「ポッコリお腹」を引き起こす3つの原因とは?
冒頭でもお伝えしましたように、ポッコリお腹を解消させるには、原因に合わせた対処法が必要となります。
ポッコリお腹を起こす主な原因として、
- 骨盤の開き
- 便秘
- 皮下脂肪と内臓脂肪
の3つが考えられます。
1:骨盤の開き
「骨盤が開いた状態」というのは、本来逆三角形のような形をした骨盤が、台形のような形をした状態を言います。
骨盤は本来、開いたり閉じたりするのですが、悪い姿勢や腹筋力の低下などにより、開きっぱなしとなってしまいます。
骨盤が開きっぱなしになると、内臓が下垂してしまうので、ポッコリお腹につながると言われています。
対処法
骨盤が開きっぱなしになる原因として、悪い姿勢や腹筋力の低下などが考えられるので、この2つをクリアにさせることで、骨盤の開きによるポッコリお腹の問題を解消につなげることができると言えます。
悪い姿勢というのは、具体的には「猫背」の姿勢が挙げられます。猫背になると、心臓や肺を取り囲むカゴ状の組織である「胸郭」が落ち込み、骨盤が開きっぱなしになると言われています。
また、ここで言う腹筋というのは、腹直筋下部と腹横筋のことを言います。腹直筋下部は骨盤下部にある恥骨に停止しています。そのため腹直筋下部の筋力が低下すると、恥骨が外に開いた状態となり、骨盤が開きっぱなしになると考えられます。
一方、腹横筋はその名の通り、腹部を横断している筋肉で、ベルトのような役割を果たしています。そのため腹横筋が緩むとベルトが緩んだような状態となり、骨盤が開きやすくなると言えます。
そこで骨盤の開きによるポッコリお腹解消には、猫背の姿勢を改善するエクササイズと、腹直筋下部と腹横筋を強化するエクササイズを行っていきます。
(1)肩甲骨内転筋エクササイズ
- マットにうつ伏せになり、両腕を肩のラインに広げます。この時、親指側を天井に向けるようにします。
- 胸を床から離し、その体勢のまま息を吸いながら肩甲骨を内側に寄せることで両腕を上げていき、1~3秒間静止します(写真上)。息を吐きながら、床に触れる手前まで両腕を下ろしていきます(写真下)。
そうすることで、肩甲骨内側にある肩甲骨内転筋に効かせることができ、猫背改善につなげることができます。
15~20回を、1分程度の休憩を入れながら3セット行います。
〈ポイント及び注意点〉
上体を起こし過ぎないように注意しましょう。上体を起こし過ぎてしまうと、肩甲骨内転筋ではなく、腰の筋肉に効いてしまうからです。みぞおちから下の部分を床から離さないようにしましょう。
(2)リバースクランチ
- 両膝を立てて仰向けになり、膝と股関節を90度に曲げます。両腕はカラダの横に「ハの字」に構え、手のひらを天井に向けるようにします。
- 息を吐きながら、下腹部を支点にお尻の下の部分が床から離れるまで骨盤を起こし、息を吸いながら下ろす動作を繰り返します。
この動作を繰り返すことで、腹直筋下部に効かせることができます。
15~20回を、1分程度の休憩を入れながら3セット行います。
〈ポイント及び注意点〉
骨盤の開き改善効果を高めるには、動作中は膝と足を結ぶラインをしっかり付けるようにします。そうすることで腹直筋下部にしっかり効かせることができるようになる上、股関節内転筋群にも効かせることができるようになるからです。
(3)スタンディングドローイン
- 左右のかかとを付けて立ち、つま先をできるだけ大きく外側に向けます(写真左)。
- 内ももをしっかり閉じて、肩甲骨を内側に寄せて胸を張り、お腹を凹ませた状態を30秒間キープします(写真右)。
これを1分程度の休憩を挟みながら、3セット行います。
〈ポイント及び注意点〉
お腹痩せ効果を高めるには、おへそ辺りを凹ませるようにします。呼吸が止まらないように注意しましょう。
2:便秘
便秘になると腸内にガスなどが溜まってしまうため、ポッコリお腹につながると考えられます。
便秘は、生活習慣の乱れや運動不足などによって内臓機能が低下することで引き起こされると言われています。
対処法
便秘によるポッコリお腹を解消させるには、腸内環境を整えるようにしていきます。腸内環境を正常に整えることで、便秘を解消させることができる他、免疫力向上や美肌効果なども期待できるようになります。
腸内環境を整えるには、善玉菌を増やす必要があります。そのためには、善玉菌そのものとなる「発酵食品」と、善玉菌のエサとなる「食物繊維」を摂るようにします。
1. 発酵食品
微生物の働きでできた食品のことで、キムチや納豆、ヨーグルト、味噌、ぬか漬けなどが挙げられます。
ただし、発酵食品を含む食品には塩分を多く含むものがたくさんあるため、一度にまとめて摂るのではなく、毎日の食事の中で少しずつ摂るのが望ましいと言えます。
2. 食物繊維
食物繊維には水に溶けない「不溶性食物繊維」と、水に溶ける「水溶性食物繊維」の2つがあります。
不溶性食物繊維は、主に4つの種類があります。
- セルロース:野菜など
- ヘミセルロース:穀類や大豆類など
- リグニン:ココアや豆類など
- キチン:甲殻類の殻やキノコ類など
不溶性食物繊維は水分を吸収して大きく膨らみ、腸を刺激して蠕動運動を活発にすることで便通を促す効果が期待できます。
一方、水溶性食物繊維には、主に3つの種類があります。
- ペクチン:野菜や果物など
- アルギン酸:海藻類など
- グルコマンナン:こんにゃく類など
水溶性食物繊維は小腸での吸収速度が緩やかなので、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。
食物繊維の一日の目標摂取量は、成人女性で18g以上、成人男性で20g以上と言われています。ちなみにキャベツひと玉(約1000g)に含まれる食物繊維の量は、18gと言われています。
3:皮下脂肪と内臓脂肪
一般的に「体脂肪」と呼ばれるものには、皮下脂肪と内臓脂肪の2つの種類が存在します。
皮下脂肪は女性に多く見られ、お腹や太もも、お尻などにつきやすく、落としにくいのが特徴です。
それに対して内臓脂肪は男性に多く見られ、皮下脂肪と比べて落としやすいのですが、溜め込み過ぎてしまうと生活習慣病の引き金となるので注意が必要です。
対処法
体脂肪を落とすには、全身の筋トレと有酸素運動を組み合わせて、継続的に行うようにします。
その際のポイントは、筋トレの後で有酸素運動を行うようにすることです。なぜなら筋トレ直後は、脂肪が分解され始めるタイミングだからです。
そのため筋トレの後で有酸素運動を行えば、分解された脂肪がエネルギーとして使われるようになり、効率良く脂肪を減らすことができると言えます。
「ポッコリお腹解消法」を見つける前にすべきこと
今回はポッコリお腹をもたらす主な3つの原因と、それに合わせた対処法をご紹介しました。
ポッコリお腹解消に導く方法は数多ありますが、原因に合わせた対処法を選ぶことが解消の近道と言えます。方法と原因がマッチしていないと、なかなかお腹痩せにつなげることができないからです。
そのため「方法」から見つけるのではなく、まずは「原因」を明らかにするところから始めるようにすることをお勧めします!