体脂肪を効率よく減らす3つのコツ
ダイエットプログラムをご紹介する前に、「トレーニングで体脂肪を効率よく減らすコツ」を3つお伝えしておきましょう。
1:全身の大きな筋肉を刺激する筋トレを「中程度の強度」で行うこと
「体脂肪を減らす運動」と言えば、「有酸素運動」が真っ先にイメージされますが、体脂肪を減らすには筋トレも必要と言えます。
筋トレを行うことで基礎代謝アップにつながり、消費エネルギー量を高めることができるからです。
また、筋トレを行うことで「成長ホルモン」を分泌させることができますが、これには筋肉や骨の成長を促す成長作用の他、脂肪細胞を分解し血中への遊離脂肪酸動員を促す「脂肪分解作用」があるのです。
筋トレで成長ホルモンの分泌を促したり基礎代謝アップにつなげたりするには、中程度の強度で行う必要があります。具体的には、10回前後反復可能な強度で1分間の休憩を入れながら、3~6セットで筋トレを行うようにします。
2:筋トレのあとに有酸素運動を行うようにすること
脂肪燃焼効率を上げるには、筋トレを行った後で有酸素運動を行うようにします。なぜなら筋トレ直後は脂肪が分解され始めるタイミングだからです。
そのため筋トレを行った後で有酸素運動を行えば、分解された脂肪がすぐにエネルギーとして使われるようになるので、効率よく体脂肪を減らすことができるようになります。
3:有酸素運動は「呼吸が乱れない強度」で行うこと
そして有酸素運動で体脂肪を減らすためには、「運動強度」がとても重要です!
「早く体脂肪をたくさん減らしたいから」といって「ハーハー、ゼーゼー」と息が激しく乱れてしまうほどの強度で行ってしまっても、残念ながら脂肪燃焼効果は期待できません!
脂肪を燃焼させるには大量の酸素が必要となりますが、体内に十分な酸素が行き届かないため、消費できる脂肪の量が少なくなってしまうからです。
そのため有酸素運動でより多くの脂肪を燃焼させるためには、「ややキツイ」と感じる程度の、呼吸が乱れない程度の強度で行うようにします。
おうちの中で手軽にできる「30分間ダイエットプログラム」
それでは「体脂肪を効率よく減らすコツ」を踏まえた上で、ダイエットプログラムを行っていきましょう!
トレーニングを行うにあたり用意しておきたいものは、次の2つだけです。
- ウエイト(ダンベル一組、もしくは水の入った500mlペットボトル一組)
- ヨガマット、もしくは大きめのバスタオル
尚、トレーニングを行うにあたり、滑りにくい床の上を選び、ぶつけて思わぬケガをしてしまうことがないように、周りに障害物がないことを確認した上で行うようにしましょう。
(1)スクワット
- 肩幅程度に足幅を広げて、つま先と膝はやや外側に向けて立ちます。両手を頭の後ろに組んで胸を張り、お尻を軽く後ろに突き出します。
- 息を吸いながら、後ろに突き出したお尻を膝の高さもしくはそれよりもやや低い位置までゆっくり下ろしていき(写真左)、息を吐きながらかかとで床を押し蹴るようにして立ち上がります(写真右)。
お尻の筋肉である「大殿筋」と、太ももの筋肉である「ハムストリングス」と「大腿四頭筋」に効かせることができます。
10回を1分間の休憩を入れながら、5~6セット行うようにします。
効果的に行うためのポイント
スクワットを効果的に行うには、「お尻」がポイントとなります。
軽く後ろに突き出しお尻を膝の高さまでしっかり下ろすようにすることで、大殿筋に効かせることができる上、膝がつま先よりも前に突き出しにくくなります。
(2)バックランジ&ニーアップ
- 腰幅程度に足幅を広げて、つま先と膝は正面に向けて立ちます。
- 片脚を後ろに引いてお尻を膝の高さまで下ろしたら(写真左)、その脚をそのまま前に振り上げて、ニーアップ動作を腕振り動作を加えながら行います(写真右)。
スクワットと同様、大殿筋とハムストリングス、大腿四頭筋に効かせることができる上、体幹部の安定性も要求されるようになります。
左右それぞれ10回を3セット行います。
効果的に行うためのポイント
上体をやや前傾させるようにすると、大殿筋とハムストリングスへの効果を高めることができるだけでなく、膝への負担を軽減させることができます。
動作中は、つま先と膝、股関節を結ぶラインが一直線となるように心がけましょう。膝がつま先と股関節に対して内側や外側に入ってしまうと、膝への負担が大きくなってしまうからです。
(3)ベントオーバーローイング → 壁を使った腕立て伏せ
背中のエクササイズである「ベントオーバーローイング」を10回行ったら、その拮抗筋である胸の筋肉のエクササイズとなる「壁を使った腕立て伏せ」を続けて10回行います。これを1セットとし、1分間の休憩を挟んで3セット行います。
このように拮抗する2つの筋肉のトレーニング種目を組み合わせて連続して行う方法を「スーパーセット法」といいます。
スーパーセット法を用いることで時短効果が得られるだけでなく、筋肉に十分な刺激を与えることができます。
ベントオーバーローイング
- 両手にウエイトを持ち、腰幅程度に足幅を広げて、つま先と膝は正面に向けて立ちます。
- 両膝を軽く曲げてお尻を後ろに引きながら、上半身を床と向き合うまで前に倒します。両腕は真下に下ろし、手のひらが正面に向くようにします(写真左)。
- 息を吸いながらウエイトをわき腹に触れるまで引き上げていき、そこから更に肩甲骨を内側に寄せて胸を張った状態で1秒程度静止します(写真右)。息を吐きながら重力に逆らうように、ゆっくりウエイトを下ろしていくようにします。
背中の筋肉である「広背筋」「僧帽筋中部線維」「脊柱起立筋」などに効かせることができます。
効果的に行うためのポイント
広背筋に効かせるコツは、肘でウエイトを引き上げるようにすることです。そのためには、エクササイズ中は常にウエイトを持つ手が肘の真下に位置するようにします。
壁を使った腕立て伏せ
- 壁と向き合って立ち、両手を肩幅よりもやや広めに広げて、肩の高さよりもやや低い位置になるように壁に付きます。
- 頭から足までを結ぶラインを一直線にしたまま、息を吸いながら上腕部を開いていくことで左右の手の間に胸をゆっくりと下ろしていき(写真左)、息を吐きながら開いた上腕部を閉じる(写真右)という動作を繰り返していきます。
そうすることで、胸の筋肉である「大胸筋」と、腕の筋肉である「上腕三頭筋」に効かせることができます。
効果的に行うためのポイント
ポイントは「手の置き方」です。肩幅よりもやや広めに手幅を広げることで、上腕部の「開いて閉じる」という動作が可能になり、大胸筋に効かせることができます。また、肩の高さよりもやや低い位置に手を置くことで肩への負担を軽減させることができます。
(4)脚上げクランチ
- 仰向けになって両手を頭の後ろに組んで肘を開き、両脚を上げます。このとき、「仙骨」という腰とお尻の間にある骨を床から浮かすようにします。
- 頭を床から浮かしたところから、息を吐きながらみぞおちを支点に上体を起こしていき、肩甲骨が床から離れるまで起こしていきます(写真上)。腹直筋が収縮していることが感じられるところで1秒程度静止し、息を吸いながら上体を下ろしていきます。
脚を上げた状態でクランチ動作を行うことで、腹直筋全体に効かせることができます。
15~20回を1分程度の休憩を入れながら、3セット行います。
効果的に行うためのポイント
みぞおちを支点に上体を起こすようにし、エクササイズ中は背中を床にしっかりと密着させることが腹直筋に効かせるポイントです。
また、両肘は必ず開いておくようにしましょう。両肘を閉じてしまうとお腹ではなく腕の力で起こしてしまいやすくなるからです。
(5)有酸素運動(その場ウォーキング → マウンテンクライマー)
その場で歩く動作を行う「その場ウォーキング」を1分間行ったら、上の写真のように腕立ての体勢から左右交互にももをお腹に引き付ける動作を繰り返す「マウンテンクライマー」を30秒間行います。
これを1セットとし、休憩を入れずに3セット続けて行います。軽く息が弾む程度のペースで行うように心がけましょう。
ダイエットプログラムは週何回行えばどのくらいで効果が現れてくるのか?
今回は、「春に向けてダイエットに取り組みたい」という方のために、ご自宅でできる30分間ダイエットプログラムをご紹介しました。
このプログラムは、必ず休養日を1~2日挟んで週2~3回行うようにしましょう。
食事に関しては、【「ダイエット成功」のために食事で着目すべきポイントとは?】で詳しくお伝えしておりますので、こちらも合わせて参考にしてください。
続けることで、個人差はありますが、2~3ヶ月後にはダイエット効果が現れてきます!楽しい春を迎えるために、頑張って続けてみてくださいね!