パソコンやスマートフォンが普及している現代。ブルーライトの光を浴びる生活が当たり前となっています。
ブルーライトの光を浴び続けると交感神経が高ぶり、睡眠の質が下がるなど健康被害がよく報告されています。そして近年、ブルーライトが肌にも悪い影響を与えることが美容業界で発見されました。
体はもちろん肌の健康を守るために、ブルーライトをできる限り浴びないよう心掛けることが大切です。
そこで本記事では、ブルーライトが肌に与える悪影響と日常生活での対策法について解説します。
ブルーライトと肌の関係
大手化粧品メーカー「資生堂」が、ブルーライトを肌に照射して検証実験し、2020年9月にブルーライトが肌にダメージを及ぼしていることを発表しました。
ここでは、「ブルーライトによる肌ダメージのメカニズム」と「ブルーライトが肌に与える悪影響」について解説します。
ブルーライトによる肌ダメージのメカニズム
ブルーライトは、可視光線の中で最も波長が短く、エネルギーが強いのが特徴で、肌の真皮層まで到達し細胞を傷つけます。
具体的には、ブルーライトを浴びると体内に活性酸素が生成されて、肌を美しく保つために必要なコラーゲンを破壊していくのです。
コラーゲンが破壊されると、肌のうるおいが失われて肌トラブルを頻発しやすくなります。また、ハリ・弾力もなくなって肌の劣化の原因にもつながっていきます。
ブルーライトが肌に与える悪影響
ブルーライトは、肌の深層にまで届いてさまざまな影響を与えます。ブルーライトが肌に与える悪影響は、具体的に次の3つです。
シミ、くすみ
ブルーライトは、肌の表皮でも吸収されるため、メラノサイトを刺激してメラニンを発生させ、シミやくすみを引き起こします。ブルーライトによって日焼けしてしまうことを「スマホ焼け」といいます。
また、加齢などによりターンオーバーが遅れると、メラニンが多く蓄積され、さらに排出が遅れるためさらにシミ・くすみが目立つようになります。
シワ、たるみ
前述で触れたとおり、ブルーライトが真皮層で吸収されると、活性酸素が発生してコラーゲンを破壊します。すると肌のうるおいと弾力が失われて、シワ、たるみなどエイジングサインが表れるようになります。
また、ブルーライトによって良質な睡眠がとれないと、脳がストレスを感じ「副腎皮質刺激ホルモン」が分泌されてターンオーバーが遅れ、シワ、たるみが深刻化しやすくなるため注意が必要です。
肌の再生力低下、肌荒れ
ブルーライトを浴び続けると、肌のターンオーバーが乱れるため、傷ついた肌細胞の回復が遅れてしまいます。また、ブルーライトは睡眠の質を低下させるため、就寝中の成長ホルモンの分泌も少なくなり、さらにターンオーバーが遅れていく悪循環となります。
このようにターンオーバーが乱れると、肌状態が不安定となってバリア機能が低下し、些細な刺激にも耐えられなくなり、結果として肌荒れなどのトラブルが起こりやすくなるのです。
日常生活でできるブルーライト対策
肌の劣化を予防するためには、ブルーライトから肌を守る行動を日ごろから意識することが大切です。
ここでは、日常生活でできるブルーライト対策を3つ紹介します。
スマートフォンやパソコンの画面を調整する
簡単にできる対策として、スマートフォンやパソコン画面の明るさや色の調整があります。調整することで、発光されるブルーライトの量を物理的に弱めることができます。
画面は明るいほど肌に刺激が強いため、暗くなりすぎない程度に調整しましょう。同時に、ブルーライトカット効果のある保護フィルムの使用や、眼鏡の着用も併用するとなおよいでしょう。
抗酸化作用のある基礎化粧品を使ったスキンケアをする
毎日のスキンケアでは、ブルーライトによる活性酸素を抑える抗酸化作用のある基礎化粧品を使いましょう。
基礎化粧品によく使われている抗酸化作用のある成分は次のとおりです。
- ビタミンC誘導体
- ビタミンE
- コエンザイムQ10
- フラーレン
なかでもビタミンC誘導体は、抗酸化作用のほか、メラニンを還元する効果、ターンオーバーを促進する効果など、ブルーライトのダメージを軽減する美容効果が高いのが特徴です。
基礎化粧品を選ぶ際は、成分表を見てビタミンC誘導体が配合されているかチェックすることをおすすめします。
活性酸素を抑える食べ物を摂取する
ブルーライトによる活性酸素の発生は、食べ物で体の内側から防ぐことも大切です。抗酸化作用のある食べ物を積極的にとりましょう。
例えば、抗酸化作用のあるアスタキサンチンを多く含む鮭。また、ビタミン類も活性酸素を抑えるのに役立ちます。とくに、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンCを同時にとると、抗酸化作用が高くなるといわれています。
果物や野菜でとってもよいですし、食品でとるのが難しい場合はサプリメントを使って効率よく摂取しましょう。
まとめ
ブルーライトは、可視光線の中で最も波長が短く、エネルギーが強いのが特徴で、肌の真皮層まで到達し細胞を傷つけます。
ブルーライトが肌に与える悪影響として「シミ、くすみ」「シワ、たるみ」「肌の再生力低下、肌荒れ」の3つがあります。
日常生活でできるブルーライト対策は「スマートフォンやパソコンの画面を調整する」「抗酸化作用のある基礎化粧品を使ったスキンケアをする」「活性酸素を抑える食べ物を摂取する」ことの3つです。
ブルーライトを避けられない生活の中でも、工夫次第で肌への影響を最小限にとどめられます。本記事で紹介した対策法を日常生活で取り入れ、肌の美しさと健康を守っていきましょう!