「猫背」になると二の腕が引き締まらない理由とは?
それではなぜ猫背の姿勢になると、二の腕引き締め効果が得られにくくなるのでしょうか。
猫背というのは上背部が丸くなり、肩甲骨が外に開いた状態です。すると肩が前に入った状態になるため、「腕を後ろに引く」という動きが制限されてしまいます。
二の腕引き締めには上腕三頭筋へのエクササイズを行う必要がありますが、上腕三頭筋には肘を伸ばしたり腕を後ろに引いたりする働きがあるのです。
そのため猫背の状態で上腕三頭筋のエクササイズを行っても、筋肉を十分に収縮させることができなくなるので、なかなか二の腕が引き締まらないということになってしまうと言えるのです。
猫背を引き起こす「2つの生活習慣」
猫背になってしまう原因は、ズバリ生活習慣にあると言えます。
「猫背を起こしやすい生活習慣」として、主に次の2つが挙げられます。
1:長時間、背中を丸めてのパソコン作業やスマホチェック
長い時間、パソコンやスマホと向き合っている方が多いと思いますが、その際に背中が丸まっていると猫背になってしまいます。
背中を丸めてパソコン作業やスマホチェックをしていると、自然と頭が前に突き出た体勢となります。
そうすると背中や肩甲骨を内側に寄せる筋肉が緩んだ状態となる一方で、胸や肩前面の筋肉などの緊張が強くなるため、猫背の姿勢となってしまうと言えます。
2:背もたれにもたれかかってイスに座り続けること
「普段座りっぱなしでいることが多い」という方、背もたれにもたれかかってイスに座り続けていませんか?
そうすると骨盤が後傾して、背骨を支える「脊柱起立筋」が緩みっぱなしの状態となります。その結果背中が丸まった状態となり、猫背の姿勢になってしまうと考えられます。
「猫背の姿勢」かどうかを誰でも簡単に把握できる方法
しかし自分がどの程度猫背になっているかどうかを知るのは、なかなか難しいですよね。
ここで誰でも簡単に猫背の姿勢かどうかをチェックできる方法をお伝えしましょう。下の写真のように、壁にかかと、お尻、肩(肩甲骨)、そして後頭部をつけて立つだけです。
そうすると後頭部が壁につけにくく感じた場合、猫背である可能性が高いと言えます。
後頭部が壁につけにくく感じなくても、そこからバンザイをするように両腕を上げると両腕が壁につかなかったり、腰の反りが大きくなったりする場合も、猫背の姿勢である可能性が考えられます!
猫背改善に有効なストレッチとエクササイズ
猫背のままでいくら二の腕引き締めに有効な上腕三頭筋へのエクササイズを行っても、先ほどお伝えしたように上腕三頭筋を十分に収縮させることができないので、二の腕引き締め効果は期待できません。
そこで、上腕三頭筋へのエクササイズを二の腕引き締めに有効なものにするにあたり、猫背の姿勢を改善させておく必要があります。
ここでは、猫背改善に有効なストレッチとエクササイズをご紹介しましょう。
猫背の姿勢をリセットするストレッチ
ストレッチを行うにあたり、テニスボールを1つ用意しておきましょう。
- 用意したテニスボールが左右の肩甲骨の間に位置するようにセットし、両膝を立てて仰向けになります。
- 両腕をカラダの真横に構え、手のひらを天井に向けるようにします。
- 息を大きく吸いながら両腕を大きく開くように頭上に向かって上げていき(写真上)、息を大きく吐きながら両腕を閉じるように下ろしていく(写真下)という動作を3回行うだけです!
そうすることで丸まった上背部をニュートラルな状態にすることができるので、猫背の姿勢をリセットすることができます。
両腕をゆっくりと少しずつ動きを大きくしていくことがストレッチ効果を高めるポイントです。
猫背を改善する「肩甲骨内転筋群へのエクササイズ」
- うつ伏せになり、両腕は肩のライン上に広げて親指側を天井に向けます。
- 胸を床から離したまま、息を吸いながら肩甲骨を内側に寄せることで両腕を上げていき、上げ切ったところで1~3秒間静止します(写真上)。
- 息を吐きながら両腕を床に触れる手前まで下ろす(写真下)という動作を繰り返します。
肩甲骨を内側に寄せる動作を繰り返すことで、肩甲骨内側にある「肩甲骨内転筋群」を強化することができ、猫背改善効果が期待できます。
15~20回を、1分程度の休憩を入れながら2~3セット行います。
【ポイント及び注意すべき点】
あくまでも、左右の肩甲骨を内側に寄せる動作で両腕を上げるようにしましょう。
また、上体を起こし過ぎないようにしましょう。上体を起こし過ぎてしまうと、肩甲骨内転筋群ではなく腰部の筋肉に効いてしまうからです。
そのため、エクササイズ中は胸から下の部分は床から離さないようにしましょう。
猫背改善させた上で三頭筋エクササイズを行うと「二の腕引き締め効果」がアップ!
猫背を改善した上で改めて上腕三頭筋エクササイズを行うと、上腕三頭筋に十分な刺激を与えられるようになるので、二の腕引き締め効果が得られやすくなります!
例えば「手幅を狭くした腕立て伏せ」(写真下)では、肩甲骨を内側に寄せて胸を張ったまま肘を伸ばす動作を繰り返すことができるので、上腕三頭筋に集中して刺激を与えられるようになります。
また、「キックバック」(写真下)では、腕を後ろに引く動作が行いやすくなるので、肘を肩の高さ、もしくはそれよりも少し高い位置まで上げて肘を伸ばす動作が可能となり、上腕三頭筋を十分に収縮させることができるようになります。
二の腕を引き締める上腕三頭筋エクササイズに関しては、「気になる「ぽっちゃり二の腕」をすぐに解消させたい人にお勧めなエクササイズ」で詳しくお伝えしておりますので、是非こちらもご参考にしてください。
猫背を改善させた上で上腕三頭筋エクササイズを行うことで、引き締まった二の腕を手に入れてくださいね!