昨年10月、米アトランタの撮影セットで、Netflixオリジナルシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3(7月4日より全世界同時配信)を撮影中のキャスト陣にインタビュー取材を行いました。
第5弾は、シーズン2で近所の良きお兄ちゃん的立場を確立したスティーブ役のジョー・キーリーと、新シーズンから参加したロビン役を務め、元夫婦であるイーサン・ホークとユマ・サーマンを両親にもつマヤ・サーマン=ホークのインタビューをお届けします。
――マヤさんは今シーズンから初参加となりますが、もともと『ストレンジャー・シングス』はご覧になっていましたか?
マヤ:私自身は、このシリーズが始まった頃は学業でものすごく忙しくて、自分だけでテレビを観るような時間がなかったの。家族と一緒に観るときだけが唯一の機会。金曜の夜に家族みんなでテレビを観ているところにジョインして、母と弟と妹と一緒に観たのが、『ストレンジャー・シングス』だった。私も夢中になったけど、何より、弟が夢中になっているのを見て幸せな気分になったわ。母も好きで、私も好きで、弟も好きで……世代を超えて楽しめるものなんだって。年齢とか性格とか関係なく、みんなが夢中になって、家族がひとつになったの。妹なんて、その頃、10歳だったのよ。
――実際に出演することになって、どのような気持ちでしたか? ご家族も大喜びでしたか?
マヤ:そうね、弟もセットに来たし……母も父も見に来てくれた。とにかくクレイジーな気分……なんていうか、始めの頃は、このシリーズがどれほどのインパクトを持っているのか、完全には理解していなかったと思う。全世界で、いろんな人たちが集まる機会や、語り合うネタになっているなんて。そのインパクトに徐々に気づいて驚いていったという感じなんだけど、今思えば、あり得ないぐらい幸運なことだったと思う。だって参加する前に気づいていたら、ものすごく怖くなっていたはずだもの! だから、この凄さに気づく前に、参加表明しておいてよかったわ。
――ロビンは新たに入ってくるキャラクターですが、どのような立ち位置なのでしょうか。
マヤ:ロビンは最初、(ホーキンスで)何が起きているのかよくわかっていないけど、何か役立てることがあると思っているの。彼女にとっては学ぶ時間がほかの人たちより短いけど、彼女はとても頭がよくて、好奇心が強くて、オープンなキャラクター。みんなとの関係性のなかで教えられることも学ぶこともたくさんあるけど、力になることも多いと思うの。そうじゃない?
ジョー:まさにそうだよ。観客も、超自然現象のなかで生きる登場人物たちのなかに、新しいキャラクターが入り込んで、その人の視点でクレイジーなことを発見していくのを観るのは楽しいと思う。誰かの発見を目撃するのはいつもクールなことだよね。だからこのシーズンも、視聴者は楽しんでくれると思う。
――スティーブは、過去のシーズンで一番成長したキャラクターだと思います。シーズン3ではどのような成長を見せてくれるのですか?
ジョー:うーん、なんて説明したらいいのか難しいな……。もちろん、シーズン3で確実に成長はするんだけど、わかりやすい成長というよりは、もっと、うーん、なんて言うんだろう、こう誰かと出会って、関係を築いたり、友達になったりするなかで生まれるものなんだ。過去のシーズンのような目に見える成長より、もっと内面の成長というのかな。
――スティーブとロビンは一緒にアイスクリームショップで働くという設定ですが、二人の関係はどのようなものなのでしょうか。 ロマンス、それとも友情?
マヤ:それは実際に観てもらうしかないわね(笑)。
ジョー:そうだね。とにかくたくさんのことが起こりますってことしか言えないよね。
マヤ:そう、いろんな出来事を経験することは事実。確実に言えるのは、最初はお互いに先入観を持っているけど、シーズンを通じてそれが解かれて、オープンになり、いろんな経験を共有することでお互いをもっと知り、深く気遣い合うようになるということかな。
――前シーズンのラスト、スティーブはナタリーに対してセンチメンタルなシーンで終わり、前に進む準備ができたように見えましたが、そうなのですか? それとも、後悔の念を抱えている?
ジョー:誰だって真剣な交際を経験したら、何か胸に残るものがあるはず。初恋とか、リアルライフでも、いつでもお互いのことが心にあるというか。キャラクターについて分析できているフリをするつもりはないけど、自分自身のなかには思うところはある。でも、それは僕のなかだけにとどめておきたいんだ。
――スティーブは前シーズンでは子供たちと一緒にいることが多かったですが、今シーズンもそうなのですか?
ジョー:子供たちとの関係性はほとんど同じだね。前シーズンで子供たちと共演したのは楽しかったので、今シーズンでもそれを続けられてうれしいよ。
マヤ:スティーブは、前シーズンより今シーズンのほうがフィーチャーされていると思うけど。
ジョー:そうだね。でも僕はどちらかというと、子供扱いされているっていうか……。
マヤ:そうね、そうね。私たちは全体の構造のなかでは、確実に子供たちサイドよね(笑)。
――80年代に関してのリサーチはされましたか?
マヤ&ジョー:もちろん!
ジョー:特に映画はたくさん観たよ。
マヤ:映画ももちろんだけど、自分の親世代の人たちとの会話を通して学んだわ。その世代の人たちに、(80年代に)10代だった頃のことをたくさん聞いて回ったの。「当時は、本当にそんなことを言っていたの?」「こういう状況だったら、本当にそうやって感じていたと思う?」ってね。
ジョー:これまでのシーズンは、映画を観たりして、その頃の外観的なことを理解しようとしていたけど、今シーズンでは、人がどんな状況でどんな風にデートするのかとか、そういうことを学んだので、ちょっと今までとは違うかもしれない。それについて聞いて回ったことが役に立ったと思う。
――クリエイターであるダファー兄弟との仕事について、どのようなものなのか教えてください。
マヤ:ダファー兄弟の素晴らしいところは、自分の演技をさせてくれる、とにかく自分らしくあるようにさせてくれるところ。彼らは作品にとって何が必要なのかを熟知しているし、必要に応じて、どのようにするべきか、はっきりとした明確なディレクションもくれる。でも、それでこっちを委縮させたり、過保護になったしはしないで、自由をくれるの。私も最初の数日は、自分の役柄がどんなキャラなのか葛藤しながら演じていたけど、ダファー兄弟は、私が葛藤できる余地をくれた。シーズンの終わりまでには、ロビンのことを理解していたし、「自分で見つけた!」という達成感があったわ。本当は、ダファー兄弟が見つけたんだけど、彼らは、私が見つけたと感じさせてくれるのよ。
ジョー:大きな絵は描かれているはずだけど、最終的には僕たちのことを信じてくれるんだ。
――ジョーさんは、最初にスティーブの役を得たとき、今のような展開になると思っていましたか?
ジョー:いや、思っていなかった。すぐにモンスターに殺されると思ったよ(笑)。僕自身、最初の頃は、今のような状況になるとは想像もしなかった。世界がどんどん広がっていく感じで、今までどれほど視野が小さかったのかと思うよ。
マヤ:ほんと? 私の場合は、逆のような気がする。昔は「なんだってできる」って思っていたけど、だんだん、だんだん絞られてきている感じ。
ジョー:そうなんだ?
マヤ:うん(笑)。
――マヤさんは、俳優業以外のことにもチャレンジしたいと思われますか?
マヤ:人生を芸術に捧げたいとは思っているわ。俳優、監督、脚本家、音楽……どんなことにも挑戦したいし、どんなかたちでもコラボレーションしてみたい。どんなドアが開いて、どんなオプションがあって、自分の脳がどんな風に動くのか、試してみたいの。
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3 予告編(YouTube)
https://youtu.be/5bGKohuXkFg
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