バストが大きくなる仕組みとは?
本気でバストアップを目指すなら、そもそもどうしてバストが大きくなるのか?その仕組みを知っておきましょう。
バストは乳腺と脂肪でできている
バストのなかには何が詰まっているのか? それは、母乳をつくる乳腺という組織と、皮下脂肪です。
乳腺は女性にとって大切な組織ですが、皮膚や筋肉にくっついているわけではなく、柔らかい脂肪に覆われています。
バストを構成する割合としては乳腺が1割、脂肪が9割程度の人が多いので、脂肪を増やすことが重要かと思いがちですが、実は乳腺のほうが重要です。脂肪は乳腺の周りに自然とつくようにできているので、そもそも乳腺が増殖・発達しなければ脂肪も増えてくれません。
つまり、バストアップのカギとなるのは乳腺なのです。
乳腺を発達させるには?
乳腺の発達には、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つの女性ホルモンの分泌が不可欠です。
よく、バストの大きさは遺伝で決まると噂されますが、実は遺伝的要素はそれほど大きくありません。日頃の生活習慣などを気をつけて女性ホルモンを正しく分泌させることで、遺伝的にバストが小さい家系の女性でもバストアップさせることは充分可能なのです。
ただし、大人女性にはガッカリな事実ですが、乳腺の発達はほぼ成長期で終了するといわれています。まれに大人になってからも発達することはありますが、それでも24〜25歳までが限界です。
つまり、20代半ばまでの女性なら、乳腺を発達させてバストだけに脂肪をつける方法があるということ。効率よくバストアップしたいなら、やはりこの時期が重要です。
ですが、大人女性もバストアップを諦める必要はありません。バストの成長期を過ぎても、日々の努力でふんわりバストを手に入れる方法はあります。
ここからは、成長期までの女子に効果的なバストアップの方法と、大人女性に効果的な方法に分けて詳しくその方法をご紹介していきます。
成長期にバストアップする方法
成長期にバストアップするには、乳腺を正しく発達させるという基本的なことが必要です。10代の女子はもちろん、20代中盤までの女性ならこの方法でバストが大きくなる可能性が十分ありますよ。
ストレスをためない
バストアップとストレスは関係がないように思うかもしれませんが、実はとても密接に関係しています。
乳腺の発達には「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンの分泌が不可欠だとお話しましたが、この2つの女性ホルモンは脳からの指令で分泌される仕組みになっています。
脳の視床下部という部分が初めに「女性ホルモンを出せ!」と指令を送ると、下垂体から卵胞刺激ホルモンと黄体刺激ホルモンが分泌されます。そしてそれが卵巣に届くと、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されるのです。
ですが、長期的なストレスを受け続けると、自律神経が乱れて脳が正常に働かなくなります。それによって、卵巣に指示ができなくなり、女性ホルモンの分泌も減少してしまうことが分かっています。
10代から20代中盤までは、受験勉強や友達との人間関係、就職などでストレスがたまりがちです。あまりにもストレスによる脳への負担が大きいと、バストの成長が止まるだけでなく、生理まで止まってしまうことがあるので、女性の体にストレスは大敵です。
ストレスをすべて取り除くのは難しいですが、自分なりの解消法法を見つけたり、誰かに相談することで溜め込まないようにしましょう。
規則正しい生活をする
寝る子は育つといいますが、実は身長だけでなくバストの成長にも睡眠は欠かせません。
起きているあいだにフル回転している脳は、寝ているあいだに回復します。そして疲れを修復するだけでなく、このあいだに成長ホルモンや女性ホルモンなど体の成長に必要なホルモンを分泌する仕組みになっています。
そのため、大人以上に成長期の睡眠は重要です。受験勉強やスマホ・テレビなどで夜更かしをしていると、発育不全の体になってしまうので注意しましょう。
ちなみに、あるテレビ番組で「成長期に睡眠時間が短い傾向にある県の女性は、全国で一番バストが小さい」と取り上げられて一時期話題となっていましたが、これは医学的に十分考えられる話です。
勉強で夜更かしするのを禁止とはいえませんが、毎日のように寝不足になるのはバストの発育のためにはNGです。脳も疲れて集中力が落ちますから、最低でも6時間以上は睡眠時間を確保するようにしましょう。
とくに、いまの若い人は寝る直前までスマホを見ているので、ブルーライトの影響で睡眠の質が落ちています。ベットにまでスマホを持ち込むのはやめて、ぐっすり熟睡することがバストアップには大切です。
しっかり栄養を摂る
成長期にいきすぎたダイエットをしたせいで、バストが育たなかった女性はかなり多いようです。
いくらバストアップには脳が重要といっても、体を育てるための栄養がそもそも足りていなければ、育つものも育ちません。瘦せることはあとからでもできるので、成長期には必要な発育をすることに集中しましょう。
とくに、バストを大きくするのに必要な栄養素は良質のタンパク質です。肉や魚・大豆食品・乳製品・卵などをバランス良く食べるようにしましょう。
ダイエットをしていると、野菜ばかりを食べてどうしてもタンパク質が不足しますが、そもそも良質のタンパク質は太りません。肉も、脂身の少ないものなら低カロリーです。もし肉や魚が苦手なら、プロテインを飲むのもおすすめです。今は味もクセのないものがドラッグストアなどで売られていますから、上手に取り入れると1日に必要なタンパク質が効率よく摂れます。
また、大豆食品は、タンパク質だけでなく大豆イソフラボンも摂れるのでバストアップにはとても効果的です。大豆イソフラボンは体内で女性ホルモンと似たような働きをするので、毎日食べていると「バストが張ってきた」という人もいます。
同じように、女性ホルモンに働きかける栄養素でボロンがありますが、これはキャベツなどに含まれています。密かにバストアップできる食材として人気があるようです。
基本的にはバランス良く色々な食材を食べることが大切ですが、こういったバストアップに役立つものを積極的に食卓に取り入れるようにするといいでしょう。
成長期以降にバストアップする方法
すでに成長期が終わってしまった女性も、やり方次第ではバストの大きさや形を変えることができます。今からでも諦めずに、ふんわりバストを目指しましょう。
ある程度太る
いきなり「太る」とはガッカリかもしれませんが、大人女性が体の中でバストだけを大きくするのは至難の業です。
乳腺を発達させることができれば、そのまわりに脂肪が自然とつきますが、成長期がすっかり終わってしまうと乳腺を発達させることはできません。つまり、バストだけに集中的に脂肪をつけるのは医学的に考えても難しいのです。
さきほどご紹介した大豆食品やキャベツなどのバストアップに役立つ食材も、女性ホルモンに働きかけて乳腺を大きくする役割があるので、効果があるのは成長期までです。大人女性が大量に食べたところであまり効果は期待できないでしょう。
大人女性がバストを大きくしたいなら、まずは全体的に脂肪をつけて、ウェストなどはエクササイズで引き締めるという方法がもっとも現実的です。「太るなんてイヤだ」と思うかもしれませんが、意外とつくべきところに脂肪がついている体のほうが男性にも人気があります。
女性がダイエットをすると、バストや顔など上半身は瘦せやすく、下半身は脂肪が落ちにくい傾向にあるので、ストイックなダイエットはバストのためにはNGです。ガリガリの胸元にならないよう、大人のふっくらバストには適度な脂肪が必要だと覚えておいてください。
大胸筋を鍛える
もし、どうしても全体的に太るのがイヤだという人は、大胸筋を鍛えてバストが大きくなったように見せるという方法があります。
バストの脂肪や乳腺は大胸筋の上に乗っているので、土台となる大胸筋を鍛えれば、バストに厚みを持たせることができます。また、バストが垂れるのを防ぐ効果もあるので、キレイな形をキープしたい人にもおすすめです。
女性が筋肉を厚くするにはある程度の時間がかかりますが、バストアップのためなら頑張れる!という人はトレーニングでコツコツと鍛えましょう。
参考までに、女性でも続けやすいトレーニングの方法をご紹介します。
<カンタン腕立てふせ>
1. 床に手と膝をついて、背筋をまっすぐ伸ばす
2. 手をつく位置は肩よりも少し前に出す
3. 肘を曲げて、胸が床につくまで体を下ろす
4. 斜め後ろに体を持ち上げるように、体を起こす
5. 15回〜20回繰り返す
このトレーニングは、フォームを崩さずに行うことが大切です。疲れて背中が曲がったり、腰が引けてしまうくらいなら、少ない回数でも正しく行いましょう。
筋肉がついてラクになってきたら、床に膝をつけずに腕立てふせをすると負荷が重くなって、さらに効果的です。バストアップだけでなく、二の腕を鍛える効果もありますよ。
トレーニングする時に気をつけたいのは、早く効果を出したいからと毎日行わずに、筋肉が回復するためのスパンを挟むことです。2〜3日おきに、筋肉を休ませながらトレーニングをすることで、毎日行うよりもずっと効果的に筋肉をつけることができます。
それでも女性が筋肉を大きくするには3ヶ月は必要だといわれているので、結果を急ぎすぎずにコツコツ続けていきましょう。
バストを揺らさない
バストアップというと、バストを大きくすることだけを考えがちですが、キュッと上がったバストをつくることも大切です。
バストは体の中でもとくに下垂しやすく、放っておくとどんどん垂れ下がってしまいます。そうなるとボディラインが崩れるだけでなく、デコルテの脂肪が削げて貧相な胸元になってしまうので、早めの対策が肝心です。
そもそも年齢とともにバストが足れる原因は、クーパー靭帯というバストの脂肪と乳腺を支えている靭帯が伸びてしまうことにあります。クーパー靭帯は年齢とともに徐々に伸びていく組織なので、誰でも少なからずバストは垂れます。
ですが、それを加速させる大きな原因が”バストの揺れ”です。クーパー靭帯はとても繊細なので、バストが揺れると少しずつ伸びていくことが分かっています。
それを防ぐためにも、バストは普段からしっかり安定させておきましょう。運動をする時にノーブラなんてもってのほかです。体を動かす時は、しっかりホールドするブラをつけてバストの揺れを最小限におさえることが大切です。
また、ちょっとしたお出かけの時はTシャツブラなどが締めつけもなくラクですが、毎日のようにバストをホールドできないブラをつけていると、クーパー靭帯が伸びやすくなってしまいます。とくに、バストが大きい人や30代以上の女性はバストの揺れは厳禁です。
今は締めつけ感の少ないワイヤー入りのブラなどもあるので、そういったものを利用してできるだけバストを揺らさないようにしましょう。
バストアップのウソ・ホント
ネット上で、よく「◯○するとバストが大きくなる」という噂を見かけますが、はたして本当なのでしょうか?とくによくある噂の真偽を解説します。
マッサージでバストが大きくなる
これは、基本的にはウソです。すでにお話したように、バストは乳腺と脂肪でできているので
、マッサージをしてもそれが増えるわけではありません。
ただし、マッサージをすることでバスト周りの血流をよくしたり、凝り固まった筋肉をほぐす効果が期待できます。それを続けることで形のいい美しいバストを手に入れることはできるかもしれません。
さらに、ご紹介した大胸筋のトレーニングのあとに筋肉をほぐすようにマッサージすると、翌日に疲れが残りにくくなるというメリットもあります。バストを大きくすることはできませんが、マッサージをすること自体はいい習慣だといえるでしょう。
注意したいのは、バストをグイグイ押すようなマッサージや、むやみに揺らすようなマッサージをするとクーパー靭帯が伸びる危険があります。くれぐれも、力を入れずに優しくマッサージしましょう。
育乳ブラでバストが大きくなる
これも、マッサージと同じ理由でウソです。ブラをしても、乳腺や脂肪が増えることはありません。
よく育乳ブラの宣伝でいわれる「背中や脇腹の脂肪をバストに移動させる」というのも、医学的にはありえません。ブラをつけているあいだは他の部分の脂肪をバストに固定することができますが、そのままバストに移動するというのはまずあり得ないでしょう。
育乳ブラのメリットは、バストを大きくすることではなくホールドして垂れないようにすることです。しっかりしたワイヤーの入ったものが多いので、活動的な昼間の時間につけるとバストの揺れを防ぐことができます。
ただし、ワイヤー入りの育乳ブラを寝ているあいだもつけるのはNGです。体を締め付けて血流やリンパの流れが悪くなったり、熟睡を妨げます。寝る時は必ずナイトブラをつけるようにしましょう。
サプリメントでバストが大きくなる?
これは、ウソとも本当ともいえます。バストアップサプリのなかには、プエラリアなど女性ホルモンの分泌を促す効果が期待できるものがあり、成長期の女子が飲むことでバストに張りが出たり、サイズアップすることもあります。
その反面、プエラリアの影響で女性ホルモンが乱れ、生理不順になったり不正出血するなどの健康被害が続出しました。現在は、日本医師会などでもプエラリアの配合されたサプリメントへの注意喚起がされています。
このように、飲むだけで体に目に見える変化があらわれるようなサプリメントは、その反面副作用の危険があります。本来は、そういったものは医師の処方のもとで飲むべきものです。
その他にも、さまざまな種類のバストアップサプリメントがありますが、安全に飲めるものは「バストアップのサポートをする」といった程度のものだと思ったほうがいいでしょう。サプリメントに過度な期待をして、強い成分のものを飲まないほうが安全です。
まとめ
バストを大きくするには、乳腺を発達させることが必要不可欠です。成長期(遅くとも20代中盤まで)の女子なら、ストレスをためないことや規則正しい生活をすることなどを心がければ、乳腺の発達を促すことができます。
それ以上の年齢の女性は、ある程度太って全体的に脂肪をつけたり、大胸筋を鍛えてバストに厚みを持たせるなどの方法が効果的です。
巷にあふれるバストアップ方法のなかには、効果のないものや危険なものもあるので、正しく安全な方法でバストアップを目指していきましょう。