執筆者: ノジーマ)