どうもライターの丸野裕行です。
1200年の歴史を誇る古都・京都。この街は、何度通っても新たな発見がある、国内外の観光客がこぞって訪れる観光都市でした。
しかし、まぁこのコロナ禍の時代は、一時賑わいを取り戻しつつあった嵐山も、四条河原町も、歓楽街・祇園や木屋町も閑古鳥が鳴いているような状態。記事執筆時点でもコロナ感染者数は増加し、観光客を受け入れる体制すら見えない状態です。
ですが、京都には太い常連客の胃袋をつかんで離さない老舗洋食店の数々があるわけなんですね。しかもその渋いメニューサンプルを含む外観と店内の雰囲気、その味に魅せられて常連客はほとんど日課のように通い詰めるんです。
今回は、地元京都をメインに活躍するグルメライターに教えてもらい、筆者も実際に足を運んだ京都老舗洋食の名店を5軒ご紹介したいと思います。
京都市中京区新京極商店街 『スマート珈琲店』
京都の名純喫茶との呼び声が高い『スマート珈琲店』は、以前西木屋町に君臨していた『喫茶コロナ』なき後、《玉子サンドの王者》の称号をほしいままにし、コーヒーもうまくランチメニューや軽食メニューもうまい、と評判の喫茶室。
三代目オーナーがドイツ製焙煎機を自ら使い、豆を焙煎。ブラジルやコロンビア、インドネシア、エチオピア、ドミニカ産など5種類のコーヒーに合う料理を提供。
先代から引き継いだコーヒーを淹れる技術と、創業当時の洋食ランチの合わせ技で楽しませてくれます。
ちなみにスマート名物のランチは、ポークソテーとエビフライなどなど数品のメニューからふた品をチョイスしていただけます。
店名:『スマート珈琲店』
住所:京都府京都市中京区寺町通三条上ル天性寺前町537
TEL:075-231-6547
営業時間:8:00~19:00 ※ランチは11:00~14:30(2階のみの営業)
定休日:元日、1月2日(ランチのみ火曜日定休)
京都市東山区祇園 『レストラン菊水』
夏場は筆者が必ずといっていいほど通うビアガーデンの名店でもある『レストラン菊水』。1階は、古き良き時代のレトロな洋食レストラン。
軽やかな足取りでテーブルの間を飛び回る給仕さんに、チョコレートパフェやプリンアラモードなどを運んでもらうだけで、ココロ躍ります。安心安定のメニューサンプルが毎日のように入れ替わる管理が行き届いたお店。
こんな洋食レストランでは、やはり定番のハンバーグセットでしょう。肉々しい合い挽きミンチの味、サイドにはサクッ! トロッ! のクリームコロッケ。そこで、すぐさまライス! もりもりと大盛りライスをほおばって、男は黙って水をゴクリです。
大人お子様ランチ大作戦は、完食で大成功。大変おいしかったです!
店名:『レストラン菊水』
住所:京都市東山区 四条大橋東詰祇園(南座向い)
TEL:075-561-1001
営業時間:1階10:00~21:30 (土~23:00)/2階11:00~20:30 (土~21:00)
ビアガーデン(6月1日~9月30日)17:00~23:00(L.O/22:00)
定休日:年中無休
京都市東山区宮川町 『グリル富久屋』
京都五花街のひとつに数えられる芸妓&舞妓はん御用達の名店が立ち並ぶ宮川町。
そこに、創業は明治40年という花街の芸舞妓が足繁くランチを味わう人気洋食店『グリル富久屋』があります。このお店のまさに《顔》となっているのが、メニューサンプルなんですね。
とびきりグリーンのクリームソーダは当たり前。ちょっと年季が入った感じのショーウィンドゥにおもむろに置かれたサンプルのテカり加減……たまりませんね!
大正時代から昭和初期の当時、高い集客力があったという食品サンプルですが、それに伴って、食品サンプルの生産業者に対して受注が増加したそうです。1970年代に入ると原料が蝋を使ったものが壊れやすいという欠点改善で、合成樹脂へ変化しました。
その合成樹脂用の金型までが開発され、これによってリアルで緻密な食品サンプルが作られるようになったということです。それにしても、いい具合の枯れ方ですね。
ちなみにオススメはランチ。弁当タイプの昭和ワンプレートランチは、店主の愛情がこもっています。
店名:『グリル富久屋』
住所:京都府京都市東山区宮川筋5丁目341
TEL: 075-561-2980
営業時間:12:00~21:00
定休日:木曜・第3水曜
京都市中京区四条烏丸 『亜樹』
ビジネスマンの街・四条烏丸で、今日も行列を作るのが洋食の『亜樹』です。オフィスで働く人々の胃袋を毎日、思わず涎が出るような洋風料理で支えるというこのお店は、胃もたれしない毎日食べられる洋食として知られています。
しかし、昼間っからビールを飲めというくらい酒類のサンプルが飾られているのが、今日一日をダメにしてしまう誘惑のように感じてしまいますね。
それにしてもメニューが多い! 品数は何品あるんでしょうか……というほどのメニュー表の数々。そこらかしこに貼りだされていて、行列に並んでいる間の品定めタイムになります……。
この感じ、まさに肉を喰っているというボリュームです。ここのスープが、寒い冬に並んだご褒美としていただける幸せ。
『亜樹』で洋食を食しているとき、運が良ければ猫がお店の中を横切るのが見られます。店主が飼っているのか、それとも通り道になっているのでしょうか。
店名:『亜樹』
住所:京都府京都市下京区四条通室町西入ル
TEL: 075-231-8957
営業時間:12:00~14:00/18:30~21:00 (月曜を中心に夜だけ休業は頻繁にあり)
定休日:日曜・祝日
京都市中京区先斗町 『一養軒』
超シブい先斗町の名店が京都のうなぎの寝床状態の場所、「ここってちゃんとお店あるのかよ!」と問いたくなるような路地の奥底に鎮座しています。それが著名人も多く訪れるという『一養軒』さんです。
一歩中に入ると、店内はスタイリッシュでオーセンティックなバーのよう。「ここで、本当にメシが喰えるのか?」ともう一度問いたくなります。
いつもなら観光客で賑わっている先斗町の喧騒から一歩離れ、狭い間口の軒先を潜りぬけると、路地裏にひっそりと落ち着いたお店があります。かざりっ気のない店内に、静かなバーテンダーさんがひとり。それがマスターで、小腹を満たしてくれるのには充分な自信が笑顔にちょっぴり覗いています。
お店は、いつも向かう洋食店の数品がワンプレートに載った状態ではなく、単品一択の様相。高級感と落ち着きのある店内では、その代わりに料理が複数品、皿の上に載っているような満足感を得られます。
店名:『一養軒』
住所:京都府京都市中京区 木屋町通四条上る鍋屋町211
TEL:075-221-4249
営業時間:17:30〜22:00
定休日:木曜日
このように、京都で洋食三昧できるお店というのはたくさんあります。
次回もまた京都でこだわりの絶品料理に特化したお店をご紹介したいと思います。
※各店舗、新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご訪問時は事前に店舗にご確認ください
(執筆者: 丸野裕行)