2012年に新宿・歌舞伎町に突如オープンした『ロボットレストラン』をご存知でしょうか。オープン当時は大きなロボットを積んだトラックが連日都内を走り回り、「♪ロボット ロボット レ~ス~ト~ラン~」と中毒性の高いテーマソングを大音量で流し続けていたため、多くの人が「どんな店なんだろう?」と興味を持っていたのではないかと思います。
開店から6年が経過し、いろいろ変化しているらしい……?
僕も当時は都内の会社で勤めていたため、連日のように音楽を聞かされていたので存在は知っていたのですが、一度も足を運んだことがないまま6年ほど経過しました。
先日ふと気になってロボットレストランについて調べてみると、どうやら6年の間にいろいろと変化を遂げているとのこと。総工費100億円と言われたロボットやレストランスペースも常にリニューアルされ続け、入場料金はオープン当時の倍額(8,000円)に。他にも年齢制限が解除されたり、来客のほとんどが外国人になったりしているのだとか……。
これは一度行ってみたいなと思って問い合わせてみると、かつてトラックに乗って都内を走り回っていたメインキャラクターの『ロボ子』がちょうどリニューアルされるタイミングだったということもあり、取材に伺えることになりました。
ちなみにこの写真の奥2体のロボットがロボ子です。人気ヘアメイクアーティストの冨沢ノボル氏がリニューアルに携わり、ロボットのヘアメイクに初挑戦されたとのこと。さすがロボットレストラン、スケールが大きいです。
ロボットレストランの店内へ! 装飾のすべてがド派手で凄すぎる……
9月某日。ついにロボットレストランの店内に入れる日がやって来ました。まずはチケットカウンターで受付をすることになるのですが、事前にWebか電話で予約をしておいたほうが間違いないようですね。この日は平日でしたがかなり混雑していました。
チケットカウンターには世界中の有名人が来店した記念写真やサインが壁一面に飾られています。
こちらは映画監督のティム・バートン氏。ノリノリでロボットに乗っていました。壁に飾られている写真を見ているだけでも世界中からたくさんの人がロボットレストランに心躍らせて遊びに来ている様子が伝わってきます。
写真鑑賞はほどほどにして受付の手続きを済ませ、開演までの時間をロボットレストランに併設されているバーで待機するため移動をしたのですが……
バーまでの通路がもうすでに異世界。壁一面がギラギラに光っています。どこで写真を撮っても映える感じですね。
そして建物の3階にあるバーに足を踏み入れると……
なんだこの空間は……!! 建物の中を限界までゴージャスにするとこんな感じになる、という答えがここにある感じです。
こちらのバーにはロボットレストランの入場券を持っている人しか入れないのですが、せっかくロボットレストランに来たのなら立ち寄りたいですね。こちらでも簡単なショーが行われるようですし、ビール1杯500円からと価格はド派手な内装に反して良心的です。
あと、開演前にバーに来た方は忘れずにトイレにも行っておきましょう。公演中にトイレに行きたくならないようにというのももちろんですが……
トイレもメチャクチャ派手なので見ておいたほうがいいです。
こんなトイレ初めて来ましたよほんと……。よく公衆トイレには「きれいに使っていただいてありがとうございます」なんて書かれてたりしますが、ここまで高級感が溢れているトイレだと間違いなく誰もがきれいに使いますね。
いよいよショーが行われるフロアへ! 日本じゃない国に来たみたい
そろそろ開演時間が近づいてきたので、ついにショーが行われる地下のフロアへと移動します。フロアは中央に横長のステージがあり、客席が3列ずつ囲むという特殊な形になっていました。よく考えたらここは普通の劇場ではなくて、歌舞伎町のビルの中ですからね。
開演までの間はステージで飲食物やお土産の販売が行われています。そしてお客さんのほとんどが外国人と聞いていましたが、この日はほぼ100%外国人ではないかという状態で、空席はほとんどなし。どうやら完全に東京観光の定番スポットとして定着しているようです。
そんな感じだったので、テーブルに書かれているフード&ドリンクとお土産のメニューはすべて英語。カルピスが「Calpico(カルピコ)」と書かれているあたり、完全にアメリカ人向けの仕様となっています。
ちなみに開店当時は入場すると弁当もセットになっていたそうですが、現在は完全予約制に変更となっていました。せっかく東京観光に来たなら、好きな店で食事できたほうが親切ですもんね。
しばらくするといよいよフロアの照明が落ち、壁一面の画面とアナウンスでショーが4本立てになっていて合間に休憩を挟むことが説明されました。
これもガッツリ外国人向け仕様になっていて、アナウンスはすべて英語。画面に表示された説明も日本語は申し訳程度にしか書かれていませんでした。ここまで来ると日本にいる感覚が薄くなってきて、自分が海外旅行中なのではないかと錯覚してきます。ある意味お得なのかもしれません。
ついにショーが開演! 迫力ある演奏で第1部がスタート
案内が終わるとフロアに大きな音が鳴り響き、ついにショーの第1部が始まりました!
第1部は音楽に合わせて和太鼓を叩く演奏で、次から次へと巨大なロボットに乗った人たちが登場してきます。
和をテーマにしたロボットたちの迫力も凄いのですが、演奏する人たちのテクニックも凄い! オープニングにピッタリな華々しいパフォーマンスにいきなり圧倒されてしまいました。
数え切れないほどいろいろなロボットが登場してくるのですが、かっこいい系のロボットだけでなく、どこかゆるい感じのロボットも出てくるのがツボでしたね。
いきなりのハイレベルなパフォーマンスについついテンションが上がってしまいます。これは楽しいぞ……!
パロディ満載の第2部『Robot Wars』がヤバかった!
あっという間に第1部のパフォーマンスが終わり、休憩タイムを挟んで第2部へと突入します。一般的なショーだと休憩が必要ないくらいの時間でしたが、巨大なロボットを使って歌舞伎町のビル内にある会場でパフォーマンスするという特性上、どうしてもロボットの入れ替えなどの準備時間が必要なのでしょう。ステージの裏側はきっとロボットがギュウギュウ詰めになっているんだろうなあ……。
休憩時間が終わり、再び場内が暗転して第2部がスタート。華々しかった第1部とは打って変わり、なにやら重たい雰囲気の映像が流れ始めました。
そして画面にはストーリーの説明が出てきましたが、「20XX年、知能を持ったロボットが地球を侵略し、人間はロボットの奴隷にされてしまった」という何かの映画で見たことがあるような設定のようです。まわりからはクスクスと笑い声が聞こえてきたので、大体の人が「コレあの映画のまんまやん」と察していたのでしょう。
オープニングの映像が終わると、いかにも悪役という感じの強そうなロボットが登場してきました。こいつらを倒すべく、人間たちは古代から伝わる伝説の生き物を蘇らせて戦いを挑んでいくのですが……
登場してくるのがエビだったり……
カエルだったりともうメチャクチャ。さらにはここには書けないような、さまざまな映画のパロディキャラが次から次へと登場し、その都度会場は「それやっちゃダメだろ!」という感じで大爆笑。あれ、僕は今『おそ松さん』とか『ポプテピピック』を見ているのかな……?
しかし人間たちは徐々に強そうな生き物を召喚し始め、最後は見事にロボット軍を撃破!
迫力ある戦闘シーンが続く中でもギャグの要素が散りばめられていたりして、第2部は最高のエンターテインメントに仕上がっていました。ほんとバカで面白かった……!
歌舞伎町だからこそ成立する独特の世界観! 日本人でも好きになれるはず……
その後、第3部は巨大なロボットが2足歩行しながらパフォーマンスをするダンスショーとなっていて、最後は大量のロボットとダンサーがパレードを行う華々しい演出ですべての公演が終了となりました。
もしロボットレストランが歌舞伎町以外にあれば、もっと広い会場になって表現の幅が広がるかもしれないですし、入場料も安くなったりするかもしれません。ですが、ロボットと人間が作り上げるパフォーマンスは歌舞伎町のカオスな雰囲気とリンクしているのは紛れもない事実。歌舞伎町にあるからこそ最大限に魅力が引き出されているショーなのかなと感じされられました。
現在は外国人観光客が多い関係で、お店側も外国人向けにシフトしている感じはありましたが、だからこそ余計に異世界に来ている感覚を味わえるはず。入場料8,000円と聞くと割高に感じるかもしれませんが、満足度は非常に高いのではないかと思います。興味をお持ちの方はぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。
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(執筆者: ノジーマ) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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