今回はリオさんのブログ『一人前の地球人になるまで』からご寄稿いただきました。
本当の豊かさとは?ホセムヒカが教えてくれたこと(一人前の地球人になるまで)
まず、今回この講演を聞きに行けたのは奇跡なのです。なぜなら、バイトを寝坊してしまい行けなくて自分が情けなくて、引きこもろうとしていた時にこの話がSNSで流れてきて行く事となったのです。 今回来ていただいたホセ・ムヒカさんとは元アルゼンチンの大統領だった方で2012年6月,ブラジル・リオデジャネイロで「国連持続可能な開発会議」において衝撃的なスピーチをした方です。その内容は、環境のことというよりかはそれを超越したお話をされました。でも、内容はいたってシンプルなことを言っているのです。
さて、ムヒカさんはみんなから親しみを込めてぺぺと呼ばれているのでここではぺぺと呼ばせていただこうと思います。 ぺぺは、「世界一貧しい大統領」としてメディアに取り上げられました。本人は、それは間違えで「世界一豊かな大統領」だったとおっしゃりました。この時、メディアとぺぺとの間で「貧富」という点での価値観の違いが生じたのです。 世間でいう、貧富とは物質的に豊かかどうかという事。この点でいうと彼は、大統領の際に給料の月100万円ほどのうち90%を寄付し、農場でワーゲンの車とともに質素な生活をしていたそうです。その視点から見ると確かに貧しいと言えるでしょう。 しかし、ぺぺの思う貧富とは心が豊かかどうかという所におもきをおいていました。彼は言いました、「本当の貧しさとは、多くのものを欲してしまい欲が止まらない事だ」と。少しのもので満足できない人は、いくら物があったって満足できないのでは?と。確かにその通りだと思う。
では、以下からは2016/4/7の東京外国語大学での講演の内容を書いていきたいと思います。 シンプルに考えてみよう。私たちは、生きている。それだけで奇跡だ。朝、太陽の陽を浴びて、だるい体を動かす。それこそが、生きているという事。 ただ、私たちの「生きる」というのには2つの選択肢がある。
(1)生まれたから、生きるという事
(2)生まれたのが、スタート地点でそこからより良い人生を作るという事
あなたは、どちらでしょうか?正解なんてありません。 でもどうせなら、より良い方向に進みませんか?もっと、ニンゲンという種をより良くしませんか? 「生きる」という事は、仕事と結びつきやすいですが、それだけではないのです。みんな「幸せ」になるために生きているのだと。幸せになるために、自分の時間を使わないと。だから、余計な物のために働いていたら、自分の限られた時間に費やすのはもったいない。もっと、自分の時間に敬意を払わないとね。 ただ、時間を作るという事は、同時に自分自身にリミットを作るという事。自分を制御できないといけない。 これは、人類にも言える。今、ニンゲンはリミットを知らず行く所まできてしまった。そしてそれを戻す、すなわち制御するすべがわからないのである。分かりやすく言うと、ディズニーのミッキーと魔法使いの話を知っているでしょうか?ミッキーが、魔法の帽子をかぶりめちゃめちゃにするが、戻し方を知らなくて困ってしまう。それと同じです。 私たちは、どんどん発達する文明を統治しなければならないのに仕方がわからない。 今、時代は行く所までもしかしたらきてしまったのではないでしょうか?日本でも、京都議定書で公約をした事が実際にできたでしょうか?できませんでした。 そして、依然として一部の人が富を持つ社会になっている。わずかな人が、恩恵を受けそれをうまく分配できていないのが現状です。もっと、シェアしないと。人間は、弱い生物だから集団で自分たちの足りないものを補いながら生きていく。 実際に、個人と家族(※1)と社会がこの世には存在していて、個人で解決できないのを家族で、それでもできなければ社会で解決すべきなのです。日本の問題でもある、高齢化が1つの例でもあります。これは、家族間では解決できなくなってきたので社会に任されたのです。非常に、重要な事なのです。 今は、消費社会です。本当に大事なものを見つけるのが非常に困難でもあります。ですが、私は思います。「質素」の中にこの問題を解決する鍵があるのではないかと。なぜなら、質素の方がより自分の大切な時間を何かに使う事ができる。その何かというのも重要で、ただ時間を作るだけではなく何のための時間かを自分なりに考える必要があります。それが、できた時が「自由」なのです。 だから、ものを買う時もお金を払うという考えではなく、自分の時間で払うという考えをしてみてください。(これは、映画好きの私がオススメするのは「TIME」という映画を見ると分かりやすいかと) しかしながら、金融資本の世の中である。世の中には、莫大なお金があり人間はお金にいつからか支配されてしまっている。だからこそ、消費社会について考えてみよう。 いつか、自分のことを鏡で見るときがくる。自分の人生を見るとき自分はいったい何を見る?最後残るのはなんなのか? ある程度だが、自分の人生に方向付けることができる。その方向での、自由を見出してみてください。自分自身の幸せを探してください。そのあと、他の人の幸せも考えてみてください。
(※1)血縁関係だけではなく、同じ思想を持った同士のことも指す と話してくださいました。 ここで余談なのですが、質疑応答で外語大学の学生のほとんどが流暢なスペイン語で質問していて同じ国際的な学校としてかなり衝撃的でした・・・・・
最後に、大学生の私たちは何を今すべきなのか?という質問にぺぺは、同じ志の人間を見つけてみてと答えました。人間は、1人では生きていけない。そして、私たちは、発展するために生きているのではない、幸せになるために生きているのだから、仲間を作りともに幸せをつかもうと。僕も、仲間がもっと欲しい。少しでも、この考えに同調してくれる人がいれば連絡がほしいです。
今回、ほぼ徹夜で昨日の内容をまとめてみました。なぜなら、昨日の出来事、感情を忘れたくなかったから。そして、4/8の19時から「日本人は本当に幸せですか?」という番組で放送されます。編集されるので、メディアがどのような見せ方をするのかわかりませんがこのような話をされたというのを知ってからこの番組を見て欲しくて、メディアは、いい意味でも悪い意味でも断片的であると思うのでうのみにするのではなく聞いた、見たことを自分自身で考えて見て欲しいと思います。
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執筆: この記事はリオさんのブログ『一人前の地球人になるまで』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2018年12月23日時点のものです。
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