保湿ケアとUV対策こそエイジングケアの第一歩
肌老化は20代後半からはじまり、30代になると目元の小じわ、くすみ、ほうれい線、毛穴の開きなど、エイジングサインが気になり始めるもの。「今までどおりのスキンケアでいいの?」と不安になる方もいることでしょう。
「エイジングケア」という言葉が気になりだしたら、最初にやりたいことは保湿ケアとUV対策の見直しです。その理由は、お肌が老化する原因にあります。
肌老化の原因(1)うるおい保持能力の低下
すこやかで若々しい印象の肌を叶えるには、肌のうるおいがかかせません。
ですが、30代をすぎると肌の生まれ変わるサイクル「ターンオーバー」が長くなります。うるおいを保持する力が弱まり、肌の乾燥を引き起こします。そして、小じわやたるみ、毛穴の開きなどのトラブルがあわられるのです。
ちなみに、40代をすぎると、角層内のうるおい保持成分(天然保湿因子、セラミド)そのものが減少するため、より強い乾燥を感じるように…。
さらに、ターンオーバーが停滞すると、古い角質が蓄積されやすくなります。古い角質にはシミの原因メラニンが含まれており、色素沈着やくすみが目立つようになるのです。
肌老化の原因(2)紫外線ダメージ
紫外線は肌老化の原因の8割をしめると言われています。先程触れたとおり、加齢にともないターンオーバーが停滞してうるおい力が失われると、紫外線に対するバリア機能も低下。
紫外線が肌に及ぼす悪影響は、多岐に渡ります。主だったところを見てみると…、
- 肌の表面の乾燥
- メラニンの生成
- 肌内部にあるハリ・弾力成分(コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸)の破壊
- ハリ・弾力成分を生成する線維芽細胞の破壊・機能低下
- 細胞にダメージを与える活性酸素の生成
悪影響を受けた肌は、深いシワ、はっきりとわかるほどの肌のたるみ、ツヤがなくいつも顔色が悪く見えるなど、老け見えレベルを加速させます。
だから保湿ケアとUV対策が大切!
もちろん、加齢による細胞そのものの衰え、悪しき生活習慣(食生活の乱れ、睡眠不足、喫煙など)の蓄積なども肌の老化原因になります。
したがって、エイジングケアを本気で考えるなら、生活習慣の見直しなどやるべきことは多くなりますが、「あれもこれも全部やる!」となるとなかなか大変なもの。
エイジングケア初心者の方は、たくさんのことに手を出さず、まずは基本となる保湿ケアとUV対策の見直しからはじめてみましょう。
保湿アイテムは何を選べばいい?
徐々にうるおい保持力が低下する30代以降は、高保湿アイテムを選びましょう。一口に高保湿といっても、ミルクタイプのさらっとした美容液、みずみずしいジェルクリーム、こっくり濃厚クリームまでさまざま。さらさらした化粧水なのに、とってもうるおう!というアイテムもあります。
したがって、高保湿かどうかは、テクスチャよりも配合成分で選ぶようにしましょう。
3大保湿成分はテッパン
エイジングケアを意識するなら、3大保湿成分ははずせません。セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸の3つですが、いずれも種類が複数あり、保湿力が異なります。
エイジングケアにもっともおすすめなのはセラミドで、中でも「ヒト型セラミド」は肌になじみやすく、保湿力が高いと言われています。
肌表面にうるおいヴェールを作って、長時間、水分をキープするスーパーヒアルロン酸、角層内部のうるおいを守る加水分解コラーゲンなどもよいでしょう。
いずれにしても、3大保湿成分が複数配合された基礎化粧品は、保湿力が高い傾向にあります。
肌をやわらかく整える植物オイルもおすすめ
植物オイルには、肌を柔らかく整えて、なおかつ内部のうるおいを守るエモリエント効果があります。
加齢に伴い乾燥がすすむと、肌がかたくなりシワやたるみを悪化させかねません。植物オイル配合のアイテムで、素肌本来の柔らかさを引き出しましょう。
使うアイテムを全部変えなくてOK
エイジングケアのために基礎化粧品を総取っ替えする必要はありません。いつものアイテムに美容液や美容オイルをプラスしたり、最後に使うクリームの保湿力だけUPさせるなど、できることからはじめてみましょう。
日焼け止めは正しく塗る
紫外線と肌老化の関係は、多くのメディアで紹介されているため、日焼け止めを使っている方は多いことでしょう。ですが、正しく使えていなければ、結局、肌老化を加速させかねません。
エイジングケアのためにも、UV対策を再確認していきましょう。
日焼け止めの基本をおさらい
まず、日焼け止めの基本情報を確認しておきましょう。
SPFとPA
日焼け止めに記載されたSPF・PAの意味をご存知ですか?「数値が高いほど効果が高い」と考えている方も多いのですが、SPFの数値は、日焼け止めを塗っていない状態と比べて、紫外線B波による赤い日焼けをするまでの時間をどれくらい伸ばせるかの目安です。
「じゃあ、高SPFの日焼け止めを塗っておけば、ずっと日に焼けないのね」という考えも×。たとえば、夏は汗で日焼け止めが流れてしまいますから、高SPFの日焼け止めを塗っても、塗り直さなければ意味がないんです。
PAは、肌の奥にダメージを与えてハリ・ツヤ成分を破壊する紫外線A波に対する防御力を示します。+はやや効果がある、++は効果がある、+++は非常に効果がある、++++はきわめて高い効果があるをあらわします。
紫外線吸収剤と散乱剤
紫外線ダメージを防ぐ成分は大きく2つです。
紫外線吸収剤
紫外線を吸収して熱などのエネルギーに変える。
紫外線散乱剤
紫外線を散乱させて肌へのダメージを防ぐ。
一般に、敏感肌は紫外線吸収剤が刺激になりやすいと言われていますが、近年、紫外線吸収剤が肌に直接触れない処方の日焼け止めも登場しました。紫外線散乱剤よりも、吸収剤のほうが白浮きしにくい・キシキシしないというメリットもあります。
肌に合うか、使い心地をチェックして、ご自身の使いやすいアイテムを選びましょう。
適量、使わなければ効果なし!
お気に入りの日焼け止めを見つけても、正しく塗らないと意味がありません。適切な量を正しく塗って、紫外線による肌老化をブロックしてくださいね。
- 液状タイプ:1円硬貨1個分×2回
- クリームタイプ:パール粒1個分×2回
いずれも両頬・おでこ・鼻・あごの5点おきにしてていねいに塗ったら、もう一回同じ量を塗ります。なお、時間の経過にともない日焼け止め効果が低下したり、汗や衣類の摩擦で落ちてしまったりするので、数時間おきにこまめな塗り直しをするのをお忘れなく。
攻めのエイジングケアにもトライ
保湿ケアやUV対策だけでは満足できないという方は、シワ改善美容液や美白美容液を取り入れましょう。
ただし、シワ改善や美白に有用な成分は、効果実感が高いものほど、肌に刺激になりやすい傾向があります。たとえば、シワ改善効果があるレチノール、美白ケアに有用なビタミンCなどが挙げられます。
それゆえ「攻めのエイジングケア」と言われるのですが、肌が炎症を起こしては意味がありません。シワ改善や美白に有用なナイアシンアミドやVC-IP(ビタミン誘導体)などは、敏感肌の方でも使いやすいと言われています。
ご自身の肌に合うかどうかをきちんと見極めたエイジングケアアイテムで、いつまでも若々しい印象の肌をキープしてくださいね。