パソコン作業でお疲れのあなたに
仕事や勉強、趣味の時間。日々あなたはどれくらいの時間をパソコンに向かって過ごしていますか?そして、ずっとパソコンをしている中で、体のどこかに疲れや痛みがでたり、姿勢が悪くなったりしていませんか?そんなゆがんだ体をほぐしてあげて、美しい姿勢を保つための筋力を、少しずつ鍛えてみませんか?
パソコン生活とは切っても切れない生活を送る、現代人の皆さんへ!パソコン作業のあとにおすすめな、ヨガのポーズを組み合わせた一連の流れ(シークエンス)と、それぞれのポーズのポイントをご紹介いたします。
シークエンス
おすすめポーズの流れ
背骨全体をほぐす→首と肩まわりをストレッチ→背骨・全身を整える→リラックス
まず、準備運動としてゆっくりと背骨を中心に全体をほぐしていきます。その後、パソコン作業で疲れを感じやすい首・肩まわりをさらにじっくりストレッチ。それから背骨から足までストレッチさせ、骨盤調整、腹筋・背筋の筋力も意識しながら、全身のバランスを整えます。そして、最後にリラックスさせておわりです。
ポーズをとる際のポイントですが、左右交互に行うポーズなど、楽な方と困難な方があると思います。その時は困難だと感じる方に、じっくり時間をかけるよう意識しましょう。美しい姿勢はバランスの良い体の使い方ができてこそ。全身のバランスをとるためには、使えていない場所を動かすことが必要です。
それでは、各ポーズについて詳しくご説明していきましょう。
背骨全体をほぐす
どんなヨガのポーズを目的とするにしても、準備運動として難易度の低いポーズからはじめたり、体をほぐしておくことをおすすめします。まずは首・肩・手首・足首をまわしてほぐしてから、以下のポーズをしてみましょう。
座位の側屈のポーズ
座った状態で骨盤を安定させ、体側をストレッチします。
1)安楽座(またはあぐら)で座り、背筋を伸ばす。
2)左手をおしりの左横の床について、息を吸いながら右手を外側から真上へまっすぐ伸ばす。
3)息を吐きながら、左へ倒れていきます。右手は伸ばしたまま。できれば顔は右腕の方を向き、脇から天井を見るように。
4)体側の右側がストレッチされていることを感じながら、ゆっくりと3呼吸。この時右の膝やお尻が床から離れないように注意。
5)息を吸いながら2の位置に戻り、右手をおろしたら反対へ。
座位のねじりのポーズ
座った状態で骨盤を安定させ、上肢をねじってストレッチします。
1)安楽座(またはあぐら)で座り、背筋を伸ばします。
2)左手はお尻の後ろの床、右手は左足の上におきます。
3)顔は左を向き、吐く息で左方向へのねじりを深めていきます。
4)深いところまできたら、ゆっくりと3呼吸。目線も左へ向けます。
5)吸う息でゆっくりと1の位置に戻り、反対へ。
キャットアンドカウ
四つん這いの状態で前屈と後屈を繰り返し、背骨から骨盤周辺のストレッチをします。
1)四つん這いになる。手は肩幅に配置、指の間を大きく広げ手の平全体で床を捉える。膝は腰幅。
2)息を吐きながら背中全体を丸めるようにしていく。ポーズが深くなったところでゆっくり3呼吸。
3)息を吸いながら背中全体を反っていく。胸を開いてゆっくり3呼吸。
首・肩まわりをストレッチ
針の糸通しのポーズ
肩回りを中心に背中全体をストレッチする。
1)四つん這いになる。
2)左手が右腕の下を抜けて右側へと通りながら、身体を右方向へねじる。左手の平は天井向き。左こめかみを床におく。
3)ひざはおしりの下の位置。右腕は元の位置のまま、または頭の先へ伸ばすか、背中の後ろへ置く。できたら顔・視線は天井方向を向く。ゆっくりと3呼吸。
4)右手を元に位置に戻し、ゆっくりと1の逆の手順で、四つん這いに戻りチャイルドポーズをとる。反対へ。
背骨・全身を整える
下向きの犬のポーズ
手・足・首・肩・背中と全身を大きく使うポーズ。背中と脚をストレッチさせる。腹筋・背筋をバランスよく使う必要もあり、姿勢を支えるための筋力を鍛えます。
1)チャイルドポーズから、手の平で強く床を捉えつつ、足指を床につけかかとは上げたまま、膝を床から離す。
2)上肢を低く保ちつつ(床には触れない)、膝は曲げたまま、お尻を高くあげる。
3)顎をひき首の後ろはまっすぐと伸ばして、頭が下がらないようにし、耳と肩は離すよう意識。手首や肩に負担がかからないよう、腹筋・背筋に力を入れ、手・腕も力強く保つ。膝を交互に伸ばしてストレッチ。
4)お尻の位置は高くキープしたまま、両膝を伸ばす。できたらかかとを床につけるよう意識。深く3呼吸。
5)チャイルドポーズに戻る。
三角のポーズ
全身でバランスをとり体幹を鍛え、側位と足をストレッチさせるポーズ。
1)マットの上に立ち、足は肩幅以上に開く。
2)左足先を外向きへ、右足先は正面。それぞれの脚を外旋させるように力をこめて保つ。両腕を真横にのばす。
3)息を吐きながら左横へと体を曲げ、左手は左足(膝以外・できれば足首)をつかむ。できれば左手にあまり体重はかけない。腰に負担がかからないよう、脚は強く保つ。頭が下がらないよう意識し、右腕はまっすぐに上へ伸ばし、手の平は正面、胸を適度にひらく。深く3呼吸。
4)息を吸いながら2の位置へと戻る。反対へ。
仰向けで体をねじるポーズ
ムリなく胸を開きつつ、腰回りをストレッチ。内臓をゆっくり刺激して、要らないものを全部絞りだす!そんなイメージで、仰向けでリラックスへ向かいながらのねじりポーズです。
1)両手を左右に伸ばし、仰向けになる。
2)両ひざを曲げ、息を吐きながら体の左側へ倒す。顔は右向き。右肩が床から上がらないように意識。
3)足の位置を変えたり、左手で足を押さえたりして、気持のよい場所を探る。胸が開き、腰回りが伸びているのを感じながら、ゆっくり3呼吸。反対へ。
リラックス
屍のポーズ(シャバアーサナ)
最後に全身の力を抜いて、リラックス。滞っていたものがスッキリとし、良いものが体を巡っているイメージで。ゆっくり余韻に浸って、しっかり全身に行き渡ってもらいましょう。
1)できたら、部屋の照明は暗くする。らくな足幅、手の位置で仰向けになる。
2)目を閉じ、奥歯のかみしめを止め、顔、手、足、全身から力を抜いていく。自然な呼吸でリラックス。
3)気持ちの良い時間を過ごせたところで、体を右側へと向け、背中を丸める。
4)手を床について、頭を最後にするようにしてゆっくりと起き上がる。
さいごに
たくさんのポーズをするのが大変なときは、「身体全体をほぐす」の項目のみ、または1ポーズのみから挑戦してみましょう。また、一つ一つのポーズで気持ちよさを感じながら、ゆっくりと呼吸を繰り返すことが大切。体がほぐれてくると、もっと全身をストレッチしたくなってきます。
そうやって自然と体がいろいろなポーズを求めてきたら、ヨガのポーズを続けることもどんどん心地よくなってくるでしょう。まずはご自身を労わる気持ちで、1ポーズから始めてみませんか?