塩の種類について
塩をつくる方法で分けると、大きく2つに分けられます。
1. 海水塩
日本は周りを海で囲まれているため、海水塩が多いです。ミネラルが豊富で、まろやかな味が特徴です。海水を何らかの方法で蒸発させて作られます。
「あら塩」として売られているものは、粒が荒く、にがりを多く含んでいます。
にがりとは、海水から塩をつくる際に出る液体で、ミネラルが豊富です。にがりの量が多い塩は、複雑な味・コクがあります。ミネラルの成分である、塩化カリウムや塩化マグネシウムは苦味を感じさせるため、そのような味を作りだしているわけです。
粒が大きい分、食べたときにしょっぱさを感じやすいです。また、料理する際も溶けるのに時間がかかるため、煮込み料理や漬物などに向いています
精製塩
スーパーやコンビニで見かけることが多い塩です。原材料は海水ですが、ミネラルを取り除き、機械を使って結晶化するため、精製塩と呼ばれます。
ミネラルを含まず、塩化ナトリウムのみなので、栄養価は他の塩と比べると一番低い塩です。安い値段で売られているのも特徴です。
天然塩
海水を原料にし、太陽や風などの自然の力を利用して海水を蒸発させ、釜で煮詰めて結晶化させた塩です。
精製塩と異なり、ミネラルが豊富であることが特徴。主なミネラルは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、ヨウ素など。
再生加工塩
天日塩に、人工的ににがりを加え、釜で結晶化させた塩です。ミネラルが豊富なにがりを加えることで、ただ塩辛いだけではなく深みのある味になります。
2. 岩塩
昔、海だった場所が地殻変動などで隆起し、海水が閉じ込められ、結晶化したもの。見た目も、岩のようにゴツゴツしています。
外国産が多いですが、産地によって桃色、黄色など色はさまざまです。ミネラルは豊富ですが、不純物が混入していることも。
大昔から、長い年月を経てつくられた天然塩です。水に溶けにくく、味は丸みや旨みがあり、他の塩よりも塩味を強く感じることが多いのも特徴。
具体的には、
- ピンクロック
- アンデスロック
- ヒマラヤロック
- モンゴルロック
- ブルーロック
などの岩塩があります。
3. 湖塩
塩湖という塩水の湖でとれる塩です。ウユニ塩湖、死海、カスピ海など。日本では作られません。生産量はそれほど多くないため、他の塩に比べると値段が高いことが多いです。
成分、味ともに、海水塩と岩塩の間くらいです。
健康に良い塩ってあるの?
天日塩が一番健康に良さそう?
ナチュラルなイメージがある天日塩。体にも良さそう、と思う人も多いのではないでしょうか?
天日塩という名称はあくまで「製法」で、「原料が天然」というわけではありません。天日させて作られた塩のミネラル成分が豊富、などということはありません。そのような栄養成分が変わるのは、何を原料にするか、で決まります。
したがって、天日塩が健康に良いというわけではないといえます。
ミネラルが多い塩のほうが良い?
精製塩は、加工段階でミネラルが失われてしまいます。天然塩は、塩田など自然から作られるため、カリウムやマグネシウム、カルシウムなどのミネラルが豊富です。
もちろん、体にはミネラルが豊富な塩を選ぶと、より良いです。ですが、天然塩も精製塩も、どちらも塩は塩。摂りすぎて健康に良い、ということは、まずありません。
高血圧など生活習慣病のリスクを高めるため、摂りすぎは要注意です。
それぞれの塩に合う料理とは?おすすめの使い方
淡白な食材を使うとき
天日塩がおすすめです。ミネラルが豊富で、淡白な料理にもコクを出すことができます。食材そのものの美味しさを引き立てながらも、塩のコクを出したい時には◎。
食材の味を引き立てる特徴があるので、隠し味にもおすすめです。
肉料理
岩塩がおすすめです。味がしっかりとしている肉料理でも、岩塩であれば塩味が強いため、相性は良いのです。
肉の臭みを消す効果もあり、一石二鳥。料理の前に、下処理として使われることも。
天ぷら
岩塩がおすすめです。天ぷらというと、めんつゆなどで食べる人も多いですが、塩で食材を引き立たせることができます。
煮物料理
湖塩がおすすめです。湖塩は、海水塩と岩塩の間くらいの塩味とまろやかな味が特徴です。
煮物や煮込み料理など、火を使ってじっくり調理する料理では、味をよりまろやかにします。
マリネ
湖塩がおすすめです。マリネは酢を使うため、どうしてもマイルドさに欠けます。湖塩のまろやかさがマリネに合います。
特に使い分けないとき(何にでも合う)
精製塩が良いでしょう。他の塩よりも安い点や、くせもないため、どんな食材にも合います。
まとめ
塩にも沢山の種類があります。製法から、特徴までさまざまです。
それぞれの特徴をふまえて、料理の目的に応じて使い分けしてみてはいかがでしょうか。