Amazonが6月に出荷を開始したFireタブレットの新製品「Fire HD 8 Plus」。同時に発売したベースモデルの「Fire HD 8」からRAMを3GBに増強し、Fireタブレットでは初めてワイヤレス充電に対応するのが特徴ですが、Fire HD 8新モデル共通の特徴が「ゲームモード」の搭載。そこで、Fire HD 8 Plusがゲームコンソールとして使えるのかどうか検証してみました。
スペックアップしたFire HD 8をさらに強化
Fire HD 8 Plusは、2.0GHz クアッドコアプロセッサを搭載し、メモリーはFire HD 8が2GBであるのに対して、3GBと強化。映画の視聴やゲーム、ウェブブラウジング時のマルチタスク処理でパフォーマンスを発揮します。ディスプレイは1280×800の解像度で、明るさは前モデルと比べて10%向上。背面はマットな質感で、濃いグレーの専用色“スレート”を採用しています。
USB Type-Cポートを採用し、約5時間でフル充電が可能になりました。バッテリー容量も増加し、最大12時間の使用が可能に。
ストレージ容量は前モデルが16GB/32GBだったのに対して、32GB/64GBと倍増。外部ストレージのmicroSDカードは1TBまで対応します。Wi-FiはIEEE802.11acに対応し、アンテナを2つ搭載することでつながりやすさが向上しています。
メモリーとパフォーマンスを最適なするゲームモード
ゲームモードは、ゲームアプリを起動すると自動で切り替わり、デバイスのメモリーとパフォーマンスを最適化するモード。さらに、アプリからの通知をオフ、Alexaを無効にして音声に反応しないようにできることから、ゲームのプレイに集中できる点も特徴です。
手動で切り替えができないので、ゲームモードがどの程度パフォーマンスに影響を与えているのかは不明。Amazonアプリストアからダウンロードできるベンチマークアプリ「Geekbench 3」のスコアは、Fire タブレットの最上位モデルで8コアPCUを搭載する「Fire HD 10」には及ばないのですが、ゲームモードに切り替えることでどんなスコアが出るのか知りたいところです。ちなみに、筆者が実行した結果ではシングルコアの結果が885と、Fire HD 10の56%程度。マルチコアでは2706と、Fire HD 10の42%程度でした。
3Dベンチマークアプリ「3D Mark」で「Ice Storm Extreme」のベンチマークを実施した結果、スコアは9663。アプリ上で他機種と比較したところ、「Asus Transform Pad TF701T」「Xiaomi Redmi Note 2」と同程度という結果でした。こちらも、ゲームモードに切り替えることでどの程度パフォーマンスが向上するのか見てみたいところです。
3Dゲームも快適に動作
ベンチマークのスコアに目立ったところはなかったですが、実際にゲームアプリをインストールして遊んでみると、十分なパフォーマンスを発揮することが分かります。
Amazonアプリストアでダウンロードできる3Dゲームの「荒野行動-東京決戦」と「ワールド・オブ・タンクス・ブリッツ」をプレイしてみましたが、カクつきもなく滑らかに動作。快適にプレイすることができました。3Dゲームであっても、Amazonアプリストアで配信されているゲームであれば満足に遊べると言って問題ないのではないでしょうか。
実際に遊んでみて分かるのが、Fire HD 8 Plusの本体の持ちやすさ。両手持ちで画面上のバーチャルパッドを操作する場合、10インチでは若干本体が重く、大画面ではあるものの疲れてしまうのに対して、8インチは十分な画面サイズと操作のしやすさ、軽さがゲーム向きと言えそうです。
画面に集中できるワイヤレス充電スタンド
Fireタブレットで初めてワイヤレス充電に対応。充電パッドに置いても充電できますが、別売りの専用ワイヤレス充電スタンドに置くと、机の上で画面を集中して見やすくなるという効果も得られます。この状態では、Alexaに話しかけて天気を聞いたり音楽を聴くなど、スマートディスプレイ「Echo Show」のように利用できるのもポイント。
ワイヤレス充電器は薄型でファブリック素材を使用。机の上や棚などにスマートに設置できます。10Wの急速充電に対応し、2時間で80%の充電が可能。
Fire HD 8 Plusを設置すると左右のスピーカー穴が上を向くので、Dolby Atmos対応のステレオスピーカーから迫力あるサウンドが楽しめます。
スタンドに置いた姿を見て、「これでゲームを遊んでみたい」と思った筆者。ゲームコントローラーも接続して、卓上ゲームコンソールにできないだろうか、と考えました。
ゲームコントローラーで快適プレイ
そこで用意したのが、マイクロソフトのゲームコントローラー。
Bluetoothでも接続できますが、今回は付属のUSBケーブルで接続してみることにします。USB-A端子をUSB-C端子に変換するOTGアダプターを介してFire HD 8 Plusに接続しました。
さあ、ゲームコントローラーを使って遊ぶぞ! と意気込んでいたのですが、Amazonアプリストアを探してみると、ゲームコントローラーに対応しているゲームが意外と少ないことに気づきます。前述した荒野行動もワールド・オブ・タンクス・ブリッツもゲームコントローラーで遊ぶと楽しそうなのですが、残念ながら非対応。
Amazonアプリストアでは、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー」シリーズや「ドラゴンクエスト」シリーズのタイトルが充実しているのですが、これらはいずれもゲームコントローラーに対応しています。うん、これならスーファミやプレステ感覚でじっくり遊べそうです。
カプコンの「Street Fighter IV Champion Edition」もゲームコントローラーに対応。スティックを使った技入力などアーケード感覚で楽しく遊べるのですが、製品版にアップグレードしようとすると購入画面に遷移できず、使用キャラクターが3人に制限されたままでしか遊べないのが残念です……。
エレクトロニック・アーツの「Real Racing 3」もゲームコントローラーで遊べます。レースゲームはコントローラーで遊びたくなりますよね。海外製のゲームならゲームコントローラー対応のタイトルが多いかと思うと、そんなに多いわけでもなさそうです。
今後のタイトル充実に期待
いわゆるスマホゲーム的なものではなく、ゲームコントローラーを使ってガシガシ遊べるゲームを探してみたのですが、現在のAmazonアプリストアにはアクション、アーケード系のタイトルがあまり充実していない印象です。せっかくゲームモード搭載のFireタブレットを出したので、今後遊び応えのあるタイトルが充実していくことに期待したいと思います。
Fire HD 8 Plusは、32GBモデルが9980円(税込み)、64GBモデルが1万1980円(税込み)。専用ワイヤレス充電スタンドは4600円で、セットにして購入すると2000円オフの割引価格で購入できます。
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