体がむくみがちなら「カリウム」の摂取を

なぎ

からだに「むくみ」が引き起こされるメカニズム

体がむくんで太くなってしまう原因は、細胞から排出された水分などの老廃物がたまってしまうからというのは、多くの人が知っていると思います。

しかし、健康なからだであればそもそも過剰な水分や老廃物はおしっこなどで排出されていくもの。何故これが排出されずに体のなかに溜まってしまうのかというと、それは塩分の取り過ぎが主な原因の一つ。



日本人は特に食事で塩分を取り過ぎといわれていますが、塩分を沢山とると血液中の塩分濃度が上昇します。

体は適度な血液中の塩分濃度が保たれていないと健康な状態を保つ事が出来ないため、塩分濃度が上がるとそれをある程度の状態まで下げようとする働きが起こります。



そして、ここで体内において引き起こされる反応が2パターンに分かれます。

カリウムが十分にあると尿や汗などとして排出される

血液中の塩分濃度が高くなった際、体内にカリウムというミネラル成分が十分にあると、血液中の塩分が上手に尿や汗に取り込まれ、体外に排出されるようになります。

カリウムは体内に存在している量が最も多いミネラルで、この血液中の塩分濃度調整（浸透圧調整）の他、筋肉の収縮や神経伝達などに重要な栄養素。

カリウムが十分な量、体内にあれば、何の問題もなく塩分の排出がされるのです。

カリウムが少ないと、水を貯め込んで塩分の濃度を下げる

一方、体内にカリウムが少なかった場合は状況が異なります。

カリウムが無いと血液中の塩分を排出できないため、塩分を減らすのではなく、水分を増やして塩分を薄めようとします。

これが体のむくみの原因で、多すぎる塩分を沢山の水で薄めるようにするため、からだが水分を貯め込んでむくんだ状態になるのです。

つまり、カリウムが少ない事がむくみが引き起こされるとても大きな原因になっているのです。

カリウムの必要摂取量と摂り方

カリウムの摂取量としては、2015年の厚生労働省発表の指針によれば、18歳以上の成人女性で1日2000㎎が必要量。目標量は2600㎎とされています。（男性の場合は必要量が2500㎎で3000㎎以上が目標値）



同じ年代の女性であれば、カルシウムの場合必要量が550㎎、鉄分の場合は10.5㎎、ビタミンCなら85㎎程度なので、カリウムが多く摂取しなければいけない栄養素だというのが分かります。



それだけ多く必要になるカリウムですが、実は食事に含まれる分量も多いので、普通に食事をとっていればそこまで不足する事はあまりありません。

ただ、最近ではダイエットのために食事量を減らしている女性や、塩分の多いスナック菓子やレトルト食品などを常食している人も多いので、むくみが気になるようであればカリウムの積極的な摂取を心がけてみましょう。

カリウムを摂りやすい食べ物

カリウムが多い食材としてよく挙げられるものがほうれん草やキュウリ。

ほうれん草は大体一株が30g程度で、その場合のカリウムが200㎎程度。キュウリは1本100gだとすると、カリウムが200㎎程度摂取できます。

また、フルーツであればバナナが1本100g程度でカリウムが360㎎なので、1日にバナナを7本食べればカリウムの摂取目標値はクリアできます。



その他、お肉であれば豚肉で100gあたりカリウムが360㎎。卵は一個当たり50gでカリウムが65㎎。ご飯でも1杯160g程度にカリウムが46㎎で、玄米なら120㎎程度摂取できます。



もしそれ以上に積極的に摂取するなら、大豆やアーモンドなどの豆類がおすすめ。

乾燥アーモンドなら100gあたり770㎎、炒った大豆なら1900㎎も摂取する事が可能です。

ただ、豆類を食べる時は塩分も多くとってしまうとむくみの原因にもなるので、味が濃すぎるものは避けるようにしましょう。



同様に、実はポテトチップスも100gあたりのカリウムが1200㎎となっていますが、やはり塩分濃度が高いためオススメはできません。

カリウムの多い飲み物

カリウムは何も食事だけではなく、飲み物からも摂取できます。



カリウムが豊富な所では、トマトジュースが100gあたり260㎎。オレンジジュースが190㎎で、飲み物は1杯200g程度なのでジュース系を飲むだけでもカリウムは沢山摂取できます。



また、コーヒーでも100gあたり60㎎程度。お茶にはカリウムが少ないのですが、玉露の場合は100gあたり340㎎と多く摂取する事が可能です。

腎臓が悪い場合はカリウムの摂取に注意

以上のように、積極的に摂取したいカリウムですが腎臓が悪い場合は逆に摂取量を抑える必要があります。



これはカリウムが体に悪影響というものではなく、腎臓の機能が弱っていると体内の老廃物を排出する機能が弱まるため、カリウムも排出されずに体に残り続けやすくなってしまい、体内のカリウム濃度が上昇していきます。

通常は多く摂取してもどんどん体外に排出されるカリウムですが、腎臓機能の低下で体内のカリウムが排出されなくなると、痙攣や嘔吐などの症状に見舞われてしまうのです。

腎臓が悪い時はカリウムの摂取について医師から注意されると思いますが、カリウムが多い食事をなるべく控えるようにしましょう。

カリウムをしっかりとってむくみを予防！

カリウムは体内の水分コントロールに重要なミネラル分。

せっかくダイエットを頑張っても、カリウムが少なければ体がむくんでボディラインも綺麗にみえませんし、むくんだ場所の燃焼効率が下がって痩せにくくなってしまいます。

しっかりとカリウムを摂取して、むくみのないキレイなボディラインを目指しましょう！