待ってました! 2019年4月に日本公開された映画『ハロウィン』が、いよいよ9月19日にブルーレイ&DVDリリース。アメリカ本国では2018年の10月、ハロウィンシーズンどんぴしゃに公開された本作が、ようやく日本でもハロウィンシーズンに観られるってわけですよ!(一年遅れだけど)
ところでこの『ハロウィン』、早くも続編『HALLOWEEN KILLS(原題)』『HALLOWEEN ENDS(原題)』の制作が発表されており、今後更なる盛り上がりが予想されます。「劇場で見逃しちゃった!」という方、「そもそもどんなお話なワケ?」という方、まだ遅くはありません! 今回の『ハロウィン』の押さえておくべきポイントをじっくり解説していきますよ。もちろん、すでにご覧になった方もチェックしてくださいね!
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名作ホラー『ハロウィン』のリブートではなく“続編”
本作『ハロウィン』は、1978年に公開され大ヒットしたホラー映画『ハロウィン』の続編に位置づけられています。タイトルが同じなために、リブートかリメイクと勘違いしやすいので要注意。ちなみにこのタイトルは映画のクリエイターたちが考えたものではなく、配給であるユニバーサル・ピクチャーズの意向だったんですって。
のちに『遊星からの物体X』や『ゼイリブ』などを手掛けるジョン・カーペンター監督の出世作となった『ハロウィン』(1978)。マスクを被り、幽霊のように生気なく現れる不気味な殺人鬼“ブギーマン”ことマイケル・マイヤーズと、真面目で泣き虫な高校生ローリーの死闘を描いたこの作品は、低予算ながらじっとりと恐怖を煽る演出、カーペンター自身が手掛けたアイコニックな音楽も相まって、その後のホラー映画に多大なる影響を与える伝説的映画となりました。
ヒットしたホラー映画にはどんどん続編が作られるのが常ってもんで、『ハロウィン』もシリーズ作がてんこもり。しかぁーし! すべてのシリーズ作を一度リセットし、第一作目の直接的な続編、それも実際の時間経過とおなじく40年後を描いた続編として登場したのが、今回の『ハロウィン』(2018)なのです。
マイケルとローリーは兄妹?
『ハロウィン』シリーズを観たことがなくても、“マイケルとローリーは血の繋がった兄妹”という設定を耳にしたことがあるかもしれません。数々のシリーズ作によってこの設定が一般的になっていましたが、この設定が初めて登場したのはシリーズ二作目の『ハロウィン2』。兄妹設定が登場しない一作目の続編である今回の『ハロウィン』(2018)では、マイケルがローリーを狙う動機は不明のままになり、マイケルの神秘性が取り戻されました。
制作陣は“自分たちの気持ちが高ぶる『ハロウィン』の新作”をイメージした末、シリーズのリセットを決定。兄妹のマイケルとローリーに愛着を抱いていたファンも多いなかで、この決断はなかなかの英断だったかもしれません。(今後の続編でこの設定が登場する可能性も無きにしもあらずですが)
『ハロウィン2』で脚本を書いたのはジョン・カーペンターですが(監督は当時新人のリック・ローゼンタール)、自身は「1できれいに完結しているから2なんて作りようもないと思っていた」といい、苦心の末にひねり出した設定だったようです。
一作目への愛を込めて。新旧クリエイターが競演!
シリーズ作が数々作られていながら、一際注目が集まった今回の『ハロウィン』(2018)。『ハロウィン』という物語を生み出したジョン・カーペンター本人が、久々にシリーズに参加しているのは大きな要因でしょう。一作目の大ファンであるプロデューサー、ジェイソン・ブラムの「カーペンターなしに新しい『ハロウィン』を作るのはあり得ない」という考えにより、カーペンターの参加が実現。本作で製作総指揮、音楽を担当しました。
音楽では、自身が生んだテーマソングをより現代的に、そしてヘヴィーにブラッシュアップ。更に新曲も書き下ろしています。また、息子であるコディ・カーペンターもミュージシャンとして参加! 若かりし日の父親が作った映画の続編に、親子で参加するなんてなんともイイ話じゃございませんか。
マイケルをより“マイケルらしくする”ために
シリーズに復帰したのはカーペンターだけではありません。シリーズ作でもローリー・ストロードを演じてきたジェイミー・リー・カーティスはもちろんのこと、一作目でマイケル・マイヤーズを演じたニック・キャッスルがカムバック! キャッスルはメインでマイケルを演じるジェームス・ジュード・コートニーの役作りをみっちりサポートしたほか、自身もマイケル役でカメオ出演しています。
キャッスルのシリーズ参加には、本作のマイケル・マイヤーズをより“マイケル・マイヤーズらしくする”意味で大きな意義がありました。首を傾げる仕草や、倒れても手を使わずにむくりと上半身を起こす動きなど、独特の雰囲気をその動作から醸し出すマイケル。これには、演じていたニック・キャッスル自身が大きく影響しているのです。カーペンターは、「ニックこそがマイケル・マイヤーズなんです。歩き方や人としての雰囲気がマイケルのキャラクターに反映されている。なので今回の『ハロウィン』でニックを起用したことは大正解です」と語っています。
[写真:撮影現場のニック・キャッスルとジョン・カーペンター]
白羽の矢が立った“優れた映画監督”
本作で監督・脚本を手掛けたのは、意外にもホラー映画の監督ではありませんでした。白羽の矢が立ったのは、『ボストン・ストロング ダメな僕だから英雄になれた』などのヒューマンドラマを手掛けてきたデヴィッド・ゴードン・グリーン。
ジェイソン・ブラムは「素晴らしいホラー映画を撮るのに“優れたホラー映画監督”である必要はない。“優れた映画監督”でさえあればいい」という想いのもと、以前から尊敬していたグリーン監督を抜擢。ジョン・カーペンターもグリーン監督の手腕を認めており、本作を「本当に良くできた映画。様々なことに果敢にチャレンジしているし、良い意味で予想を裏切るようなところもたくさんある」と絶賛しています。
『ハロウィン』(2018) ローリーは、もう泣かない。
はてさて、そんな万全の体制で作られた『ハロウィン』(2018)は一体どんなお話でしょうか。
描かれるのは、マイケルとローリーの因縁の対決。かつてお互いを“仕留めそこねた”者同士の40年ぶりの邂逅ってわけです。しかしそれは、ひとつの邪悪な存在によって、幸運な生存者のその後の人生が大きく歪められてしまう様を描いた危ういドラマでもありました。
一作目のラスト、何発もの銃弾を受けてバルコニーから転落しながら忽然と姿を消し、観る者を戦慄させたマイケル。その後、どうやら身柄を拘束されていたことが本作で明らかになります。40年間精神病院に収容され、その間一言も言葉を発することはなく、誰も彼の動機や精神状態を知ることはできません。
一方で、恐ろしい殺人鬼と対峙したトラウマに40年間苦しめられてきたローリー。「いつかまたマイケルが自分を殺しに来る」という妄想に取りつかれ、マイケルを迎え撃つために人生のすべてを注いできたのです。その狂気にも似た執念に、娘すらもローリーと距離を置かざるを得ませんでした。
ローリーの想いが通じた(?)のか、彼女の妄想は現実と化しました。他の日にすりゃいいのに、よりにもよってハロウィン前夜に病院から移送されるマイケル! もはや「脱走しろ」というフリでしかありません。案の定マイケルは護送車から脱出を図り、ハドンフィールドへと繰り出すのです……タラララララ・ララ・タララララ・ララ……(ハロウィンのテーマ)。そして迎え撃つローリーはもうあの頃の泣き虫だったローリーではありません。「絶対にこの手でマイケルを殺す」――殺人鬼とヒロイン、40年間熟成された二人の殺意が激しく火花を散らしてぶつかり合うのです!
彼がふたたびあのマスクを着けるとき、たまらない高揚感を感じてしまうのは筆者だけではないはず! 「これはドえらいことが起こるぞ……」と期待を煽りまくるオープニングから、手に汗握って前のめりで見入ってしまうアツいアツいバトルまで一気に駆け抜けていきますよ!
果たしてマイケルとローリーの戦いはどんな結末を迎えるのか? そして今後の続編へどう繋がっていくのか? 新旧のクリエイターが集い、伝説的ホラー映画への愛とリスペクトを込めて贈る『ハロウィン』(2018)、ぜひお楽しみください。
今年のハロウィンは、おうちで『ハロウィン』鑑賞に決まりだね!
『ハロウィン』
2019年9月19日(木) ブルーレイ&DVDリリース
発売・販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
NBCユニバーサル『恐怖の館』特集ページ –https://nbcuni-cp.jp/kyofunoyakata/
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